スペック
型式番号 | MSN-04II |
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頭頂高 | 22.5m |
全高 | 27.8m |
本体重量 | 48.2t |
全備重量 | 105.7t |
ジェネレータ出力 | 6,760kW |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
スラスター推力 | 不明(133,000kg?) |
概要
小説『機動戦士ガンダム逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』、『CCA-MSV』に登場する、新生ネオ・ジオンのNT専用試作モビルスーツ。総帥であるシャア・アズナブル専用機。
そのシルエットはMSではなくMA(モビルアーマー)に近い。
設定
デザインは同じであるが、設定は2種類存在する。
ベルトーチカ・チルドレン設定
元々、ナイチンゲールは、劇場版機動戦士ガンダム逆襲のシャアに於けるサザビーに相当する機体である。(逆に)小説世界においてサザビー自体が存在しない(同様に劇場版のヤクト・ドーガ的機体が、小説ではサイコ・ドーガ=サイコ・ギラ・ドーガになる)。
作中における扱いはおおまかなところはサザビー同じであるが、νガンダムと互角だったサザビーと異なり、小説版では明確にνガンダムより性能が上と設定されており、ナイチンゲールが終始νガンダムを圧倒していた。
最終決戦ではνガンダムを撃墜寸前まで追い詰めるが、ベルトーチカのお腹の中の赤ちゃんの力でνガンダムにバリアが展開されて、ナイチンゲールの攻撃を無効化。不可解な現象にシャアが焦って形勢が逆転、大破してコクピットが射出されるもアムロに鹵獲されると、劇場版同様の末路を迎えた。
CCA-MSV設定
一方、劇場版「逆襲のシャア」のMSVである「CCA-MSV」では、デザインを流用し、サザビーの強化発展機とする設定で存在する。劇場版の公式設定内に存在する機体である。
A・E社がシャアへの恩義から開発したが、シャアは本機を選ばずサザビーを使用した為、本機に関する公的なデータは残っていないとされる。本機の設計は後にβ・アジールに受け継がれる。
漫画『アナハイムレコード』ではバインダーを折り畳む『高機動モード』が登場している。
デザイン
永野護の初期稿(ナハトガル)をブラッシュアップする形で出渕裕によってデザインが起こされ今に至る。
そのシルエットはサザビーの面影を残しつつも、サイズは頭1つ分小さくサザビーと比較して前後に長い。また、手足の各関節にシーリングが施されていると、この時代のMSとしては珍しい特徴がある。
モビルスーツともモビルアーマーとも取れる形状を持ち、更にα・アジールと同型のファンネルを有する背部大型バインダーと5基のプロペラントタンクを装備し、モビルスーツの恐竜的進化を体現するかのようなシルエットを成している。
その特異なシルエットから格闘戦を不得手のように見えるが、実際にはジ・Oと同様に隠し腕を装備する他、作中ではνガンダムを蹴る活躍を見せている。
余談になるが、同小説の口絵に掲載されているカラーイラストは、ナイチンゲールではなくサザビーと同じデザインになっている。
武装
設定当初はライフル・サーベル・ファンネル・シールドの4つだけだったが、『RE 1/100』や漫画版『ベルトーチカ・チルドレン』、『アナハイムレコード』連載にあたって武装が追加され、構成がサザビーとほぼ同様となった。
大型メガ・ビームライフル
ロングバレルが特徴的な本機の主兵装。通常のビーム射撃に加え、高出力のビームを放射するランチャーモードとビーム・ショット・ライフル同様、拡散ビームを発射する散弾モードの3つの打ち分けが可能となっている。エネルギーは機体供給式だが、ランチャーモード使用時にはゲタ等とケーブルで連結して運用される。この際、出力は百式のメガ・バズーカ・ランチャーに匹敵するとされている。
バイポッドも装備し、長距離精密射撃が可能。
ビームサーベル
MSの格闘武器としては一般的なもの。主にフロントアーマー裏の隠し腕と併用される。隠し腕も含めると計4本のビームサーベルを同時運用可能。ROBOT魂ではサザビー同様、両腕の裾の部分に1本づつ格納している。実は、当初よりずっと搭載位置がわかっていなかった。
ビーム・トマホーク
