「世界は英雄を欲している」
「嗚呼、何て美しい殺し愛」
「ダンジョンは憎んでいるのさ、こんな地下(ところ)に閉じ込めている、神々(オレたち)をね」
注意
この項目ではダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかの登場人物について解説しています。神話の方はこちらを参照→ヘルメス
概要
種族:神
身長:177cm
好きな物:旅、無駄話
CV:斉藤壮馬
【ヘルメス・ファミリア】の主神。
橙黄色の髪を持つ、飄々とした旅人風の優男。敵を作らず中立を保ち、常にヘラヘラと戯けた態度をとっている。
ヘスティア、ヘファイストス、アポロン、アレス、アルテミス、デメテル、ディオニュソスとは、天界でも同郷であり、共に故郷でも最高の栄誉となる「十二神」の地位を得ている。また、交流こそ少なかったが、邪神のエレボスとも神友だった。
ベル・クラネルに強い興味を持ち、何やら画策をしている……。
神物像
飄々とした態度で誰に対しても愛想よく振る舞い、敵を作らず他の神の仲介などもこなす、オラリオのマルチタレント的存在。美神フレイヤに出会うと直ぐに鼻の下を伸ばすなど、軟派な印象も受ける。
しかし、それらの振る舞いは殆どがポーズであり、実際は本心を他人に明かさない上に目的の為に自分一柱で騒動を引き起こしたりと、容易に信用する事が憚られる、食えない性格の神である。
ヘスティアの「神友」を自称しているが、下界に降りてから殆ど交流の無い事実から、ヘファイストスやタケミカヅチ、ミアハの3人からは疑いの眼差しを向けられ、ヘスティア当人からもあまり信用されていない。
自身が率いる【ヘルメス・ファミリア】も『台頭を好まず、中立を気取る』スタンスをとっており、眷族達は本来のレベルを隠しているとされている。主神の性格が反映されている為なのか、リリルカ・アーデ曰く「オラリオでも群を抜いて胡散臭い」とのこと。本人の周囲からの評価も、『得体の知れない神』『食えない神物』『底が知れない』。18階層では、あのアイズにすら、そのような印象を抱かれていた。
普段はオラリオの外を情報収集の為に旅しているが、その行動の裏にはオラリオの破壊を目論んでいる過激勢力である『闇派閥(イヴィルス)』の残党追跡もある。
ただし、一度旅立つと最低ひと月は帰って来ない為に、結果ファミリアの運営はほったらかしな状態で、団長のアスフィ・アル・アンドロメダが尻拭いをしなければならず、彼女のストレスをため込む要因となっている。一応、眷族の事は本人なりに大切にしており、特にアスフィに対しては愛情のような感情を見せることもある。
当然、そういった無責任さから、眷族達からは今一つ信用されていない様子を見せる事も少なくなく、特にアスフィからは容赦無く殴り飛ばされる展開も。都市の内外を自由に行き来するフットワークの軽さから、運び屋として依頼を請け負うなど、他の神の使いっぱしりのような役割を持つこともある。
一方、オラリオにおける裏事情等に関しても詳しく、『ギルド』の主神であるウラノスが、フェルズと共に知性を持った魔物である異端児(ゼノス)達をダンジョン内に匿っている事実についても以前から知っており、協力関係にあるが、本心では人類と異端児の共存を「絵空事」と見下しており、自分に都合が悪ければ排除しようとも考えていた。
ウラノスを嫌い、彼との協力関係について気付いているディオニュソスからは、かなりの嫌悪感と不信感を抱かれている。
ベルに『英雄』としての器を見出した事で、彼を『英雄』に上り詰めさせようと画策しているのだが、ヘルメスがベルに望んでいる『英雄』とは、あくまでも大多数の一般大衆や神々が支持し、自分に都合の良い『神工の英雄』であり(フィン・ディムナの語っていた『人工の英雄』に近い)、「異端児との共存」を始めとする人々や神々の期待を裏切る『異端の英雄』になる事は認めていない。
ベルが「英雄」になる事を求めている点はフレイヤと同じだが、互いが彼に求める英雄の「概念」に関しては、全く相容れないものとなっている(自身が『神工の英雄』を求めるのに対し、彼女は『異端の英雄』になる事を求めている)。
また、自分から騒動の種を蒔いて多くの人間や神、魔物までをも巻き込もうとする等、ベルを『英雄』に押し上げる為ならば、ある意味でフレイヤ以上に冷酷で手段を一切選ばず、ベル本人や【ヘスティア・ファミリア】の団員達の意志などお構いなしな上に、自他の被害や犠牲、裏切りすら厭わない等、傍から見ればその行動は常軌を逸している。
