概要
J・K・ローリングによる小説『ハリー・ポッター』シリーズを最初の原作とし、映画、舞台劇、ゲーム、テーマパークなど多様なメディアミックス展開がされている作品群。
『ファンタビ』がシリーズ化した第2作『黒い魔法使いの誕生』の公開をきっかけにユニバースとして定義された。
世界全体での興行収入はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)、『スター・ウォーズ』シリーズに次ぐ第3位で、日本国内に限定すれば知名度も含めMCUを上回る。
展開一覧
『ハリー・ポッター』シリーズ
<媒体:小説・実写映画など>
舞台は20世期のイギリス。意地悪な親戚の家に住む11歳の孤児ハリー・ポッターのもとに、アルバス・ダンブルドアが校長を務めるホグワーツ魔法魔術学校入学許可の手紙が届く。ロンやハーマイオニーとの学校生活、そして闇の魔法使いにしてハリーの両親の仇ヴォルデモート卿との死闘が描かれる。
小説は全7巻。初期は児童書的な明るい雰囲気だが、作中でハリーが成長するにつれて読解の難易度が上がり、社会の腐敗や差別、主要人物の死など暗い描写が増える。
ワーナー・ブラザーズによって映画化されている。
しかしストーリーの省略、根幹となる設定の矛盾が多く含まれているため、正史はあくまで原作となる小説版だと考えた方が良い。また、その原作の邦訳版も大量の珍訳・誤訳が含まれているので注意。
…と言っても大まかなあらすじ程度なら乖離は少ないので、どちらかを選んで視聴/読了後、それらの相違点について検索するくらいで構わないだろう。
原題は原則『Harry Potter and the~』となっており、邦訳版では『ハリー・ポッターと〇〇の△△』としている。
<作品一覧>
※発表年は全て原語版のもの。
No. | 原題
| 小説 | 映画 |
---|---|---|---|
1 | Harry Potter and the Philosopher's Stone | 1997年 | 2001年 |
2 | Harry Potter and the Chamber of Secrets | 1998年 | 2002年 |
3 | Harry Potter and the Prisoner of Azkaban | 1999年 | 2004年 |
4 | Harry Potter and the Goblet of Fire | 2000年 | 2005年 |
5 | Harry Potter and the Order of the Phoenix | 2003年 | 2007年 |
6 | Harry Potter and the Half-Blood Prince | 2005年 | 2009年 |
7 | Harry Potter and the Deathly Hallows | 2007年 |
|
※忠実に訳すなら「半純血のプリンス」や「混血の王子」が適当
(外伝・解説書)
こちらも著者は全てローリング氏。
原題
| 発売 | 扱い・備考等 |
---|---|---|
Fantastic Beasts and Where to Find Them
| 2001年 | ホグワーツ魔法魔術学校指定教科書 |
Quidditch Through the Ages
| 2001年 | 同上 |
The Tales of Beedle the Bard
| 2008年 | 作中作 |
Short Stories from Hogwarts of Heroism, Hardship and Dangerous Hobbies
| 2016年 | 電子版のみ |
Short Stories from Hogwarts of Power, Politics and Pesky Poltergeists
| 2016年 | 電子版のみ |
Hogwarts:An Incomplete and Unreliable Guide
| 2016年 | 電子版のみ |
『ハリー・ポッターと呪いの子』
原題は『Harry Potter and the Cursed Child』。
時系列は『死の秘宝』本編の19年後で、ハリーたちの子世代のホグワーツにおける活躍を描いた物語。
上記シリーズの続編であり"第8巻"という位置付けだが、初出の媒体が小説ではなく舞台劇であること、原作者ローリングは原案の共同執筆者であり、脚本はジャック・ソーンが書き、おおよそ大部分を別人が書いた作品であるということから「正史ではなく、あくまでパラレル」と見なすファンもいる。
ちなみにローリング本人は「舞台劇のために書かれたもの、映画にする予定はない」と言っている。
ロンドンで2016年初演。2022年には東京にて日本人キャストで公演予定。
『ファンタスティック・ビースト』シリーズ
舞台は『ハリー・ポッター』シリーズより半世紀以上前。
魔法動物学者のニュート・スキャマンダーを主人公に、不思議な魔法動物たちとの交流や暗躍する闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドとの対決を描いた物語。
ニュートが著したホグワーツ指定教科書、という設定の前述の副読本『幻の動物とその生息地』を発展させたスピンオフまたは前日譚的な映画シリーズで、制作は引き続きワーナー・ブラザーズ。全5作予定。
またそれぞれの脚本も(公開からやや遅れて)発売されている。
原作者ローリングが単身で、3作目からは共同で脚本を担当しているため「正史」とみなされることが多い。
<作品一覧>
No. | 原題
| 公開日(米英) | 公開日(日本) |
---|---|---|---|
1 | Fantastic Beasts And Where To Find Them | 2016年11月18日 | 2016年11月23日 |