サザビーと同型の格闘武器。通常は広範囲にビーム刃を展開する大型ビームサーベルとして使用されるが、ビーム刃を展開しなくてもヒートホークとして使用が可能。不使用時は柄を縮めてシールド裏にマウントされる。
シールド
サザビーと同型の物を左腕にマウントする。『RE 1/100』では、裏面にビームトマホークとミサイル3基が追加されている。ビーム・トマホークをアイドリング可能。
マイクロミサイル
射出後、光学認識で相手を追尾可能。
胸部バルカン砲
近〜中距離用実弾兵器。
拡散メガ粒子砲
元々はスーパーロボット大戦等に登場する際に設定された独自の武装だったが、漫画版『ベルトーチカ・チルドレン』連載を機に正式に設定された。サザビーとは違い、普段は腹部の装甲でカバーが施されており、発射時に装甲を展開する必要がある。
ファンネル
背部大型バインダーに計10基を装備。α・アジールが使用していた物をベースに小型化されており、大型コンデンサを内蔵する。稼動時間や威力はサイコ・ドーガ以上とされる。バインダーに収納し再充填も可能だが、作中では使い捨てされている。
ガンプラ
人気の割にはそのデザインや巨大さからか、立体化の機会に恵まれず、ガレージキットでしか商品化されなかったが、1/100スケールのガンプラブランド「RE/100」の第1弾として本機が抜擢された。また、SDガンダムのSDガンダムクロスシルエットにもラインナップ。2020年のガンプラEXPOで1/144スケールのHGのラインナップに加えられると発表された。
2019年にフィギュア・ROBOT魂<SIDEMS>から商品化されている。
外部出演
CCA-MSVやその設定をベースとするGジェネレーションシリーズ、スーパーロボット大戦シリーズではサザビーの強化発展型として扱われる。
スーパーロボット大戦
ライバル機のHi-νガンダムと違って出演回数は極端に少ない。サザビーに比べて武装は少なめだが攻撃力や機体性能では上回る。
初登場の第2次αでは条件を満たすと、シャアとの最終決戦の搭乗機がサザビーからナイチンゲールにグレードアップ、いわば隠しボスとしての登場。そのステータスはサザビー(HP98000)からナイチンゲール(HP160000)と大幅に増大。シャアがニュータイプ能力持ち故、命中・回避に補正が加わるのもあって多くのプレーヤーを苦しめた。
Dでは無条件で加入する味方機として登場した。サザビーを2割強くした機体で、Hi-νガンダムと夢のツートップが実現できる。
Xで第2次α以来の15年ぶりに据え置きハードにて参戦。今作は条件を満たせば味方ユニットとして参戦する隠しキャラ扱い。武装はサザビーに比べると少ないが、ファンネルの威力がとても高い&マップ兵器持ちと性能は優秀。Tにも続投。久々にHi-νとナイチンゲールの対決が実現する。フラグを満たすとシャアが自軍入りする際サザビーではなくこちらに搭乗する。その場合でもサザビーと同時に入手可能。
ガンダムVSガンダムシリーズ
マキシブーストで行われた、週代わりに新機体ご登場する特別企画「2015年 真夏のマキシブースト祭り」で参戦が決定。コストは3000。
既に劇場版とは別作品扱いで参戦していたHi-νガンダムと参戦枠が同じ小説版となっている。
その為か、パイロットのシャアはサザビーの時と違ってインカムを着けている・アシストで呼び出すMSがサイコ・ドーガ等の違いがある。サザビーと似た武装構成ではあるものの、射撃武装の構成が変更されており、あちらがオールラウンダーな万能機に対してこちらは射撃戦に特化した機体となっている。また、全機体中トップクラスの巨体であるのも特徴。被弾面積自体は他と比べて大きいが、巨大なファンネルラックの先端等、一部の機体先端部分には当たり判定がない。
特筆すべきはサブ射撃のファンネルで、相手にとりつくのだが、発射タイミングがメインと連動なので、相手に合わせた撃ち方が可能。『ビーム発射タイミングが操れるファンネル』と評すれば恐ろしさが伝わるか。特射のメガ粒子砲はサザビーのものと比べ細く、曲げ撃ち可能なゲロビと、レバー入れで機体の正面に拡散ビームを発射するものの2種を誇る。特にレバー入れの方は、銃口補正こそないものの、自動落下効果付きであるので降りテクに活用可能且つ、慣れれば飛んでいる相手を撃ち落とす芸当も出来るとんでもない武装。
慣れるまでが大変だが、腕の立つプレーヤーが使用すると『「厄介」の言葉を越えたナニか』としか例えようがない程の強機体で、中距離以降から避け難い射撃武装の数々を、巨体とは裏腹に良好な機動性から放ってくる姿に、苦汁を飲まされたプレーヤーは数知れず。こうしてまた1つ、EXVSシリーズにバランスブレイカーが生まれてしまったのであった。