更に自分の思い通りの結果に事が運ばないのであれば、眷族達に汚れ役をやらせてでも思い通りの結果に持ち込もうとする為、振り回される側や巻き込まれる側からしてみればたまったものではない、疫病神と言える。
ただ、あくまで見初めた英雄の為なら神にも悪魔にもなるその行動自体は、終始一貫しているとも言える。
その一方で、闇派閥との抗争の裏であったある出来事をしんみり語ったり、どこから本音なのかよくわからないところもある。
ドラマCDでは、借金をしてアトラクションを作るなど、ヘスティアほどではないにせよ浪費家の一面もある。
『バックパック・ヘルメス☆スペシャル』など、旅の神らしい商品も(コメント付きで)取り扱ってる。
大神(ゼウス)との関係
下記の通り、過去にゼウスの使いっ走りをしていたことから、現状ベルがゼウスの義孫である事を知っている数少ない神物。彼とは今でも定期連絡を取り合っており、居場所も把握している模様。ゼウスがベルに対して死を偽造するしかなかった事情も、全て知らされている。
最新刊では、この事がきっかけでオラリオ全域に訪れたある危機を打開するに至っている。
あと、本当にただの余談だが、そのゼウスが雲隠れするに至ったのっぴきならない事情とはヘラ(ヤンデレ)に居場所がバレたのではと言う説がある。
ギャグイベントでは大体、元凶や発端として周囲を引っ掻き回している。
シリアスなイベントだと、彼の暗躍が無いと詰みになってしまうような状況が多い。
劇中の様相
元々はある神物(ベルの育ての祖父であるゼウス)の使いっ走りをしており、その過程でヘルメス自身も彼に育てられたベルに対して、強い興味を抱いていた。
ベルが『怪物進呈(パス・パレード)』を受ける形で消息不明になった際は、ヘスティア達に同行する形でアスフィと共に、ベルの救出作戦に参加している(ゼウス本人から「ベルの様子を見て来い」と頼まれており、また【ロキ・ファミリア】が深層で掴んだ情報を入手する目的もあった)。
しかし、18階層のリヴィラの街にて合流して早々、ベルにヘスティアや【ロキ・ファミリア】の女性陣達の水浴びの覗きへと誘うという騒動を起こしており、その結果、自身は半殺しにされた上で拘束され、ベルはレフィーヤ・ウィリディスと共に遭難してしまう事態となっている。
その後、リヴィラの街にてベルを妬んでいた冒険者であるモルド・ラトローのパーティに、透明化出来る兜を渡した上でベルを襲撃するよう唆しているが、ベルがリヴィラの街にて多くの冒険者達の力を借りて階層主であるゴライアスを撃破したのを切っ掛けに『英雄』としての器を見出すようになり、以降は彼を『最後の英雄』に上り詰めさせる為の暗躍を行うようになる。
「ああ…嗚呼! 見たぞ、このヘルメスが確と見たぞ。貴方の孫を、貴方の置土産を!」
「喜べ大神(ゼウス)、貴方の義孫(まご)は本物だ! 貴方のファミリが残した最後の英雄(ラスト・ヒーロー)だ!!」
「動く、動くぞ! 時代が動く! 十年後か五年後か一年後か、あるいは明日やもしれない! この場所で、このオラリオの地で、時代を揺るがす何かが起きる!」
「これほど英雄の器が一つの地に揃ったことが、有史以来あっただうか」
「いや、ない! そう、これだけの英雄の器が揃いながら、何も起きない筈がない」
「見守る、見守るぞ! 必ずやこの目で見届けてみせる! 歴史に名を刻むだろう大事を、英雄達の行く末を、その生と死を!」
「親愛なる彼等が紡ぐ、【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】を!」
一方、【ロキ・ファミリア】や【ディオニュソス・ファミリア】とは、闇派閥の討伐を目的に同盟を組んでいるが、水面下でウラノスに協力している為に、彼を激しく嫌悪しているディオニュソスからは内心不信感を抱かれている。
アポロン主催の『神の宴』では、アスフィをパートナーにして訪れて、ベルを後押ししてアイズにダンスを申し込ませて、一緒に躍らせた。それに気付いて阻止しようとしたヘスティアとロキを、アスフィに押さえ付けさせた。二人が踊り終えた後、怒り狂ったヘスティアとロキにしばかれる。
