デイズゴーン
でいずごーん
This World Comes For You
この世界全てが敵となる
概要
2019年4月26日発売のゾンビゲー+オープンワールドサバイバル+TPS。CERO-Z、ESRB-M。
開発はSIE Bend Studioで、舞台は同スタジオのあるアメリカ合衆国オレゴン州。
PS4時限独占から2021年5月18日にSteam版が解禁。
また、PS+加入中のPS5保有者には無期限でフリープレイが配信されている。
特徴・コンセプト
- 『ストーリー性の強い作品』
- 『大量に敵が出現して倒す』
- 『オープンワールドへの挑戦』
- 『広大な世界をバイクで旅をする』
という4つの柱を軸に、新規IPを作り出す意図を持って開発された。
タイトルはDaysGone=過ぎ去った日という意味と、「パンデミックからどれだけ自分たちの人生がなくなっていったか」のダブルミーニングであり、ポーズ画面の経過日数は後者を意味している。
ゾンビモノとしては、一言で言うならドーン・オブ・ザ・デッドではなくランド・オブ・ザ・デッド。
ゾンビ災害から2年後、情勢がある程度落ち着いた旧秩序の残滓と新秩序の萌芽が混在する世紀末世界を舞台にサバイバルや生存者たちの軋轢、との衝突を描く。
最も地獄だったのはパンデミックからの数週間とされている。
商業的評価
続編を期待させる終わり方で出来も決して悪いものではなかったのだが、
ゾンビゲーがパンデミックしている時期にかち合ってしまったせいか売上は想定に届かなかったようで、
新規IPに育て上げることが前提であったにも関わらず2022年5月現在続編の情報はない。
もっとも開発に6年かかっており、相変わらずなゾンビゲームの飽和状態を鑑みれば続編にGOサインが出ていたとしても2022年現在はまだ時期尚早かもしれないが。
ゴア描写
本作はゾンビのデザイン自体はグロ控えめ。
これは本作の感染者は「アイ・アム・レジェンド」や「28日後…」のような死者よりも凶暴化した生者に近いためである。
一方で普通の人間や猛獣と殺し合う機会が多く、人間には容赦なくフェイタリティを決める事が可能で、猛獣のフェイタリティを受けると喉や腹を食い千切られるギリギリ寸前まで描かれるなど臓物こそ出ないものの殺人描写の方はかなり気合が入っている。特に熊は怖い。
また、2019年の洋ゲーでありながら子供(の感染者)登場し殺害可能、人間の子供も銃撃こそ出来ないが爆弾やバイク転倒の巻き添えで死んでしまう描写がある。
あらすじ
世界規模のパンデミックにより人間社会が崩壊して2年後。
人々はウィルスで狂暴化した感染者・フリーカーに怯えながらキャンプを築き自給自足の生活をしながら生活をしていた。
賞金稼ぎ「ドリフター」の「ディーコン・セントジョン」は亡き妻への未練を断つために北への移住を進めている最中だった。
が、妻が乗っていたヘリの搭乗員であるオブライアンと再会を果たした事で彼女を探す旅に出ることになる。
登場人物
社会が崩壊した現在、世界には所謂ゾンビであるフリーカーや、それを崇拝するカルト教団、熊や狼と行った猛獣が跳梁跋扈している。
彼らから身を守るべく生き延びた人々はキャンプを築き生活しているが、過酷な世界で人々をまとめ上げるに辺り、キャンプの指導者は強い意志を持ちつつも極端な思想を持つものばかり。
さらにはキャンプでの生活に耐えかねて残虐な野盗(所謂モヒカン)に身を落とす者もおり、彼らもまた大きな脅威となっている。
そしてキャンプに属さず、バイクと銃を相棒に時にはフリーカーや野盗を退治し、時には狩猟採集した食糧をキャンプに納入して対価を受け取り自由に生きる賞金稼ぎたちが「ドリフター」である。
主要人物
- ディーコン・リー・セントジョン(CV.祐仙勇)
本作の主人公。元アメリカ陸軍第10山岳師団所属のアウトロー。
アポカリプス前はバイカーギャング「モングルス」の一員で、そのクラブを兼ねるバイクショップ店員であった。
軍人時代は北部同盟軍を支援する部隊の一員としてアフガニスタン戦争に従軍していたが、最終的にマザー・シャリフに向かう途中タリバン側テクニカルの改造高射砲の直撃によって部隊ごと川に転落。溺死した戦友7名の遺体を一人づつ引き上げる壮絶な経験をし、それが最後の任務となった(「皆のために」クエストの「話せば長い」チャプターより)。
退役後はバイクとともに数年間放浪した後にモングルスに入り現在へと至る。
サラとは彼女の車がエンストしていた際に出会い、互いの両親や仲間の反対を押し切って結婚。
