この記事には現在公開中の映画『シン・ウルトラマン』に関する重大なネタバレが含まれています。
概要
映画『シン・ウルトラマン』に登場する巨大不明生物の総称。初期の個体は「敵性大型生物」とも呼ばれる。英称は「S-class Species」。
なぜか日本にしか出現せず、その存在は地震や台風のような災害として日常の延長となっている。
「禍威獣」という名称は政府からの公募で決定したもので、4体目からこの呼称がつけられるようになる。
各禍威獣の名称は防災大臣の趣味によるもの。
一部の個体はほぼ同じ構造の胴体部を有しており、「そこだけアタッチメントのように挿げ替えたよう」だと作中で指摘されているが……?
一覧
類似した存在
????:厳密には禍威獣ではないが、作中で判明した禍威獣達の正体(後述)を考えると同類と言える。
関連項目
真実
その正体は、太古の昔に地球に封印、あるいは遺棄された星間戦争用の生物兵器であった。
一部の禍威獣のデザインが共通しているのも、彼らが規格化された一種の「工業製品」であり、設計を使い回していたからであることが示唆されている。
日本にしか現れないのは、本作の黒幕が目的の為に敢えて日本で集中的に復活させていたからである。
なお、本編に登場する個体は局地制圧用の次世代型らしく(※)、実際ウルトラマンがいなければ日本全土に影響を及ぼす可能性があり、その危険性は冒頭で紹介された個体を上回る。
これにより「何故別種の怪獣なのに胴体のデザインが同じなのか」「何故怪獣は基本的に日本にしか現れないのか」というメタ的な事情に対し合理的な説明を付けることに成功している。
そのため、本作では最後まで黒幕が言うように終始『生物兵器』という扱いで、怪獣も生き物であり、自然の一部であるという本作の原典である『ウルトラマン』や従来のウルトラマンシリーズの「怪獣」とは違う存在となっている。……「怪獣と超獣は違う」という感じで「怪獣と禍威獣は違う」ということなのだろう。
もっとも黒幕は、人間の環境破壊が復活の一因とも神永新二に説明しており、明らかに対文明社会向けのパゴス以前については、劇中で類似規格が登場しなかったゴメス含めて偶発的に復活した個体が存在する可能性はある(どこまで説明が本当か怪しいものはあるが、ゴメスはトンネル建設現場から復活しており、この個体については黒幕の言う通りであると言える)。
尚、あくまでも企画メモ段階での裏設定ではあるが、人類も光の星=今作におけるウルトラマンの故郷が蒔いた発展途中の未熟な生物兵器だと言う。
事実作中ではベーターシステムによる巨大化への適性を持ち、70億もの個体数があり、さらに現在進行系で増加中である人類を生物兵器として扱おうとする動きも出ていたため、ルーツはともかく結果的には同様の状況に陥っている。
※……デザインワークス冒頭に記載されている禍威獣デザインメモによると、『アバンに登場する(パゴス系統以前の)禍威獣達は威力偵察用もしくは局地制圧用であり、それぞれ単体での機能が独立している』とのこと。
裏関連タグ
ガメラ怪獣:特に樋口が携わった平成ガメラシリーズの怪獣には超古代文明の生物兵器だという設定がみられる。
グルジオライデン KAIJU:本質的には同じ存在。後者は、クローンであるために見た目に共通点があるという点も禍威獣に類似している。
宇宙怪獣:禍威獣は外星人由来の生物兵器であるため、宇宙怪獣の1種であると見なすことができる。
超獣:『ウルトラマンA』前半では本質的には同じ存在だったが、『A』後半から定義が変質した存在。
ゴジラ2016:本作におけるQ怪獣との共通点を持っている。
宇宙怪獣(STMC):庵野が監督した『トップをねらえ!』に登場する「怪獣」の名を冠する巨大生命体。また、本作終盤の展開も『トップ』の最終回と類似する。
使徒:庵野が監督した『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する巨大生命体。ある異星人によって地球にもたらされたものが復活した、という骨子は禍威獣と類似している。また、『エヴァ』の場合も今作の裏設定と同様に、人類自体も第18使徒という設定だった。