ベルがヤマト・命やサンジョウノ・春姫の件から【イシュタル・ファミリア】の歓楽街に関わった際は、イシュタルにベルがフレイヤのお気に入りである入れ知恵をする事でベルを狙うよう仕向けており(ちなみに、その際イシュタルに襲われている)、更にその情報を【フレイヤ・ファミリア】側に流す事で、フレイヤが眷族達と共に、闇派閥との関連性を疑われ『不穏分子』ともなっていた【イシュタル・ファミリア】を潰すよう仕向けている。後にこの件に関しては、道化を演じさせられたフレイヤからも相当な怒りを買っている。
「世界は英雄を欲している」
「世界が望む悲願のために……オレはベル君を選ぶ」
「大神(ゼウス)、貴方が成し遂げられなかった使命はこのヘルメスが、いやこの地(オラリオ)が成し遂げよう」
「オレ達が、彼を最後の英雄へと押し上げてみせる」
「そのためにイシュタルとその眷族達よ、礎となってくれ。なぁに、きっと死にはしないさ」
「おっと、やはり彼女にはお見通しのようだ。本格的な怒りを買う前に、おさらばしよう」
「……ゼウス、オレはあの白い光に全てを賭けるぞ」
異端児達に加担した事でベルがオラリオ内での信頼を失った際は、元々人類と異端児の共存を「絵空事」と内心否定していた事もあって、ウラノスやフェルズを裏切って、彼の名誉を回復させて『英雄』へと回帰させる方を画策。
フレイヤのいるバベルに向かい、ベルの身に起きた事の詳細を説明した後、一切の不介入と人造迷宮であるクノッソスの扉を開く『鍵』となる『ダイダロス・オーブ』の提供を求めて、それを手に入れる(自身がフレイヤの元から退出した後、彼女からは「全部わかったつもりで、足元掬われないようにね?」と皮肉めいた言葉をぶつけられており、後にこれは現実となる)。
その後、予めウラノスを隠れ蓑にする形でヘスティアやフェルズに偽の『ダイダロスの手記』を渡しておき、そこに記された偽りの情報に従ってダンジョン内へ逃げ込んだフェルズや異端児達の前に現れ、今回の騒動にてベルは彼等の事情やウラノスの神意に巻き込まれただけで、更に彼等の起こした騒動が原因となってベルの『英雄』としての名誉が失墜した事実を持ち出す事で、彼等に罪悪感を植え付け、ベルを英雄として回帰させる為の「犠牲」を強要。それに石竜のグロスを始めとする何体かの異端児達が応じる事になる。
「君達を救う為に一人の男の子が窮地に立たされている俺はそれがどうしても我慢ならない」
「彼に散々救われた君達は、このまま何もせずに何もせずに帰るつもりかい?」
「ありがとう、助かったそんな上辺だけの言葉でまた地底に引きこもると?」
「おいおい、気まぐれな神だってそんな不誠実な真似はしやしないぜ」
「世界は英雄を欲している!そしてこの俺はあの白い輝きに全てを賭けたんだ。モンスターと通じている…そんなことは、そう、あってはならない」
「このヘルメスが願おう。異端の怪物達よー今度は君達が彼を救ってやってくれ」
しかもヘルメスはこの時、ベルが異端児達と共存を諦めて戦う道を選ぶよう、彼にとって大切な存在の一人であるエイナ・チュールを「生贄」にしようという鬼畜な計画まで立てていた。あらかじめエイナに渡していた宝石に反応して襲う、特殊なマジックアイテムの宝石をグロスに渡し、理性を失ったグロスは避難誘導していたエイナに襲い掛かり、それを守る為に戦うベルを見て笑っているヘルメスの姿に、団長であるアスフィも本気で軽蔑して悪態を吐かれており、その光景を目撃しヘルメスのシナリオである事に気付いたフィンも「茶番」と評し、この時は「殲滅」の対象でしかなかった異端児のグロスに対し、憐れみを抱く程であった。
しかし、グロスを信じようとしたベルは自ら戦いを放棄する道を選び、それによってグロスもまた自ら攻撃を止めてしまう。それも見越して良しとしなかったヘルメスは、今度は強制的にグロスを暴走させるようアスフィに『紅針(クリゼア)』を打ち込むよう命令するが、そこにかつてベルに倒された『隻角のミノタウロス』の生まれ変わりであるアステリオスが出現。
更に【ロキ・ファミリア】の面々も、フレイヤの命を受けた【フレイヤ・ファミリア】の眷族達によって完全に動きを封じられてしまい、事態は「異端児を打倒したベルの英雄回帰」から「ベルとアステリオスによる壮絶な一騎打ち」という、ヘルメスにとって完全に想定外の展開となった。