ぶっちゃけてしまえば兵隊崩れのチンピラであり、腕や胸元から覗くタトゥー、妻へのオープンスケベなど社会の崩壊がなければ控えめに言ってお近づきになりたくない人物。
一方で周囲の人物に刑務所送り、アポカリプス後はコミュニティの掟を破る者が少なくない中で自身は一線を越えない分別を持ち合わせており、サラとの出会いの際も彼女をチンピラ3人組から庇ってリンチに遭っている。
むしろ社会が崩壊した現在では、絶望的な状況の中でも顔見知りの殺害には忌避感を見せる最低限の倫理観や、極端な思想の持ち主ばかりのキャンプの指導者とある程度距離を置いて自活を成し遂げているなど相対的にタフで中庸な好漢と化している。
- ブーザー(CV.竹田雅則)
ディーコンの相棒でサラにとっては兄のような存在。
気のいいあんちゃんである一方で、社会崩壊前は麻薬の売人を知人に持つなど一歩間違えば薬漬け+ブタ箱送りで破滅していたかもしれない人物。
チュートリアルパートでリッパーに腕を焼かれて重度の大火傷を負う。
彼の看病が最序盤の目的であり、薬や食料を探して駆け回る中でオブライアンの生存を知り、物語が動き出すことになる。
- サラ(CV.坂本真綾)
ディーコンの妻で大手製薬会社に勤めていた研究員。
パンデミックの混乱の最中に腹を刺され負傷、ヘリで避難した先もフリーカーの大群に襲われ死亡したかに思われたが…
コープランドのキャンプ
ゲーム開始後一番最初に訪れることになるキャンプ。
周囲の監視がしやすい立体的な構造が特徴。また、キャンプ内の水辺から魚を取れる。
- コープランド(CV.津田健次郎)
キャンプのリーダー。
陰謀論者であり、パンデミックに対する持論をラジオで発信している。
つまりは絵に書いたような「どこからともなく終末系DJ」。
しかしながら彼の言葉は一部ながら正鵠を射ていたことが明らかになる。
ホットスプリングスキャンプ
2番目に訪れることになるキャンプ。
ただし、ストーリー的にはディーコンたちはここの依頼を受けている状態から開始となる。
温泉という貴重すぎる娯楽があるが、タッカーの方針により事実上の刑務所と化している。
- タッカー(CV.八百屋杏)
キャンプのリーダー。元女性刑務所長の老婆。夫はパンデミックで絶望し自殺している。
「善人は皆死んだかフリーカーになった(意訳」としてキャンプに過酷な規律を強いている。
体罰も全面的に許可しており、キャンプ内を歩いていると警備員が倒れた労働者を芦毛にしている姿を確認できる。
それはリサが相手であっても例外ではなく、トラブルの引き金となってしまう。
- リサ(CV.内藤有海)
タッカーの知り合いの少女。
パンデミックの際に行方不明になった後、紆余曲折を経て自宅に戻り一人で生き延びながら両親の帰りを待ち続けていた。
その経緯から精神に異常をきたしているフシが見られる。
いよいよ最期と言うところでディーコンに救われるが、
碌な大人がいない世界ではそこからが彼女の本当の苦難の始まりであった。
アイアンマイクのキャンプ
北部で唯一医者を抱える。
沼地の中央の島に築かれており、アクセスの方法はマトモな橋一本と、後はボロボロの桟橋と文字通り泥沼の砂州のみというフリーカー相手であればまさに要塞となっている。
フリーカーは砂州に足を取られ身動きできなくなるため見張りだけでバリケードすら築かれていない。
一方で人間相手にはリッパーが跋扈している都合上、協定を結んで難を逃れている。
- アイアンマイク(CV.間宮康弘)
キャンプのリーダー。平和主義者。
過去の体験から生殺与奪にうんざりしており、スキッゾとはリッパーに対する方針で対立している。
- スキッゾ(CV.浪川大輔)
レイモンド・"スキッゾ"・サルコジ。警備主任の青年。
隠れたニューリーダー病患者であり、更にお風呂覗き系の百合の間に挟まる男。
ディーコンとは故あれば銃を向け合う程に険悪で、お互いに物事の善悪正誤よりも相手の人格否定や嫌がらせが優先されるレベル。
しかしながら誰も彼もが生存に必死な世界でコミュニティの警備主任を任されている能力は本物であり、ディーコンとも利害が一致すれば互いに罵倒しながらでも協力できる程度には計算高い。
特にリッパーに対する攻撃的な見解はほぼ一致しており、彼らとの協定(中立条約)には大きな不満を抱いている。
控えめに言ってもクソ嫌な奴だが、善人やインテリから死んでいった世界で、大学出のエリート坊ちゃんでありながら元ギャングとハッタリを効かせて必死に生き延びた苦労人でもある。
故に陰険さを見せつつも仲間の死には心を痛めるなど一線は超えていない。
自身の独断が大きく運命を変えることになる。
- リッキー(CV.木下紗華)
