武蔵坊弁慶(Fate)
べんけい
「然らば念仏を唱え申す」
「南無……拙僧のような者に祈られても仕方がないだろうが」
プロフィール
真名 | 武蔵坊弁慶(本当は常陸坊海尊) |
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クラス | ランサー |
性別 | 男性 |
身長 | 199cm |
体重 | 88kg |
出典 | 『義経記』、『平家物語』 |
地域 | 日本 |
属性 | 混沌・善・人 |
好きなもの | 般若湯、鍛錬、修行 |
嫌いなもの | キレッキレの時の牛若丸 |
設定担当 | 茗荷屋甚六、東出祐一郎 |
ILLUST | 寺田克也(Apo原案)、真じろう(FGO) |
CV | 稲田徹 |
※脛は弱点ではないので蹴られると凄く痛いだけ。
概要
元々はオンライン企画版『Fate/Apocrypha』にて作成されたサーヴァントだったが、企画は頓挫。小説版としてリメイクされる際に、ストーリーの都合と大聖杯がアインツベルン製に設定変更されたためリストラとなった。
その後は『Fate/GrandOrder』にて晴れて正式参戦となった。レアリティは☆2。
メインシナリオでは第1部序章「炎上汚染都市冬木」にて、シャドウサーヴァントとして立ちふさがる。
さらに第7章「絶対魔獣戦線バビロニア」で本格登場。
ギルガメッシュに召喚されたサーヴァントの一人として主の牛若丸と一緒に登場した。
終盤では、憎しみにとらわれて黒化し、分離も不可能なくらい生命の泥と融合してしまった牛若丸を、致命傷を負いながらも宝具によって分離させ、共に強制成仏させる事に成功した。
2021年1月のイベント「いざ鎌倉にさよならを ~Little Big Tengu~」では主君と共に主演として登場。同時にモーション改修が行われ、背負った七種の武器を使い分けた攻撃を行うように。宝具もアーケード版を意識したものになり、より奥行きを感じさせる演出になった。
人物
武蔵坊弁慶は、物語である。
剛胆にして忠実、最強の大男。源義経と共に数多の戦を戦い抜き、最後の最後まで雄々しく散ったまさに英雄の理想像。
武蔵坊弁慶は、英雄である。
薙刀を振るえば、たちまち雑兵の体が吹き飛び、吼え立てれば餓えた狼とて逃げ回る。
鬼の子と噂されたのも間違いではあるまい。
武蔵坊弁慶は、得難き存在である。
自分とは違うのだ。違うが、こうして弁慶を名乗った以上は、誰にも弱いなどと言わせない。
それが臆病風に吹かれた自分の、せめてもの償いだろう。
荒法師・弁慶の伝承に似つかわしくないほど、基本的には穏和で実直。
一人称は「拙僧」。たまに「ござる」口調が混じる。
しかしただ大人しいというわけでなく、根は荒っぽく豪快で、常に鍛錬を怠ず、戦場では意外なほどに強い闘争心を垣間見せる。
見かけによらず「子供の相手は得意」とのこと。
マイルームで暇をするマスターを相撲や踊りに誘うなど、ひょうきんな一面を覗かせることもある。
若き日の主君とも基本的に関係は良好。
しかし無自覚に場の雰囲気を搔き乱す主に対して、ツッコミを入れたり、逆に過去の失態を持ち出して笑い飛ばして逆鱗に触れてしまったりと、凸凹コンビといった向きが強い。
それでも忠臣として、命を賭して主人に奉公する。
また過去に牛若丸が作ってしまった因縁についても認知しており、実際に邂逅しかけた際には全力で牛若丸に方便を使って誤魔化して両者が面と向かわないよう苦心していた。これは主人への気遣いもあるが、何より主人の「英雄義経」としての在り方を守り、またその在り方に恨みを持ってほしくないが故の相手への誠意からの行動であった。
真名
現代に至るまでも、歌舞伎や浄瑠璃など幅広い物語で愛されている。
弁慶の立ち往生、弁慶の泣き所など現在に伝わっている故事も多い。
実はこの男の真名は弁慶本人ではなく、常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)という。
彼は義経の家来でありながら、義経主従が最期を遂げた戦いで逃げ出してしまう。
そのことを深く恥じた彼は、義経と弁慶の物語の語り手として、日本を旅して回るのであった。
その果てに彼は仙道となり、500年に亘って義経伝説を人々に語り続けたと伝えられている。
聖杯に託す願望は弁慶の勇名を永遠のものにすること。既にその願いは半ば叶っているのだが、深く恥じている海尊は口がある限り、永遠に語り続けるのだろう。
