妖精
ようせい
概要
妖精とは、人間が普遍的に持つ観念としての、命や神や霊や魂などを表すときの言葉の一つ。
自然崇拝・精霊崇拝における「森羅万象に命が宿る」または「幾つかの具現化された形の中の一つ」とされたり、自然霊の一種、もしくは神々の零落した姿とされたりする。
西洋では主に民間信仰の対象であったが、キリスト教の導入により信仰観が変わった。
一般的には、虫の羽根の生えた小人の少女(時には少年)の姿で表現されるのがテンプレとなっており、主に西洋的・ファンタジー的なものとして扱われる。
pixivのタグとしても主にそういうイラストに用いられているが、厳密には妖精とは異なる種においても、手のひらサイズなら妖精タグが付けられることが多い。
アニメでは、ぬいぐるみ型のマスコットキャラクター(特に魔法少女のお供)も妖精と呼ばれる事が多い。
また、幻想的な人物や、優雅に舞う様子などの比喩的表現としても用いられ、「~の妖精」といった表現も非常に多く用いられる。
妖精というと「人型で美しく、小さい」というイメージがあり、イギリスの伝承であるフェアリーは虫の羽を持っているが、本来の妖精(フェアリー)という単語が持つ意味はかなり広い。
イングランドのスプリガンは醜い外見をしているだけでなくその大きさを変えることが出来、ギリシャ神話のニンフなどは人間と同じサイズであり、ケルト神話には妖精犬なども存在する。
また、デュラハンも元を辿ればアイルランドに伝わる妖精の一種である。
性格も様々で、必ずしも善良な性格とは限らない。
日本ではむしろ「妖怪」と呼んだほうがしっくりくるような存在が、妖精にカテゴライズされていることも少なくない。
名前については特にイギリスからアイルランドに伝わる妖精には「シー」という名詞がつくが、これ単体で妖精を意味し、他の単語を組み合わせる事で特定の妖精名になっている(ケット・シー、バンシー、リャナンシー、ディーナ・シーなど)。
例えばクー・シーはクー(犬)+シー(妖精)で犬の妖精という和訳が可能となる。
※妖精の種類については「妖精一覧」の記事を参照。
妖精と精霊
「~の妖精」という表現の類義に「~の精霊」が存在し、ファンタジーにおいてはしばしば混用され、区別が難しい。
ただ、妖精は精霊と比べると比喩的な表現としても多く用いられる他、メルヘン・ファンシー・可愛らしいといった雰囲気を持つ傾向がある。
対して精霊は、妖精と比べるとより神聖・厳格な雰囲気を持つ傾向があり、加えて比喩的な表現としてはまず用いられない。
虫羽や小人はだいたい妖精扱いされ、人型の水や風はだいたい精霊扱いされる傾向にある。
精霊の方が等身大だったり大人な見た目だったりする傾向がある分、漢字に反して精霊の方が妖艶に描かれる事が多め?
どちらも単に「精」と表現される事もある。