黒髪の白人女性。元機械技工士。アディとはそういう仲。
- アディ(CV.朴璐美)
黒人女性の医者。北部地域唯一の医師。
ウィザード島
- ギャレット大佐(CV.手塚秀彰)
デシューツ郡民兵のリーダー。
敵はフリーカーという信念の元民兵を鍛えている。
が、ある事件がきっかけで各地の生存者キャンプを襲撃するようになる…
「ゾンビそっちのけで揉める人間」担当。
- ウェイド(CV.後藤ヒロキ)
元ドリフターの青年。人生迷走中。
フリーカー
本編開始の2年前に発生したパンデミックにより人が変異した感染者達。
感染するとウィルスがリンパ腺を経由で全身に回り、ガン源遺伝子を活性化させることで変異へと至る。
というわけでゾンビとしては「凶暴化した人間」系の為、脳やモツがはみ出たまま動くようなことはなく、同様に彼らによって致命傷を受けた生者がフリーカーになることもない。
そのため「脳のリミッターが外れて自身の手足を千切りながら迫ってくる」ようなこともなく、罠や泥沼で四肢を拘束されたら動けなくなる。
ウィルスが全身で細胞の破壊と再生を繰り返しており、2年の間に変異が進んで本編では2~3m級の男性型やそして時速65㎞で走る個体などが現れている。
夜行性で、昼間は廃墟に作った巣や洞窟で休眠し、夜間に外出し摂食を行う。基本は人肉食を含む肉食だが、水や植物も摂取する上に場合によっては共喰いもおこなうため餓死を待つのは得策ではない。
作中にて、ウィルスに意志があり感染者はそれに操られていることが示唆されるが…?
体臭及び排泄物は強い悪臭を放ち、同族のそれを嗅ぎ取って群れる性質を持つ。そうして最終的に「大群」を形成。こうなると(ゲーム上はともかく)通常の人類に勝ち目はない。大群はさらに分裂したりはぐれ個体を残したりしてフリーカーの勢力圏を広げていく。
この他、人間だけではなく熊や狼、カラスにも感染する。
通常個体
『スウォーマー』
変異初期の成人男女。
ニュートを除けば最弱だが、それでも正面から相手にするのはイージーでも数体が限度。
何より「大群」を構成するのは他ならぬスウォーマーかつフリーカー≒スウォーマーのようなものなのである意味最強の敵でもある。
ディーコン「戦いは数だぜ相棒」
キルムーブはゾンビらしく肩や首への噛みつき。
『ニュート』
未成年の感染者。。元が元故、最弱のフリーカー。
通称「屋根暮らし」。共食いから逃れるため高い場所を好む事による。
素手(ブーツナイフ)でも容易に始末できるほど脆弱。
そのため彼らの縄張りに侵入するか、ディーコンの残りHPが少ない時以外はこちらを発見しても攻撃してこない。
身軽さを生かして回り込んでから首や肩に乗るように攻撃してくる。
変異体
『ブリーチャー』
男性の変異体。アルビノである。スウォーマーよりステータスが高い。
『スクリーマー』
女性の変異体。
こちらを発見すると若干のダメージを伴う叫び声で周囲のフリーカーを呼び寄せ、
自身は逃走する。
『ブレイカー』
最初に登場する変異体。筋肉もりもりマッチョマンの人喰い野郎。
ボスとして初登場して以降は普通にザコとしてフォールドを徘徊する他、
2周目以降は開始直後から遠慮なく現れる。
『リーチャー』
男性の変異体。
人間のフリーカーで唯一ハゲではなく、頭と両肩の白い毛が特徴。
スウォーマーとは桁違いのパワーとスピード、そしてタフネスを有し、鋭い爪で迫ってくる。
設定上は時速65kmで走行可能。
ブレイカー同様ボスとして初登場するが、以後のプレイ及び2周目冒頭からはフィールドを徘徊する。
動物の感染体
共通の特徴としてステルスキルが不可能なため、
正面から勝てる自信がなければやり過ごすか逃げるしかない。
また、肉は取れない。
『レイジャー』
熊のフリーカー。非常に攻撃力が高く、耐久度もブレイカー以上。
ただのクマでさえかなり強い本作において、大群を除けば最強のクリーチャーとなる。
ただし人間のフリーカーと違い高所に登れない*弱点がある。
十分な弾薬を残して建物の屋上などに逃げきれば勝ったも同然である。
『ランナー』
狼のフリーカー。初めて登場する動物フリーカー。
リーチャーと異なり、ゲーム上では本当にバイクと同じスピードで走る。
『クライアー』
カラスのフリーカー。
群れで行動し、空中から嘴でつついてくる。
樹上の巣を焼き払うことで数を減らすことができる。
大群
スウォーマーの群れ。フィールドボスに相当。
ゲーム上では50~150体前後しかいないが、設定上は数千体以上が群れており、こちらに気づくと一斉に襲ってくる。
交通の要所などを占拠しており、人間社会崩壊の最たる原因。