流石にゲームバランスを害したと判断されマキブ・マキブON両時代に『展開したファンネルの待機時間短縮』『機動力・耐久値低下』と弱体化修正を受け、全盛期と比べ脆くなり、現在は「武装は優秀だが繊細な立ち回りを要求される射撃機」に落ち着いた。
使用上の留意点は間合い。
優秀な射撃武装の数々+降りテクで易々と格闘戦に持ち込ませないのだが、その巨体故に距離を詰めてのマシンガンや、ブーメラン等々の近距離での押し付け武装は避け辛いのが欠点。それ故に敵・味方の正確な位置関係を把握しながらの丁寧な射撃戦を求められる。
ガンダムバーサスではDLC機体として参戦。
曲げ撃ち可能なゲロビ等の幾つかの武装がチャージ武装に変更された為、弾数制限を受けなくなったがとっさの利用が難しくなり、射撃戦の手数と中遠距離のプレッシャー低下等と微弱化。
その代わり、特殊格闘でファンネルを横一列に並べて照射ビームを放つ広範囲武装が追加。
中距離戦主体だが、ある程度前に出る場面が重要になっているので、下がり過ぎず・前に出過ぎずな冷静な立ち回りを要求される。
Gジェネレーションシリーズ
どの作品でも基本的にサザビーから開発できる。WARSではシャアを乗せると登場演出が変化する他、逆シャアステージでゲストのアムロinHi-νガンダムと戦わせるとムービーが発生する。必見。
で、肝心の性能は高性能なのは高性能なのだが、サザビーと比較するとあちらはビームライフルやファンネルの他、ミサイル×3や拡散メガ粒子砲があるのでダメージソースが多いのが魅力的。が、ナイチンゲールは大抵の場合、武器がメガ・ビームライフルとビームサーベルとファンネルの3つしかない。その為攻撃手段に乏しく、一部作品ではメガ・ビームライフルでI・フィールドを貫けないどころか、耐ビーム・コーティングでダメージを軽減される有様。格闘武器もごくごく平凡なビームサーベル、じゃあファンネル主体にすればテンション維持に難儀し、超強気までの時間がかかる……etc.
更に『サイズ』の概念が追加された魂からはサイズ=2Lを与えられたが、そのサイズが仇となり編成枠を圧迫してしまう。
……等の具合に、何かと扱いに困るMSであり、多くのプレイヤーから「サザビーの方が使い易い」「シナンジュまでの繋ぎ」との評価を貰うようになってしまった。せめて漫画版にあった拡散メガ粒子砲があればなぁ……。
余談だが、極一部の作品では出撃できる地形が宇宙のみと、ちょっと何言ってんだかよくわからない仕様になっていた。
……もっとも、股間前方のスカートに加え、通常のMS規格よりも短い脚部で「地上を自由自在に歩けるか?」と問われたら難しい(=ブースターに頼った移動しか出来ない可能性が高い)のが現実なので、極端におかしい訳でもない気がするが。
ただし、参戦数を重ねる毎に少しずつではあるがテコ入れされており、耐ビーム・コーティングにすら阻まれたメガ・ビームライフルはWORLD以降は強化され、軽減こそされるがI・フィールドをぶち抜いてダメージを与えられるようになった。
また、サイズも同作でLサイズに変更され、編成枠の圧迫はなくなった……それでもサザビーの方が使い易いのは変わりないが。
最新作ジェネシスでは武装面が大幅強化。目玉は拡散型と収束型の2種類に変更されたメガ・ビームライフル。
前者は「対大型」の武器効果を持ち、これによりサザビー同様デカイ敵にも大ダメージを与えられるようになった(もっとも、大半の大型ユニットは何かしらのビーム耐性アビリティがデフォルトな為、過度の期待は出来ないが……)。
後者は長射程かつ「貫通」の武器効果を持っており、防御力を-20%した上で大火力の攻撃を敵のアウトレンジから一方的に叩き込める。更にこの収束型のMAP兵器版も用意されている。
この2つのおかげで今までの不遇っぷりから一転、サザビーがミサイルを没収された事実もあり、サザビーよりも使い心地で上回る結果になった。
ただし、武装が強力になった代償として燃費が悪化した為、オプションパーツ等で上手くケアしてあげよう。
余談
スラスター推力を133,000kgとされる本機だが、これはサザビーのスラスター推力の数値でもある。つまり、ナイチンゲールを改良型であれば、機動戦闘において最も重要な推力だけがサザビーから何も改良されていない事になる。そもそもの話で言えば、このスラスター推力の情報源は明らかになっていない。