概要
『DEATHNOTE』に登場する死神界の住人達である。
死神はデスノートに人間の名前を書き、相手を殺害してその寿命を縮め、縮んだ分の寿命を自分のモノにして生きながらえている。いわば人間界に寄生しているとも取れる。
そのため、死神は人間界の伝承や他の漫画作品などにありがちな「人の魂をあの世に連れて行く」といったことは行わず、一度人間を殺害したら数十年は何もしない。死神を死に至らしめる手段は非常に限られている(名前の書き忘れによる寿命での死か、掟破りによる死のどちらか)ため、非常に長生きである。
13巻ではデスノートと寿命のシステム上、死神界の歴史は人間界より浅い(人類誕生以前は存在していなかった)ことが示唆されている。
またリュークは「デスノートを使った者は天国にも地獄にも行けない」と語っている。デスノート世界に天国や地獄が実在するのかはさておき、この台詞がフカシではないとすると、死神が大王の裁き等で死亡した場合にもやはり天国にも地獄にも行けない、ということになる。
他にも、「死神に憑かれた人間は不幸になる」と言う言い伝えが存在しているらしく、実際に作中では死神に憑かれた7人(夜神月、弥海砂、火口卿介、魅上照、カル・スナイダー、Cキラ、田中実)全員が凄惨な死を遂げている。
死神界
死神の住む上位次元に位置する異世界。地球からはいかなる方法を用いても観測できない未知の領域である。支配しているのは死神大王。
死神界は何もない砂漠の中に、球場のドームがごろごろしている殺風景な世界である。死神は何一つ生産的な活動を行わないため、娯楽といえば骸骨積み賭博しかない。死神界にも一応リンゴはあるが、萎んでピーマンの様な形と色になっており、砂のような食感で人間界のそれとは比べ物にならないほど不味い。
ドームの中には人間界を見通す「穴」のようなものがあり、ここから殺す人間を選んだりするほか、人間界に出入りするゲートにもなる。キラが殺人を行ってからは、話に関係ない死神界の死神たちもその「裁き」を見て一喜一憂していた。なお、死神が一度でも顔を見て本名を知った人間は、「穴」を使えば地球のどこにいても見ることが出来る。
リューク曰く「今の死神界は腐っている」とのことで、人間を殺して寿命を稼ごうとすると「必死になっている」と嘲りの対象になるらしい。管理者である死神大王も、人間界のリンゴで簡単に買収されるなど、もはや腐敗しているという言葉すら生ぬるいほど荒廃している。
そもそも人を殺して寿命を奪わないというのは死神というアイデンティティ(存在理由)そのものの否定であるように見えるが、当の死神たちがそのことをどう考えているのかは不明。
基本的な特徴
- 死神は別次元の生命体の為、人間界にある障害物はすり抜けることが出来る。体温も持たないため赤外線でも感知不可能。人間界の物体や生物に干渉することはできるが、任意で人間をすり抜けることも可能(リュークは海砂に抱き着かれた時に透過して落とした)。
- 死神は人間界の生物には目視はおろか物音を聞くこともできない。死神以外で死神を見ることが出来るのは、(破片でも)デスノートに触れたことがある人間のみ。死神の目の有無は関係ない。
- Aという死神が持っているデスノートaがあったとして、人間が別の死神Bの持つデスノートbに触れても、Bが見えるようになるだけでAを認識することはできない。
- どんな形状をしていても死神には翼があり、飛行が可能。普段は畳んでいることが多い。
- 死神は人間界の物理攻撃は全てすり抜けるため何のダメージも負わない。
- デスノートに死神の名前を書いても死ぬことはない。
- 死神の目を持っているため、死神は顔を見ただけで人間の本名と寿命が見える。視力も人間(死神の目の契約者含む)とは比べ物にならないほど高い。
- 死神には雌雄の区別はあるが、生殖能力を持たない。人間と結ばれた場合は即死神大王に抹殺される。雌の死神もしゃべり方は荒っぽいことが多い。
- 寿命が尽きない限り死神は死ぬことはない。呼吸も水も睡眠も不要で、餓死もしない。
死神限定のデスノートに関する掟
- 死神は人間にデスノートを与えても問題はなく、その場合はデスノートを持った人間に「憑く」。一度人間に憑いた死神は、その人間から14㎞以上離れてはいけない(距離は新作読切で判明)。
- デスノートを手にした人間の前に、死神は39日以内に現れる。ノートのルールに関しては教えなくてもいいが、教える場合には手引書などを直接見せてはならず、知っているのを読み上げるだけしかできない。
- 死神は故意に6歳以下の子供にデスノートを与えてはいけない。
