概要
旧名はカドカワ株式会社。2014年10月1日に株式会社KADOKAWA(旧社)とドワンゴの持株会社「株式会社KADOKAWA・DWANGO」として設立され、2015年10月1日に「KADOKAWA・DWANGO」が「カドカワ株式会社」に社名変更、2019年7月1日に「カドカワ株式会社」が「株式会社KADOKAWA」に社名変更し現在に至る。
経営理念に「不易流行」を掲げ、1945年11月10日に角川源義によって個人事業として創業された「角川書店」を創業としている。
来歴
角川家によって創業された。創業者、角川源義は折口信夫や柳田國男らの影響を受けた国文学者であり、古書にも深い造詣があったことで源流となる角川書店の創設に繋がったものとされる。
一方で家庭的には極めて奔放かつ家庭を顧みない男であったとされ、複数の愛人を作って私生児を産ませるなど好色家でもあった。加えて社内では「角川天皇」とまで呼ばれるなど実業家としては典型的な創業独裁者として知られた。1957年春の人員整理騒動(第一銀行から支援を受ける)や1970年頃の印税未払い(角川春樹企画の「ラブ・ストーリー―ある愛の詩」の売上で解消)など浮き沈みのある経営者だった。
長男・角川春樹はそんな父親に対して当然複雑な感情(多くの場合、反発である)を抱くことになるが、一方で彼自身も多数の愛人を作り父の死後に社内実権を掌握すると独裁的に振る舞うなど、血は争えないというか父親を反面教師には出来なかったと言える。
こうした春樹と、次男・歴彦との経営路線を巡る対立が原因で、80年代末期には春樹は歴彦を解任してしまう。これに乗じて歴彦派の役員・社員たちが歴彦に殉じる形で一斉に退社するなど「お家騒動」が勃発。メディアワークスを初めとするKADOKAWAの一部のブランドは元々この時追い出される形で独立した歴彦によって設立されたものである。
しかし、残された春樹の方は順調とは行かなかった。後継者として期待され鳴り物入りで入社した長男の太郎が社員との間に不祥事を起こし解任・退社となる。続く形で春樹自身も覚醒剤取締法違反で逮捕され名声は地に堕ちた。
どん底の角川を救ったのはこの後兄に代わって舞い戻った形の歴彦であった。後に歴彦が立ち上げたブランドも角川本体に吸収され現在に至っている。歴彦が経営の一線を退いたのちは創業家以外からの経営者が続いており、創業者一族から新しい後継者は現れていない。ただし、現在も歴彦は事実上のKADOKAWAグループのオーナーであり、春樹も出所後は映画プロデューサーとして一線に復帰している。
2015年のリストラ騒動等、しばし強権的なトップダウン経営の姿勢が垣間見えるのも初代源義社長以来の姿勢が創業家に限らず継承されているのかもしれない。
なお、春樹が現在経営する角川春樹事務所はKADOKAWAグループと資本関係は無い。同社が制作した映画は主に東映を中心に殆ど角川映画以外が配給しており仕事上の関係も希薄である。
批判
KADOKAWAに対しては、様々に批判が寄せられてきた。特にKADOKAWA社員がクリエイターを振り回す傾向は、広くマスメディアによって報道されている。
詳細はうちはKADOKAWAですよ?を参照。
東京オリンピックスポンサー問題
昨年開催された東京オリンピックにて、出版部門のスポンサーとしてKADOKAWAはその名を連ねていたが、その際に役員が大会理事に賄賂を送っていた事が発覚、その絡みで取締役会長の歴彦が東京地検特捜部に逮捕されるという事態が発生。その件についてKADOKAWAはコメントを発表したが、一部ネットユーザーからは「因果応報」、「終わりの始まり」等の声が上がった。
(おそらくはこの一件が最終的にKADOKAWAブランドそのものの崩壊に発展する可能性を想定してのものか)
鉄道や新聞社との関係など。
KADOKAWAはMX繋がりで、中日新聞との関係があり、中日新聞や東京新聞の記者が角川の親書で出版されることも決して珍しくない(ただし中日新聞の記者の広告は集英社新書でもたびたび掲載されている傾向がある)。
鉄道会社だと西武鉄道との関連が深く、ケロロ軍曹のコラボや西武鉄道のコラボなどを行う事も珍しくない。
