概要
泥棒のような行い(泥行為)をやらかす母親の事。お店や全く知らない人の物を盗る事もあるが、どちらかと言うと親しくなったいわゆるママ友、あるいはその子供の物がターゲットである事が多い。
本項では、YouTubeのコンテンツジャンルの一つとしての「泥ママ」についても述べる。
Youtubeにおける「泥ママ」
元々はYoutubeにおけるスカッと系ショートストーリーのテンプレの一つであったが、2022年下半期頃からフリーイラスト(いらすとや、イラストAC等)とゆっくり音声を組み合わせた2chスレ風形式による泥ママに特化したチャンネルが急増した。
それに伴い複数のチャンネルでネタが被ったり、元ネタとなる2chまとめサイトからの引用ではない完全なオリジナルストーリー(フィクション)も増えたりと、元々のスカッと系がYoutubeで辿った流れと同様の流れを辿りつつある。
ストーリーのテンプレ
目当ての物に目をつけると執拗にクレクレ攻撃をし、それを断られると烈火の如く激怒しつつも一旦引き下がるが、その後目当ての物を盗もうと企む。
しかし、盗みの過程や盗んだ物が原因による自滅に近い形でひどい目に遭うというのがお決まりとなっている。
ひどい目の主な例として
―盗んだものが腐っていたり毒のあるものだと知らずに食べて食中毒を起こす
―逃走中に事故って四肢切断
―感染症にかかったため処分した子供の服を知らずに盗んで一家全滅
―盗んだ化粧品が肌に合わず皮膚病になる
―クレジットカードを盗んだらクレジットカードではなくポイントカードで支払いできず帰れなくなる
―盗んだ旅行券で物価の安い海外で整形手術を受けるが、医療ミスで手の施しようの無いえらい事になった末に化け物としか言いようのない姿に変わり果てる。
大抵ひどい目に遭わされた泥ママは、自身の泥行為を棚に上げて「お前の(泥ママが盗んだ)物のせいでひどい目に遭った!責任取れふじこふじこー!!」と喚いて凸してくるが、主人公が周りに真相を話したり泥行為の証拠になるような映像や音声で真相が明るみになり(泥ママが凸する際に意図せず自白する形になる場合もある)、結局泥ママ自身が逆に制裁される事になる。
その後泥ママは盗んだ物の弁償や慰謝料の支払いのためにパートやアルバイトをすることになるが、悪事の際に負った怪我や病気の後遺症だったり街中に泥ママの悪評が知れ渡っていたりしてなかなか職が見つからず、実家で両親の監視下で生活させられたり、就職しても今まで働いたことがなかったため悪戦苦闘することになったりする。
問題点
スカッと系から派生しただけあって、元々のスカッと系動画と類似した問題点が多い。
過激化
泥ママ系動画が増加していく内に、泥行為による結果泥ママが死亡する、もしくは死なずに済んだものの再起不能になってしまう(肉体・精神両方の意味で)など、ひどい目の過激化が著しくなっている。
ひどい目に遭うきっかけにしても当初は不慮の事故に巻き込まれるというパターンだったのが、段々と別の相手に人為的にひどい目に遭わされるという明らかに事件性のあるパターンが増え始め、泥ママをひどい目に遭わせる相手も当初はヤクザや不良といった割と一般的な常識の範疇で素行に問題のある相手だったのが、カルト集団やサイコパスといった泥ママの方がまだマシに思える程の更なる狂人・人格破綻者だったというパターンが増えたりと、ひどい目に至る過程の過激化がインフレしつつある。
中には悲惨な末路となる原因が泥行為とは全く無関係で泥行為自体は大きく取り扱われておらず、ただ単に泥ママをひどい目に遭わせたいだけという、従来の泥ママ系動画としてはやや本末転倒なコンセプトになってしまっているものもある。
これでひどい目に遭うのが泥ママだけなら自業自得だとスカッとできるのだが、中には泥ママの家族も巻き添えになってしまったり、泥家族が全員死んだ中泥ママだけが生き残ってしまったりと、スカッとし難い胸糞な結末もかなり多い。加えて最近のエピソードでは怪我や死に様そのものも凄惨かつグロテスクなものが多くなっており、サムネの時点で閲覧注意レベルの動画もあるので、その手の描写が苦手な人は特に注意すること。
実話にしてはあまりにリアリティが無さすぎる
上記の過激化とも関連するが、泥ママ系動画が投稿される度に死亡する結末の多発やその被害規模がインフレしてきたことで、それだけ凄惨な泥ママの死亡事故・事件が多発しているのかと驚かれる人も多いだろうが、実際の所そのような結末の殆どは実話ではなく創作だとされている。