- 人間に対し、死神は自分の目で確かめた殺害対象の本名・寿命を教えてはならない。
- 自分の保有するデスノートが誰の手にも渡っていない場合、死神は人間界に行けない。故意に人間界に行って渡す、落とす分はOK。
- デスノートの所有権は、死神が故意に与えた者か、もしくは人間界に適当に放置した場合に最初に拾った者に与えられる。所有権は本人が「私はこのノートを捨てます」と死神に対して言うか、死亡した場合には抹消される。
- 所有権を放棄した使用者は、デスノートに関する全ての記憶を失う。死神の目の取引をしたとしても、所有権を失うと消滅する。勿論、複数所有している場合は全て失わない限り大丈夫。
- 所有権を放棄しても、紙片でもそのデスノートに触れれば記憶は戻る。ただし、デスノートに触れていない限りはまた記憶を失う。
- 所有権放棄を行わなくても人間はデスノートを別の人間に又貸しすることが出来るが、その場合は所有権を持っている奴に死神が憑く。
- 人間がデスノートaの所有権を放棄した場合、再び記憶を取り戻さない限り死神Aを認識することはできない。
- デスノートの所有者が死んだ場合、そのノートの所有権は死神に戻る。しかし死神が取り戻す前に別の人間がそのノートを触っていた場合には、その人間が新たな所有者となる。
- 所有権がある、もしくは自分が憑いている人間を殺しても死神には何のお咎めも無い。
- 死神Aが他の死神Bからデスノートを盗んだ場合、盗んだ死神Aが所有権を有する。
- 盗まれた側の死神Bがノートを奪還したいなら、盗んだ死神Aから返却してもらう必要がある。盗んだ死神Aが死滅し、そのノートを人間が所有している場合には、死神Bはその人間に憑く。あとは憑いた人間が死ぬまで待つか、談判して返してもらうかすれば死神Bは死神界にノートを持ち帰ることが出来る。盗み取るなどの自力救済は無効。(あまりにややこしいルールのため、シドウは「げっ最悪…」と落胆していた)
- 死神はデスノート以外の方法で絶対に人間を死に至らしめてはならず、デスノート以外の方法で殺した場合は即処刑される。
- 死神が、自分の愛した人間の寿命を延ばすために他者を殺害した場合、その場で死ぬ。作中ではこのルールが物語の重要なカギを握っている。
- 死神Aが死亡してもデスノートaはその場に残るが、その場合は(怒られるのが嫌なので)他の死神が死神大王に返却することが多い。
- 死神Aが死んでノートaが残った場合、その死神Aを何らかの方法で知っていた人間以外、Aの持つデスノートaは見ることも叶わない。
登場する死神
階級のある死神
階級 | 名前 | 性別 | 特徴 |
---|---|---|---|
統治者(0?) | 死神大王 | たぶん♂ | 死神を統べる者。 |
1 | ヌ | ♀ | 全身に無数の目を持つ岩の塊のような姿。 |
2 | アラモニア=ジャスティン=ビヨンドルメーソン | ♂ | 通称「宝石骸骨」。死神界の御意見番的存在。 |
3 | ダリル=ギロオーザ | ♀ | 上半身が黒い。 |
4 | レム | ♀ | 弥海砂に憑く。メイン画像奥の右から二番目。 |
5 | ゼルオギー | ♂ | インディアン風の飾りと左腕のフックが特徴。 |
6 | リューク | ♂ | 夜神月に憑く、リンゴしか食べない死神。メイン画像奥の右端。 |
7 | グック | ♂ | ヤギのような顔をしている。 |
8 | シドウ | ♂ | 本作一のおバカ。メイン画像手前の左。 |
9 | ミードラ | ♀ | サンショウウオのような姿をしている。メイン画像奥の左端。 |
10 | デリダブリー | ♂ | 亀のような外見。鎌を携えている。 |
11 | カリカーチャ | ♂ | 目が10個ある。 |
12 | キンダラ=ギベロスタイン | ♀ | 暴れることにしか興味が無い。原作だと背表紙にしか出ない。 |
13 | ジェラス | ♂ | 最初に死神の掟を破り死んだ死神。メイン画像手前右。 |
なお読切版ではリュークはC級という扱いであり、女性死神はもっと人間的な外見をしていた。
その他
上記13名以外にも、モブの死神が数多く登場しているので、ジェラスがビリというわけではない模様。そもそも、階級を気にしている死神はおらず、大王以外は上下関係もない。
- ST:アニメディレクターズカット版『リライト 幻視する神』に登場。
- アーマ:劇場版『Light up the NEW world』に登場。美声。
- ベポ:Light up the NEW world』に登場。