霊基再臨を完了すると、自らこのことを白状し、なおも「武蔵坊弁慶」としてマスターへの忠信を示そうとする。
海尊にとって、“弁慶として戦うこと”こそ、弁慶伝説の伝播を明確にする術なのかもしれない。
能力
保有スキル
怨霊調伏(A) | “臨兵闘者皆陣列在前”の九字が成す、邪悪な呪いへの抵抗呪文。 成功すれば敵の魔術を封じ込められる。「演じる」という海尊自身の属性と、勧進帳のくだりに象徴される弁慶の即興能力により、魔術を封じるだけではなく、限定的ながら敵の魔術を覚えて使用することも可能になる。 |
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仁王立ち(B) | かつて弁慶が成し得た有名なエピソードの再現スキル。もちろん、弁慶本人ではないので宝具に昇華するほどの能力はなく、単純な防御力向上とターゲットとして認識され、攻撃集中状態に陥るのみ。 |
白紙の勧進帳 | 対象の逆らうことのできない存在が発行した、「宝具を使うな」という命令書をその場で偽造する。判定に成功すれば命令書を信じる、信じないに関わりなく、対象は宝具を封印される。ターンごとに抵抗判定があり、抵抗に成功した場合、再び宝具が使用可能な状態に復帰する。宝具封印の命令を強制的に執行するが、そもそもが弁慶ではないため、封印の確率は低い。 |
対魔力(C) | 魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。Cランクだと魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。弁慶の場合、日本の呪術関係には特筆すべき抵抗力を持つ。 |
くろがねの傅(C) | かつて弁慶がそうであった、というエピソードの再現スキル。マスターの耐久力を向上させる。「傅」は付き添う、仕えるの意味で読みは「ふ」もしくは「いつき」。 |
宝具
五百羅漢補陀落渡海(ごひゃくらかんふだらくとかい)
- ランク:EX
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1~10
- 最大補足:500人
「浄土に送り届けて進ぜよう!」
「大曼荼羅を此処に示す。彼方の海まで向かうが良い!『五百羅漢補陀落渡海(ごひゃくらかんふだらくとかい)』!!」
遊行聖の大行列を呼び出す。彼らは浄土を目指し、棺桶のような舟に封じ込められ、流される即身成仏の行である「補陀落渡海(ふだらくとかい)」によって旅に出る者達である。呼び出された行列はその場にいるすべてを進行方向へと押し流す。そのため、その場にいる者は抵抗判定に失敗するたび、強制的に移動させられ、最終的には浄土へ連れて行かれ成仏する。
つまりは半強制的な即死魔術なのだが、FGOでは確率でスタンと呪いを付与するのみに留まっている。
“羅漢”とは悟りの高尚に至った霊験ある僧侶のこと。
“補陀落渡海”とは、即身仏行に代表される捨身行の一種である。また補陀落は南方で観世音菩薩が主催する浄土であり、補陀落渡海行は死期を悟った者、もしくは現世安寧と仏果円満を願った覚者が臨み、己の命を以て本願を成就せんとする捨身行である。
那智・熊野を中心に発展し、江戸時代末期まで行者は続いた。
『Fate/Grand Order』ではこちらが宝具として抜擢。
カードの種別はArtsで、効果は【敵全体に確率でスタン付与(Lv1~)&呪い付与(3ターン)<オーバーチャージで効果UP>】。
2021年1月の更新で強化クエストにより、【敵全体の強化解除】が追加された。
企画時の宝具
八つ道具
対戦相手の英霊が持つ宝具を、七ツ道具の8つめとして奪い取る。
こうして奪い取った宝具は、初めて見る武器でも使いこなすことが可能で、数ラウンド後には持ち主のマスターに投げ返してダメージを与える。
宝具を手放す理由は能力的な制限というより、しばらくすると彼がその宝具の使い心地に飽きることにある。
ちなみに弁慶の七種の武器は薙刀、鉄の熊手、大槌、大鋸、さすまた、つく棒、そでがらめ、と伝えられている。
弁慶仏
その場の空間を大長刀で荒々しく削り出し、荒法師の姿の分身を複数体生み出す。
分身はすべて彼と同等の攻撃力を持ち、敵からの攻撃を引き受ける壁にもなる。 一度の宝具使用で生み出される分身の数は1~7体とランダムで、結果は使用した彼にも決められない。以降、弁慶の攻撃力は健在な分身の数だけ増加する。