2 | Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald | 2018年11月16日 | 2018年11月23日 |
3 | Fantastic Beasts: The Secrets of Dumbledore | 2022年4月15日 | 2022年4月8日 |
4 | (タイトル未定) | 2024年(予定) | |
5 | (タイトル未定) | 2026年(予定) |
※1 忠実に訳すなら副読本の邦訳と同じ「その生息地」が適当
※2 同じく「グリンデルバルドの罪」
『ポートキー・ゲームズ』
瞬間移動ができる魔法道具「ポートキー(Portkey)」から名前がつけられた、ゲームのレーベル。
ちなみに以前にも『ハリー・ポッター』シリーズのゲーム化はされている。
すべてそれぞれのゲーム会社が原作を参考にして製作しており、原作者ローリングは一切関わっていない。
原題
| 種別 | 媒体 | 発表 |
---|---|---|---|
Harry Potter : Hogwarts Mystery | アドベンチャー | スマートフォンアプリ | 2018年 |
製作はパズルゲームを手掛けてきたアメリカのゲーム会社JamCity。
兄・ジェイコブがホグワーツの「伝説の呪われた部屋」を捜索中に他の生徒を危険に晒して退学処分、さらには行方知れずとなったため、主人公はホグワーツ入学後兄の手がかりを求めて「呪われた部屋」に挑戦する、という物語。
プレイヤーのアバターとなる主人公は外見・寮などが選択可能で、また選んだ性別によって弟/妹と変化、デフォルトで設定されている名前もないため、便宜上「ジェイコブのきょうだい(Jacob's sibling)」表記になっている。
物語は『賢者の石』の7年前から始まるため主人公はいわゆる兄世代に該当し、ハリー・ポッターたちと在学期間は被らないがニンファドーラ・トンクスやロン・ウィーズリーの兄たちなど原作でお馴染みのキャラクターとも友情を育むことが可能。
Harry Potter : Wizards Unite | AR | スマートフォンアプリ | 2019年~2022年 |
製作はポケモンGOと同じNiantic。このためかゲームの要素や流れに共通点が多く、ついた通称は「ハリポタGO」。
突如起きた謎の大災厄に対し、魔法の秘匿を守るため結成された組織SOS部隊はファウンダブル(非魔法界に現れた魔法の痕跡)の捕獲と事態の原因究明に奮闘する、という物語。
時代設定は『死の秘宝』と『呪いの子』の間で、大人になったハリーたちも登場した。
Harry Potter : Puzzles & Spells
| パズル | スマートフォンアプリ | 2020年 |
アバターの性別や外見、寮などが選択可能。物語は『ハリー・ポッター』シリーズに準拠しているが、特にオリジナルストーリーが展開されるというわけではなく、他プレイヤーとポイントを競うソーシャルゲームとしての趣が強い。
Haryy Potter : Magic Awakened | CCGMMORPG | スマートフォンアプリ | 2021年 |
アバターの性別や外見、寮などが選択可能。舞台は『死の秘宝』から10年後のホグワーツで、入学式当日に姿を消した女子生徒の捜索から始まる物語。
全ての生徒と一部教職員、絵画がゲームオリジナルとなっている。
Hogwarts Legacy
| オープンワールド型アクションRPG | PS5、PS4、Windows、Xbox(One、Series X/S)、Nintendo Switch | 2022年(予定) |
ピクサー作品のゲーム化を務めてきたアメリカのゲームスタジオ、Avalanche Softwareが制作中のゲーム。
ホグワーツ全域をマップとし、ニュートはおろかダンブルドアもホグワーツに入学していない1890年代というシリーズ最古の時代に生きるホグワーツ生の冒険が描かれる予定。
テーマパーク
- ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター
ユニバーサル・スタジオのテーマパークに導入されている、世界観を忠実に再現したエリア。
場所 | テーマパーク | モデル | 開業年 |
---|---|---|---|
アメリカ・フロリダ州 | アイランズ・オブ・アドベンチャー |
| 2010年 |
アメリカ・フロリダ州 | ユニバーサル・スタジオ・フロリダ |
| 2014年 |
日本・大阪 | ユニバーサル・スタジオ・ジャパン |
| 2014年 |
アメリカ・カリフォルニア州 | ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド |
| 2016年 |
- ワーナーブラザーズ・スタジオツアー東京 メイキング・オブ ハリー・ポッター
2023年としまえん跡地にオープン予定。
ロゴについて
本が見開かれた状態で、九本の杖がページを模している。
杖は左から順に以下の通り。
杖(持ち主) | 諸元 | 備考 |
---|---|---|
ヴォルデモート | 不死鳥の尾羽根、イチイの木、34センチ | |
ロン・ウィーズリー | ユニコーンの尻尾の毛、柳の木、35.6センチ | |
ハーマイオニー・グレンジャー | ドラゴンの心臓の琴線、ブドウの木、27センチ | |
ハリー・ポッター | 不死鳥の尾羽根、柊の木、28センチ | |
ニワトコの杖
| セストラルの尻尾の毛、ニワトコの木、38センチ | 死の秘宝の1つ |
ニュート・スキャマンダー | 骨、ライムの木・先端はトネリコ・持ち手は貝殻、36センチ | |
ティナ・ゴールドスタイン | 現状不明 | |
クイニー・ゴールドスタイン | 同上 | |
アルバス・ダンブルドア | 同上 | ファンタビ当時 |
関連イラスト