七夕
たなばた
🎋概要
旧暦では7月7日の夜のことで、日本ではお盆(旧暦7月15日前後)とも関連がある年中行事であったが、明治改暦以降、お盆が新暦月遅れの8月15日前後を主に行われるようになったため関連性が薄れた。
今日、日本の七夕祭りは、新暦7月7日や月遅れの8月7日、あるいはそれらの前後の時期に開催されている。
だが、しかし……
2015年8月20日、2016年8月9日、2017年8月28日、2018年8月17日、2019年8月7日、2020年8月25日、2021年8月14日、2022年8月4日。
このように本来の七夕は、年によって違う。
旧暦は月の動きで暦を定めており、現代とはズレている。
歴史
元は中国で「乞巧奠」(きっこうでん)の名で祝われていた行事。「天河配」とも。後述する伝説をもとに7月7日の織姫と彦星の逢瀬を祝い、織姫にあやかって機織りの上達を祈った。「乞巧奠」は奈良時代に中国から日本に伝来し、宮中の行事として行われたとされる( → 節句)。
平安時代には機織りに限らず、裁縫や書道、詩歌管弦の上達を祈って宮中の男女が集って歌会を開き宴を催した。
江戸時代ごろから、笹に願い事を書いた短冊を飾り、お祈りをする風習として庶民の間に広く行われるようになった。ここから「笹の節句」とも呼ばれるようになった。
伝説
天帝の娘である織姫は機織りの上手な働き者の女性であった。彦星もまた一所懸命に働く牛飼いの青年だった。
二人は天帝に認められ夫婦となったが、仕事を忘れて遊んでばかりいるようになったため、服が古くボロボロになった人々が天帝に文句を言うようになり、牛もやせ衰えて瀕死に陥っていた。
これが天帝の怒りを買い、二人を天の川を挟んで離れ離れにするが、あまりにも二人が悲しむあまり仕事をしようとしなかったため、一所懸命働けば1年に1度だけ会うことを許した。そのため二人は、1年に1度の再会のために熱心に働くようになった。
また、万が一天の川が雨で氾濫し渡れなくなると、カササギ達がやって来て橋を掛けてくれるとも言われている。
遠距離恋愛…しかも、その程度しか会えない関係なぞ…すぐに冷え込む!とか言わない。
織姫も彦星も神の一員のようなもので、時間感覚も長いはずだ。
きっと…♡
なお、新暦7月7日は、日本の大半の地域では梅雨の真っ最中で、夜空が晴れる確率は低い(新暦8月7日や旧暦7月7日も晴れる確率は高くないらしいが)。そんな天気の場合、織姫と彦星の解釈は「天の川が見えないので会えない」、または「雲の向こうで人目をはばからずいちゃついている」の2派に分かれるとか⋅⋅⋅⋅⋅⋅
でもまぁカササギもいることだし心配はご無用でしょう。
もう一つの「七夕」
七夕には無病息災を願う別の逸話が存在する。
古代中国において、ある帝の幼い王子が7月7日に熱病で夭折してしまう。ところが王子は霊鬼神(悪霊)に変じてしまい、世間に疫病を流行らせ人々を苦しめる存在となってしまう。
そこで帝は息子の怨念を鎮めるため、王子の好物だった小麦粉を練って作った甘い菓子「索餅(さくべい)」を備えて供養し、その魂を慰め疫病の流行を止めたという。
この索餅はのちに日本でそうめんへと転じ、そうめんを食すことで一年の無病息災を願うようになったとされる。
古代では「小麦粉には解毒作用がある」と信じられたため、食中毒や夏バテなど「夏の毒気」を体から追い払う「健康祈願」の意味も含まれるようなった。
これが七夕伝承と奇しくも日付が重なり、またそうめんを織姫の機織りの糸に見立てたことから、そうめんを七夕に食す習慣が誕生したとされる。
天稚彦草子
日本版の七夕物語ともいえる話で、御伽草子に収録されている。
彦星に相当する男性が天稚彦、織姫に相当する女性は長者の末娘となっている。
三人の美しい娘を持つ長者の家に蛇がやってきて、娘を嫁にくれなければお前を食ってしまうと脅す。唯一了承した末娘に、蛇は自分の頭を切るように言う。末娘が言われたとおりにすると蛇は美しい男の姿になり「自分は天稚彦である」と名乗る。
二人は楽しい日々を送るが、ある日天稚彦は用事があって天に旅立つ。その時に唐櫃を娘に渡して「これを開けたら帰ってこられなくなる」と告げるのだが、姉たちがこれを開けてしまう。末娘は天稚彦に会うため天に向かう。
天に昇った娘は天稚彦と再会するが、なんと彼の父親は鬼であった。父鬼が部屋に来る気配を感じた天稚彦は咄嗟に術を使って娘を脇息(肘掛け)に変えてしまう。父鬼は「人の香がする」と言って去るが、それからも父鬼が来るたびに天稚彦は娘を扇子や枕などに変えてごまかす。しかしある日うっかり昼寝をしていて娘を見つけられてしまう。
父鬼は娘に「百足の蔵で一晩過ごすように」と難問をつきつけるが、娘が天稚彦から譲り受けた袖を「天稚彦の袖」と言いながら振ると、百足は刺すことをしない。そこで父鬼は次々と難問を出すが、それも娘は天稚彦の袖を使って突破する。
父鬼はとうとう娘を認めて「月に一度だけなら会ってもよい」と告げるのだが、娘は年に一度と聞き間違えてしまう。そこで父鬼が「それでは年に一度だ」と、瓜を地面に打ち付けると天の川となった。こうして娘と天稚彦は年に一度、7月7日の晩だけ逢瀬を楽しむことができるようになった。
pixivにおける七夕
恋愛にまつわる行事であるせいか?節句随一の人気を誇る。
七夕に次ぐ雛祭りとこどもの日(女の子の日と男の子の日)の人気の高さにも注目したい。
1月7日 | 七草の節句 | 5件 |
---|---|---|
七草 | 30件台 | |
七草粥 | 24件 | |
3月3日 | 桃の節句 | 160件台 |
雛祭り | 1400件強 | |
ひな祭り | 1400件弱 | |
5月5日 | 菖蒲の節句 | 36件 |
端午の節句 | 200件台 | |
こどもの日 | 1300件台 | |
7月7日 | 七夕 | 13000件強 |
9月9日 | 菊の節句 | 19件 |
重陽の節句 | 21件 | |
重陽 | 18件 |
(2014年11月5日調査)
と、有名な別名がないために投稿件数がタグごとに割れない事を考慮に入れても、投稿数が飛び抜けて多い。原典が色々妄想を膨らませてくれそうな割には、R-18の割合も低く(ぎりぎり1%未満)、大半が健全絵である。
関連イラスト
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七夕さま/下総皖一 作詞:権藤はなよ
たなばた(The Seventh Night of July ~TANABATA~)/酒井格