結果的にグロス達の犠牲は防がれ(ヘスティアとリリたちによって逃がされた)、ベルの名誉も想定を超えるほどの回復に繋がったが、ヘルメスの『英雄回帰』のシナリオは完全に「台無し」と言う形で終わってしまい、思わぬ邪魔(アステリオス)によって自分の計画を潰された事に本気で激しい怒りと屈辱を覚えていたヘルメスは、笑いながら渋々と自らの負けを認めた(逆にフレイヤの方は、再びベルとミノタウロスの壮絶な一騎打ちを見れた事に満足している)。
独断で異端児達の一部を犠牲にしようとした件に関しては、ウラノスやフェルズからも相当な反感を買っており、ヘスティアからはそれ以上の怒りを買った様で、謝罪に向かった際に「ケジメ」としてドロップキック等を食らわされる形でボコボコにされている。また、フィンの邪魔をするような行動を取った事に関してはロキからも激しい怒りと殺意を買っており、ウラノスを通して「下界の規則なんて関係無しにブッ殺しに行く!」、「天界へ逃げ帰ろうが、塵一つ残さず消滅させるまで追いかけたる!」という恫喝めいた言葉をぶつけられている。
ただ、ウラノス自身はゼウスとヘラが消えた以上、動かせる戦力は限られているので変わらず協力の要請を持ちかけており、彼もそれを了承している。そして、この先ウラノスとはまた敵対する時が来るかもしれない、自身はあくまで英雄の為に動くという意思を伝えた。
その後、ベル達を裏切った負い目もあってなのか、彼等に大きな負担をかけた異端児達を巡る事件から間もないのを理由に、大きな危険の伴うクノッソスの進攻作戦には【ヘスティア・ファミリア】のメンバーを参加させない事を要求した。ウラノス達もそれに応じている。(その間は彼等には遠征への指令を出すよう進言していたのも明らかになった)
しかし、もはやオラリオそのものの危機となってしまった時、第二次クノッソス攻略戦で、彼らを黒幕でさえ見落とした『切り札』として終盤に投入する。
シルとベルが『女神祭』でデートをしている中、2日目にヘスティアが彼女を見て戦慄し、シルの正体について問い質された時に、自分や他の神々も彼女を見極め切れず「その上で彼女との一時を楽しみ……怯えている」という本心を告げた。
その後、『娘(シル)』の枷を解き、ベルを本気で奪いに動き出したフレイヤが眷族達に【ヘスティア・ファミリア】を襲撃させ、彼らを人質にヘスティアにベルを改宗させろと脅迫する場面に駆け付け、ベルは冒険者としてまだ半年しか活動しておらず、1年以上在籍しないと改宗出来ないという下界の規則を指摘し、「半入団」という形でベルを預かって半年後に改めて改宗させるという「落としどころ」を提案し、フレイヤも渋々承諾。ヘスティアに抗議されるも、現状では打つ手がなく半年までに味方を増やして、ベルを取り戻す手立てを考えることを提案する。しかし、フレイヤがオラリオ中に『魅了』を行使しようとするのを悟ると、すぐさまヘスティアに神威を最大まで高めること、アスフィにリューを連れて脱出すること、『オラリオを【竈】に変えろ』と書いたメモをヘスティアに預けて、「その時が来たら俺に渡せ」と瞬時に指示した。
直後にフレイヤに『魅了』を施されてしまうが、ゼウスから『定期連絡マダァー?』という知らせが届いたことで、欠かせたことが無い定期連絡をしていない自分の異常に気付き、『魅了』されていることに感付く。認識改訂(リセット)で何度もループしている可能性に気付き、認識改訂に抵触しないワードを探り、そのワードをそれぞれ眷族達に言付けして真実に近づいていき、後にアスフィに導かれてヘスティアから例のメモと、ヘスティアが『魅了』を解除するのに必要な彼女の神血(イコル)の保管場所が書いたメモを受け取り、行動を開始する。
ウラノスから、冬の薪の配布を【ガネーシャ・ファミリア】から自分達に変更してもらったことで、ヘスティアの神血を混ぜた薪を各所の炉にくべて焚き、オラリオを一つの【竈】に変えたことで、ヘスティアの権能『偽現・炉神の聖火殿(ディオスアエデス・ウェスタ)』を発動させることに成功する。
関連タグ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ヘルメス・ファミリア
エルメス(キノの旅)…中の人及び元ネタ繋がり。アプリ『メモリア・フレーゼ』でコラボした際には、ヘルメスを乗せるほどに意気投合していた。ちなみにヘルメスの方は、キノと同じ服装をしていた。
タツミ(アカメが斬る!)…中の人が同じだが、こちらはベルと中の人が同じキャラに覗きに誘われており、中の人的な意味で立場が真逆。