ブランド
以下は全て2013年10月1日をもって親会社のKADOKAWA(旧社)に吸収合併され、社内カンパニーに転換した。そして、2015年3月31日付で社内カンパニー制度も廃止、名称自体はブランド名と化しているが、現在は『KADOKAWA』ブランドに一本化している状態である。著作権自体はそれぞれの部署で担当している(ただし版権表示は共通の「鳳凰」マーク)。
鳳凰マークを掲げる様は、まさに「不死鳥の騎士団」を髣髴させる。
子会社
- KADOKAWA Future Publishing
出版物の製造・物流子会社を束ねる中間持株会社。
1954年4月2日に個人事業から法人へ組織変更する目的で「株式会社角川書店」として設立。2003年4月1日に「株式会社角川ホールディングス」に社名変更。2006年7月1日に「株式会社角川グループホールディングス」に社名変更。2013年6月22日に「株式会社KADOKAWA(旧社)」に社名変更。同年10月1日に他のグループ出版社を吸収合併した。2019年7月1日に現行の社名に変更。
「BOOK☆WALKER」など電子書籍に関する業務を行っているKADOKAWAグループのデジタル戦略子会社。
2014年4月28日に子会社化。主な作品はアーマード・コアなど
「niconico」と「ドワンゴジェイピー」と「アニメロミックス」のデジタルコンテンツ配信サイトの運営業務を行っている子会社。
KADOKAWAグループのITインフラ業務を行っている子会社。
デジタル映画鑑賞券「ムビチケ」と映画情報サイト「Movie Walker」などの映画関連会社。
「アスキー」ブランドをもつKADOKAWAグループのメディア総研。
「ファミ通」や「ゲームの電撃」のブランドをもつKADOKAWAグループのゲーム情報会社。
2017年7月3日にカドカワ(現在のKADOKAWA)の分社化により「株式会社Gzブレイン」として設立。2019年10月1日に現行の社名に変更。
自社での製作販売の他、各ブランドカンパニーの作品の発売元となっている。主な作品は艦隊これくしょんなど
これ以外のゲーム作品は複数存在するが、SKY_LOADERやツクール(MVまで)が代表作。
エンターブレインから引き継いだ「角川ゲームス」から開発元と現役シリーズの各種サポートを移管したツクールシリーズやツクラーのアクションゲームツクールMVで創られた作品をニンテンドースイッチ向けソフトとして販売する教務を行っている。
映画・テレビドラマ制作・CM撮影から編集業務を行っている撮影所。
吹替・字幕版制作・ノンリニア編集業務を行っている。
「はだしのゲン」の版元のイメージが強いが、これ以外にも児童書を多数出版している。2013年12月に子会社になったが、KADOKAWAがほぼ現在の体制になってから傘下に入ったため、独立性を維持している。ちなみに会社自体は1976年11月に創業。
- 角川メディアハウス
広告代理業務とアニメ番組の企画製作および放送サポート業務を行っている。
アニメ制作会社。主な作品はけものみちなど
関連会社
- 台湾アニメイト
非関連会社
- 角川春樹事務所
角川書店元社長であった角川春樹によって設立された出版社。かつて同氏により同名の映画制作会社・芸能事務所が設立されている(現在のKADOKAWA社内ブランドである角川映画の前身のひとつ)が、現存する3代目の角川春樹事務所は角川書店の経営から完全に退いた後に所有していた同社の株式を売却して得た資金を元手に設立されたものであり、KADOKAWAとの資本関係はない。
関連タグ
角川歴彦 株式会社KADOKAWA取締役会長。
集英社小学館 元は同じ部署(角川と富士見とほぼ同じ関係)だったが小学館のコミック部門が独立して集英社が誕生、以後は各社で雑誌展開を行っている。ただし業務提携は頻繁に行われ、共同の制作プロダクション(小学館集英社プロダクション)を持つなどしている。
講談社 スクウェア・エニックス 秋田書店:同じく少年の名が付く雑誌を刊行している出版社。
訪れてみたい日本のアニメ聖地88 - KADOKAWAが関与しているアニメの聖地巡礼に関連した地域創生事業。