基礎データ
概要
『ポケットモンスター ソード・シールド』から新たに登場する幻のポケモン。
姿のシルエットはコロコロコミックにていち早く紹介され、2020年2月27日「pokemonday」にて、「pokemon of the year」の結果発表の最後に情報が解禁された。
タイプ「あく・くさ」の複合タイプで、あくタイプはときはなたれしフーパ以来、くさタイプはシェイミ以来の幻のポケモンである。
全身が黒い体毛で覆われたサルのような姿のポケモンで、密林の奥地に暮らし、個体数が少ない筈の幻のポケモンにしては珍しく、大規模な群れを作って生活している(尤も、シェイミ等はそれなりの群れを作る事が判明している)。
首の後ろや手首、踵からは、靱やかさと強度に優れたツルを自在に生やすことができる能力を持つ。
木の枝に巻きつけて移動に使ったり、離れた枝になる実を採ったりと、様々な用途がある。加えて治癒効果も持たせられるらしく、傷ついた場所に巻きつけて治すこともできるという。
ツルはたとえ千切れてしまっても、擂り潰して与えれば土の栄養分となり、森の植物を育んでいくとされる。
バトルでは木の幹や枝を駆使して敵に襲いかかり、鋭い爪で切り裂くなど、猿らしい器用さと俊敏さを活かした戦いを得意としている。
一方で非常に気性が荒く、仲間以外に対しては敵意を剥き出しにして問答無用で攻撃を仕掛ける乱暴者でもあるため、森に暮らす他のポケモン達からは厄介者として恐れられているらしい。
ゲーム上での特徴
配布個体を手持ちに加えた上でヨロイ島入口近くの女性に話しかけると、サトシが今作で被る帽子を主人公が入手出来る(男女兼用)。
DLCを購入してヨロイ島を出現させていないと入手条件を満たせないようなので、注意しよう。通常種と『とうちゃんザルード』どちらを見せても構わない。
また、とうちゃんザルードは首に布を巻いているという設定を反映してか、こだわりスカーフを持たされている。バトル用の貴重なアイテムなのでありがたく受け取っておこう。
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
105 | 120 | 105 | 70 | 95 | 105 | 600 |
こうげき種族値が120、すばやさが105というステータスを持ち、耐久面も悪くはないため一部の層からは注目されているが、同時に特性がリーフガードである点が残念がられてもいる(現状特性はこれ一択、隠れ特性も今は無い)。
加えて一般ポケモンとしては高いステータスではあるものの、ザルードが使用可能なルールにおいて相対することになる伝説のポケモンを相手取るには不足気味ということも多い。
ただ、ザルード自体がHP+状態異常回復ができるジャングルヒールを持ち、レイドバトルにおけるヒーラーとなりうるポケモンであるので、そちら方面でリーフガードが活きなくもない。
(ヒーラー自身がまひやねむりにかかって機能停止するのを防げる。ザルードが能動的に晴れ状態を作り出しにくいのは難点だが)
専用技は「ジャングルヒール」。これを覚えるには配布個体をレベル90にしないといけないが、『剣盾』ではけいけんアメを入手しやすく、レベル上げが比較的行いやすいので、そこまで苦労はしないはず。
また、「とうちゃんザルード」はレベル90未満だが「ジャングルヒール」を既に覚えている。
ちなみに、配布されたザルードはいずれも性格が固定されている。
通常のザルードは「なまいき」、とうちゃんザルードは「いじっぱり」となっている。
恐らく、後述の劇場版における性格の設定を意識しているのだと思われる。
通常のザルードはまともに運用しようとなるとミントによる補正が必要だが、とうちゃんザルードは物理型のザルードの性質と噛み合っているので、おうかんによる補正と努力値振りさえ行えれば即戦力として使用できる。すばやさもこだわりスカーフである程度補強できるのもうれしいところ。
アニメでの活躍
「俺は、本当の親じゃない」「でも、俺はお前を——」
CV:中村勘九郎(とうちゃんザルード)
中博史(長老)
津田健次郎(リーダー)
KENN(サブリーダー)
ある個体が劇場版最新作『ポケットモンスター ココ』のキーパーソンを務めている。
従来のザルードより大きめな体躯を持ち、首回りには数字入りのボロ布をマントの様に巻いているのが特徴的。
どうやら親を知らない出自不明の身らしく、どうやって生まれたかも自分では分かっていなかった。しかし、劇中ではとある幻のポケモンとの関わりが示唆される。
