ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴
編集内容:へファイストスの発明

ヘパイストス

へぱいすとす

ヘパイストスとはギリシア神話に登場する炎と鍛冶の神。オリュンポス十二神の一柱に数えられる。

概要

 鍛冶職人で、同時に『鍛冶』という『』と密接に関連する役柄からの神」という神格を持つ。象徴も火箸や金床、金槌といった職人らしいものが揃う。

 ゼウスヘラの第一子であるが、ゼウスの浮気にキレたヘラが一人で生んだとの伝承もある。

 性格は真面目で、仕事を愛する硬派職人気質。派手さこそ無いものの、非常に優れた技術を持ち、ゼウスの盾アイギスを始めとする多くの道具を作っている。(後述)

 鍛冶工房には、働き手として有能な鍛冶の技能を持つサイクロプスを雇っている。彼らはかつてゼウス/ポセイドン/ハデスの最大の武器を作った鍛治屋であり、これ以上ない仕事仲間といえよう。

 本人の容姿は醜く、生まれつき足が曲がっていたが、妻は美の女神アフロディーテ、もしくは美と優雅を司る三柱神カリスの一人アグライアだったと伝わる。一般的にはアフロディーテが有名だが、天界での妻がアフロディーテ、地上での妻がアグライアという説もある。

 生母ヘラにはその容姿のせいで嫌われ、出生後すぐに山から投げ捨てられる。そのときに足を折ってしまい、一生足が不自由になってしまった。その後、海の女神テティスとエウリュノメーに拾われて育てられ、無事天に帰る。だが、相変わらず彼を嫌っていたヘラには中々認知されず、神としての地位を得られなかった。そのため、彼は自作の椅子を上手く使ってヘラを拘束し、自分を認知させた上にアフロディーテとの結婚も承諾させている。

 別の説では母に嫌われてはおらず、ヘラとゼウスの夫婦喧嘩で母をかばった際、ゼウスの怒りを買って地上に叩き落された結果足が不自由になったとされている。この場合、ヘパイストスの椅子に拘束されたのはゼウスである。

また、戦闘力も高い方で、決して消えない炎を使って大河を蒸発させて河の神スカマンドロスを降参させたり、斧を使ってゼウスの頭をかち割って見せた。また、ゼウスの頭をかち割った際に生まれたのが知恵の女神アテナである。

結婚

 こうして一組の夫婦が誕生したが、ヘパイストスは真面目であっても地味で、仕事好きなために家にはほとんどいない男。一方のアフロディーテは、非常に美しいが刺激を好む性格で、恋愛に関しても奔放な女。こんな二人が上手く行くはずも無く、アフロディーテは夫を嫌い、性格は悪くてもイケメンのアレスと不倫してしまう(ちなみにアレスはヘパイストスと父母を同じくする、兄弟神同士であり、火や鉄との縁が深いという共通点がある。その意味では、この二神は実質同一神ではないかという人もいる。内なるエネルギーを外向的に闘いや破壊へと向けるか、内向的に創造活動へと向けるかの違いである)。

 妻を愛していたヘパイストスもこの兄弟による寝とられには怒り、ベッドに細工して二人がアレしてる状態で動けないようにした。そしてこれをアフロディーテに絶賛片思い中だったヘルメスに見せ、彼が周囲に触れ回った結果、アレスとアフロディーテは繋がったまま他の十二神のさらし者にされた。

 ヘパイストスは二人を裁くようゼウスに強く迫ったが、自分が浮気の権化であるゼウスが偉そうなことを言えるはずも無く、お茶を濁されているうちにポセイドンの説得で二人は解放されることになった。羞恥プレイに堪えかねたアレスは早々に退散したが、アフロディーテは平然としていたらしい。

 最終的にヘパイストスはアフロディーテと離婚することになり、アレスから賠償を受け取っている。この時もポセイドンが仲介をしているが、アフロディーテはそのお礼に一晩アレしたらしい。ちなみに、ヘパイストスは離婚する直前に一度アテナに迫っているが、その時に欲求不満だったせいで、アレが暴発して地面にアレをこぼしてしまい、しかもそこから子供が生まれるという神秘をやってのけている。結局フラれた彼だが、その時できた子供はアテナに育てられた。

 ブサメンでも一芸を身に付ければ偉くなれる」という希望と、「偉くなっても女にはモテない」という絶望を突きつける存在である。

 まさしく世界最古の※ただしイケメンに限ると言えよう。

 ただ、一部書籍等では後にアフロディーテの侍女である三美神カリスのアグライアーと再婚したともされており、希望を捨ててはいけないということかもしれない。

彼の作った道具

自律稼働型の椅子で、脚には黄金の車輪が付いている。

ゼウスの雷霆に関しては一般的にキュクロプスの作とされる。

  • アポロンの金の矢/アルテミスの銀の矢

弓矢が得意な彼らの合わせて作られた矢。

金の矢には相手を苦しませずに一瞬で殺し、銀の矢は女性を一瞬で殺す能力がある。

トロイア戦争の英雄アキレウスの装備一式。槍はトネリコ、鎧は青銅で出来ている。

また、盾にはギリシャの宇宙観を表した装飾が成されている。

ヘラクレスが12の試練の一つ「ステュムパーリデスの鳥退治」で使用した鐘で一度鳴らせば周囲に鳥たちが一斉に空に舞い上がるほどの大音量が鳴り響く。

アテナの持つ最強の盾ないしは胸当て。

詳しくはリンク先参照。

伝令神ヘルメスや英雄ペルセウスの使用した武器で、不死身である対象にも有効とされた鎌ないしは剣の一種。

  • マルミアドワーズ

 アーサー王伝説に登場する刀剣で、威力だけならエクスカリバー以上の切れ味を誇る。

この刀剣を使っている間、アーサー王はガウェイン卿にエクスカリバーを貸し与えたとも。

ボクシングの得意なディオスクロイの一人ポルックスの為に作られた鉄の義手。

ポルックスは両腕を切断してこの義手を装備し、大軍勢を相手に無双したという。

黄金でできた胸当て。

ヘリオス神が乗っている4頭立ての馬車で太陽そのものとも解釈される。

  • 装飾品

実は武器だけでなく、装飾品を作る事も出来た彼は、テティスハルモニアといった女神の婚姻の際には首飾りなどをプレゼントしている。

  • 見えない網

浮気をした妻とその浮気相手を縛り上げた見えない糸で編まれた網。へファイストス以外が解除する事が出来ない強力な力を持っており、シャルルマーニュ伝説ではカリゴランテという巨人の手に渡って彼が狩に使用していたが、アストルフォの策(?)によって自分が引っかかってしまい、彼の手に渡っている。

  • 黄金の椅子

自分を捨てたヘラを成敗した豪華絢爛な椅子で、座った物を捕縛してしまう力を持っている。

  • ヘクトールの鎧兜

 シャルルマーニュ伝説においては九偉人に数えられるヘクトールが言及される事が多々あり、彼の装備もヘパイストスの作ったものらしい。

また、道具のみならず、ギリシャ神話の誇るスーパーロボットタロスや人類最初の女性パンドラを作り出しているなど実質的に「彼に作れないものはない」レベルの技巧を誇る。ただし、医療の神としての側面を持つケルト神話の鍛冶神のように医薬品は作ったという記録はない。

他の名称として使われている例

フィクション内

タワーマンション

関連記事

編集内容:へファイストスの発明