キャラクター性能
レオニダス一世と並ぶ☆2ランサーであり、低級サーヴァントの盾役の一人。
最大HPはレオニダス一世を大きく突き放し、☆3並の最大9000まで達する。
一方、現時点で攻撃力は☆1ランサーがいない関係上、ランサーとしては最弱に甘んじている。
カードバランスは《Quick:2/Arts:2/Buster:1》で、アーチャー型の変則タイプ。
スキルは、敵単体に確率で1ターンのスキル封印を付与する「怨霊調伏(A)」、1ターンの間自身にターゲット集中状態と防御力大アップを付与する「仁王立ち(B)」と、相手の妨害と味方への盾役を兼ねた構成。
ただBusterが一枚だけ、と攻撃性はからっきしのため、サポート向きの運用が基本になる。
幸い運用コストは安いので、高ランクの防御系・HP強化系の概念礼装で補強してやれば、パーティーの盾として十二分に腕を振るってくれるだろう。
宝具効果は上述の通り。
スタン効果は宝具レベルに応じて確率が上昇し、LV5ならば高確率で敵戦線を押し止められる。
一方で、呪いは500×チャージレベルと微々たるものであるため、オマケ程度と割り切るべきか。
2016年3月23日から開始された「サーヴァント強化クエスト第1段」で、最終再臨後にクエストが解放され、クリアすることでスキル「白紙の勧進帳」を習得できる。
効果は【敵全体に宝具封印を1ターン付与】と、没案だった本スキルの性能を若干だが弱体化して落とし込んだものとなった。
最大レベルでも確定にならないのがネックだが、全体付与の宝具封印は希少であり、宝具も合わせれば相手の決め手をことごとく遅延させる事が可能となる。
また「いざ鎌倉にさよならを」の開始と同時に強化クエスト2が実装、宝具「五百羅漢補陀落渡海」が強化され、呪いのダメージとOCの伸び幅が倍増し、敵全体の強化解除が追加される。強化解除は最後に入るため相手の弱体耐性アップを消してスタンと呪いを打ち込む、という事は出来ないものの、敵全体に効果が及ぶ強化解除というのはこれまた希少。
凸カレからいきなり打ち込むも良し、Artsを回して定期的に放つも良しと、解除可能なバフが強烈なエネミーに対する鬼札に成り得る。
同時に戦闘アニメーションも改修され、豪快かつ多彩な攻撃を繰り出すようになり、宝具もより神秘的で凝った演出にマッシュアップされた。
勧進帳の追加及び宝具強化でより妨害工作に秀でたクセモノランサーに化けたため、今後の研究次第でさらにユニークな立ち回りが可能となることは間違いないだろう。
関連人物
生前
生前の主君。心から忠義を誓っており、最期の戦いで逃げ出した事を深く恥じ入っている。
牛若丸の方は彼が本物の弁慶でない事を知っているためちょくちょくからかっており、時にはっきり「常陸坊」の名で呼ぶが、その都度「弁慶です」と返すのがお約束となっている。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
自身の正体を明かしてもなお、自身の意志を汲んで弁慶として扱ってくれることに感謝している。
同じく、真名の人物本人ではないサーヴァント。
また、冬木市で起こった聖杯戦争における日本鯖というイレギュラーな存在である(アインツベルン製での聖杯では基本的にアジア圏の鯖は召喚はできない)。そういう意味では弁慶は小次郎の役割も兼ねていると言える。また、ゲーム版FGOにおいて、ランサーの役割を担う弁慶は特異点Fの元ネタであるFate/staynightに登場していないキャラクターである。
冬木での聖杯戦争の本来のランサー。FGO世界では弁慶がランサーとして召喚されている為、キャスターとして現界している。5次のキャスターであったメディアの代役でもある。
TVSP版でのランサー。佐々木小次郎の項でも述べたが、弁慶が冬木のサーヴァント召喚条件に引っ掛かった為か、彼女が弁慶の役割を担っているものと思われる。ゲーム版ではstaynight同様にライダーとして主人公の前に立ち塞がる。
生前の主君である牛若丸の師匠。彼が弁慶ではなく常陸坊海尊であると最初から知っている、数少ない人物の一人。生前の武蔵坊弁慶本人と面識がある様子で、「いざ鎌倉にさよならを」のとある場面での振舞い方に対して、まるで常陸坊海尊でなく弁慶のようだったと評価している。