10年前、川に独り置き去りにされていた人間の赤ん坊を見つけ、後に"ココ"と呼ばれる事になるその子を自分の出自と重ね合わせたことで、親を探し、また自らの手で育てる事を決めた。
しかしその子を連れて帰ることはザルードの掟に反する行為であったため、掟を重視する一族と対立することになり、そのまま群れから出奔。
以降、不慣れなれども親としてココの成長を見守り、彼からは「とうちゃん」と呼ばれている。
種族自体はオコヤの森、その奥深くのとある場所にて大規模な群れで生息している。
同森において最強のポケモンであり、設定通り気性が激しい乱暴者ばかり。一族の掟を重視し、ザルードの領域に他のポケモンたちが近づくことを絶対に許さない。
ザルードこそ森の中心であるという傲慢な考えを持っており、他のポケモンたちの領域にも平然と侵入し、きのみなどを独占してしまうこともある為、森のポケモン達からいい目で見られていないという点も図鑑通り。
また、個体ごとに体に巻き付いているツルの量や形が異なっているのも特徴的(例として、リーダーザルードは腕に巻き付いているツルが太く大きくなっている)。
ザルードというポケモン全般に言えることだが、テレパシーが使えるわけではなく人間の言葉を喋ることもできないので、人間と話す手段は持たない。
故に会話は鳴き声唸なり声のみだが、長年彼らと暮らしているココはその言葉を理解している。
劇中ではココやザルードのみが会話する場面で特別に翻訳が行われ、視聴者はザルードたちが何を話しているのかが分かるようになっている。
ポケモンGO
「劇場版ココ」の海外上映記念として、第8世代からザシアン・ザマゼンタに続きフライング実装が決定。
2021年10月1日〜10日限定に行われるスペシャルリサーチをクリアする事で入手できる。
余談
ヤナッキー系統やゴリランダー系統とは、猿モチーフ、くさタイプ、強面、植物関連の能力と被る部分が多く、種族間で何らかの関係性があるのではと考えるファンもいる。
ゴリランダーはその名の通り類人猿のゴリラがモチーフだが、ザルードはその外見からアイアイやキツネザル等の原猿類がモチーフになっているのではないかと考えられる。更に長い腕や雰囲気からは、クモザルやテナガザルの要素も入ってると思われる。
特に、アイアイは風貌が似ていることに加え、「悪魔の使い」として現地の住民たちから忌み嫌われ、一時は駆除の対象となって絶滅の危機に追い込まれたこともある等、森の厄介者と言われるザルードとの共通点が多い。
ただし、アイアイはザルードのような気性の激しい動物ではない。また、ザルードは群れで生活を送っているとされるが、アイアイは基本的に単独生活を送っており、このあたりも大きく異なっている点である(群れで生活しているという設定はキツネザルが元になっているのかもしれない)。一方で凶暴性に関してはチンパンジーやUMAの一種スカンクエイプを彷彿とさせるもので猿にも他の哺乳類を狩り捕食する種類も少なからずいる。
当初は2020年4月に発売される前売り券購入の特典でのみ入手できることになっていたため、同年6月配信の鎧の孤島より先の解放となるはずだったが、新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、劇場版の公開および前売り券の販売が延期された。
このため、今後ちゃんと配信できるのかファンの間では懸念の声が上がっていたが、予定通り6月に配信された鎧の孤島から1ヶ月半ほど遅れた8月7日より配布を告知。監督の必ず配布はする明言はちゃんと実行に移された。
幻のポケモンにしては珍しく、往年の劇場用作品では入場プレゼントと前売り券の特典で貰えるポケモンが分けられていたが、今回は前売り券を購入、劇場入場記念二つの方法で入手が可能という珍しい例である(尚、前売り券で入手できる個体は通常種、劇場入場者記念として貰える個体は劇場版に登場したセレビィのイラストが入ったブランケットを巻いた『父ちゃんザルード』なので注意されたし)。
ちなみに、他に入場者記念として貰えるプレゼントはポケモンメザスタで使えるザルードの「タグ」と、ザルードのポケモンカード…ではなく、息子のココが草タイプのたねポケモン(注:人間です。)になったポケモンカードの二つとなっている。
なお、上述の延期による影響なのか剣盾に於ける新規の幻のポケモンは結局このザルードのみとなってしまった。予定通りに公開されていれば、もう1体は登場していた可能性もあるだろうが…
関連タグ
近藤勲…実写版では演者が同じであり、猿のようなルックスから「ゴリラ」と呼ばれている。