概要
(画像左)
基礎データ
太陽からの距離 | 59億1510万km |
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直径 | 2370km |
表面積 | 1764万6000km² |
質量 | 1300兆t |
重力 | 0.07(地球を1とする) |
公転周期 | 247.740年 |
自転周期 | 6.39日 |
表面温度 | −223℃ |
分類 | 準惑星 |
衛星の数 | 5 |
太陽系で海王星の外側を回る準惑星。太陽からの平均距離59億1510万キロ、すなわち39.5402天文単位、公転周期247.740年。
1930年2月18日、米国ローウェル天文台のC=W=トンボーが発見し、長らく「第9惑星」とされていたが、2005年に当時は冥王星より大きいと思われたエリスが発見されたことで惑星の定義を明確に定める事になり、2006年8月24日に国際天文学連合により新たに準惑星に分類された。
軌道は離心率が大きく、海王星の内側になることもあり、公転面も大きく傾いている。最大光度13.6等。直径は2370キロ、質量は地球の0.0022倍。
カロン、ニクス、ヒドラ、ケルベロス、ステュクスの5衛星をもつ。
また、衛星ではないが、衛星のように冥王星の周りを回っているように見える天体(準衛星)としてアラウン(1994 JR1)がある。しかしながら、最近の研究によりこれを否定する説も出ている。
当初は地球より大きい星であるとも予想されたが、観測技術の発達により水星以上火星以下だと考えられ、さらにその後、直径の過大評価の原因となっていた衛星カロンが発見されることで大幅に下方修正され、月よりも小さい事がわかって来た(径:約69%、質量:約0.177倍)。
衛星カロン(冥王星の約半分の径を持つ)との二重準惑星的な関係が注目される。
発見国での呼び名はプルート(Pluto)といい、ローマ神話の冥界神(ギリシャ神話では冥王ハデスに対応)から名づけられた。この名を発案したのはヴェネチア・バーニー・フェアという英国の少女である。研究者たちの賛同を得て、命名権者のローウェル天文台所長ヴェスト・スライファーによって採用された。その和訳に「冥王星」を提案したのは天文研究家の野尻抱影である。
冥王星が第9惑星から「準惑星」に分類された事実は、「準惑星に分類された=惑星から降格された」という強い負のイメージとして(アメリカを中心に?)伝わっている。これは事実である。特に冥王星を題材にしたストーリーやキャラクターに対して愛着を持つ人たちにとっても、今回の準惑星への分類は「暴挙」と見ており、あえて「冥王星は惑星だ」と主張している人もいる。
(アメリカ人が唯一見つけた天体であったということもある。)
過去において、同じく惑星から"降格"された天体として、小惑星帯の幾つかの天体が存在する。この内ケレス(セレス)は冥王星降格とともに昇格された。また古くにおいては、太陽と月も惑星の一種と捉え、五惑星と合わせて七曜とする考えも有った。
発見された時点では、太陽から最も遠い天体だったことから、氷に閉ざされた死の天体、というイメージが一般的であった。しかし、2015年にアメリカの探査機ニュー・ホライズンズが接近探査に成功し、冥王星が薄い大気を持ち、表面が絶えず更新される「生きた天体」であることが判明した。
かつて描かれた想像上の冥王星
松本零士ワールドの冥王星
青い、氷に覆われた星
ケロロ軍曹における冥王星
アニメ放送中に準惑星降格が確定したため、それを題材としたエピソードが放送された。
146話『冥、おぼえていますか であります』にて、地球人の「冥王星への想い」が美少女・九条冥の姿をとって出現した。
探査当時の盛り上がり
ニュー・ホライズンズによる冥王星探査は、宇宙好きのみならず、多くの人々にとって注目の的になった。
冥王星クソコラグランプリ
ニュー・ホライズンズ探査機の冥王星最接近当日の2015年7月14日から数日の間、Twitter上では怒涛のクソコラグランプリが繰り広げられ、それらのまとめも多数作られた。
海外に於いても#PlutoFlybyのハッシュタグで様々な冥王星のコラ画像が投稿され、その様子はBBCにも取り上げられた。(但し、PlutoFlybyのハッシュタグ自体はクソコラ専用タグではない。)
ちなみに、これ程までに天体のクソコラグランプリが盛り上がったのは非常に稀な例で、他の例としては精々世界で初めてブラックホールの撮影に成功した時にブラックホールのクソコラがいくつか投稿されたくらいである。
セーラームーンの予言?
ニュー・ホライズンズによる探査によって、表面に大きなハート型の地形(トンボー地域)が発見されたが、セーラープルートが持っているガーネット・ロッドの頭部がハート型であることから、「武内先生は冥王星にハート型地形がある事を予言していた…?」と、一部で話題になった。
将来の探査計画
まだ正式なプロジェクトにはなっていないが、以下の冥王星探査計画(ソース元は英語なので注意!!)が存在する。
この探査計画では、探査機を2028年に打ち上げ、2030年に木星スイングバイ、2046年に冥王星を回る軌道に投入し2059年まで探査する予定である。
別の探査計画では、2030年に打ち上げ、26年後に冥王星に到着。3年間の探査の後、冥王星を回る軌道を離脱し、2070年代に他のカイパーベルト天体を探査する計画となっている。
どちらもニュー・ホライズンズによる前回の探査と異なり、周回しながら時間をかけて詳細な探査を行う計画である。しかし、前者の計画に比べ後者の計画は、軌道の関係で木星スイングバイによる加速が出来ないため、より長い期間が必要になる。
実際に採用されるかどうかは分からないが、もしこのような計画が採用された場合、より詳しい冥王星の姿が明らかになるであろう。
関連動画
関連タグ
宇宙 太陽系 惑星 準惑星 カイパーベルト セーラープルート The_9th 反射衛星砲 グランスフィア
プルトニウム 冥王星にちなむ元素名。
スーパーロボット大戦W …「(旧西暦時代に)冥王星が準惑星に分類された」事が物語中で重要なファクターとして扱われている。