仮にこれほどの規模の死亡事故・事件が現実に発生すれば、間違いなく全国ニュースや全国紙で取り扱われてすぐにその詳細が特定されるはずなので、泥ママ系で取り扱われてる事件事故と死に様は、過去に日本および海外で発生した著名な事件事故を元ネタにした上で泥ママエピソードとして改変しているものが殆どだとされている。
そもそも本記事冒頭でも述べた通り、泥ママ系動画の増加と比例してネタ被りやそれに伴う元ネタ改変のパターンも増加しているため、あまりに非現実的でリアリティに欠ける内容であったとしてもフィクションだと割り切って楽しむぐらいがいいだろう。
「泥ママ系=スカッと系」とは限らない
前述の様な、凄惨な描写が目立ったり胸糞の悪い結末のエピソードは「スカッと」ではなく、「修羅場」にカテゴライズされる事が多い。
中にはリアリティの無さを逆手に取る形で、神社仏閣に保管されているおどろおどろしい伝説のある物、または主人公の家に代々伝わる呪物を盗んで呪い・祟りで精神崩壊したり一家全滅したという『ゲゲゲの鬼太郎』でネタになりそうなエピソードも増加した。こちらはよりフィクション性が強く、「オカルト」のタグでカテゴライズされる事が多い。
このように現在の泥ママ系においてリアリティやスカッと要素は必ずしも主流ではなく、見てもリアリティが感じられずまったくスカッとしない、それどころから却ってイライラが溜まる場合も多いので、それを前提に閲覧すべきである。
主な登場人物
スカッと系と被る部分も多いが、ここでは主に2chスレまとめ動画における立ち位置で紹介する。
(元ネタの引用ではなく2chスレ風創作の場合は、2chにスレ立てされた内容という設定として取り扱う)
語り手
泥ママエピソードをスレ立てした(という設定の)人物で、主役のポジション。2chでの慣習に倣い、老若男女問わず「イッチ」と称される事が多い。
主に泥ママから物を盗まれる被害者としての登場が多い。泥ママとはママ友だったり昔からの顔見知りだったりなどで語り手は女性であることが多いが、男性の語り手も少ないながら存在する。
基本的に被害者ではあるが、被害を受ける過程で泥ママに付け入る隙を与えるなど落ち度も少なからず描写されており、その事についてスレ民達から苦言を呈される事もしばしばある。
泥ママ
泥ママエピソードにおける悪役で、盗みを働く母親。泥ママの呼称通り手癖が非常に悪く、欲しい物を得るためなら泥行為も平然と行うなど手段を選ばない。
それ以外にも空気を読まず周りにしつこくクレクレをする、沸点が低く自分の思い通りにならないとすぐ激高する、その他悪い噂も色々多い等、泥行為をする以前から周囲の評判が非常に悪い人物として描写されている傾向が高い。
更に泥行為が原因でひどい目に遭ってから凸する際も、それが自身の泥行為の発覚になると全く考えていなかったりと極端に非常識で短絡的な性格。
泥家族
泥ママの家族達。泥ママの泥行為による巻き添えでひどい目に遭わされる事が多い。
泥ママが泥行為が原因で死んだ際に、死んだ泥ママの代わりに主人公側に凸してくるポジションでもある。これに関しては単に泥ママの身内だからというだけでなく、泥ママが盗んだ物を借りたor貰ったと嘘をついたり、主人公に非があるような発言をしたと聞かされたりと、泥ママにとって都合の良い嘘を吹き込まれているのも大きい。
真相を知った後は、泥ママに非があった事を素直に認めて死んだ泥ママに代わり謝罪や賠償をする良識のある人格者か、真相を受け入れられず保身に走り謝罪や賠償を拒否する泥ママと同類のDQNかに二極化されている。
泥旦那
泥ママの夫。当初は泥ママの悪事に全く気づいておらず、それ故に泥ママがひどい目に遭うと泥ママへの同情から主人公側に激高して凸してくるが、真相を知ってからは逆に泥ママを責め立て離婚に至るなど相応の制裁を泥ママに与える。
一方で保身から謝罪や賠償を拒否するのみならず、それどころか泥ママと共謀して泥行為をする悪辣なタイプもいる。
泥両親
泥ママの両親(片親の場合もある)。泥家族の中では登場頻度が少なめで、泥ママと泥旦那両方が死亡した際に主人公側に凸してきたり、盗難物に対する賠償責任を訴える対象としての役割で登場する事が多い。
泥子(泥息子or泥娘)
泥ママの子供。年齢は生まれたばかりの赤ちゃんから小学生ぐらいのまだ小さな子供であることが殆ど。
泥ママの子育ての悪影響で泥ママ同様クレクレを繰り返したり手癖が悪かったりなど性格に難がある場合もあり、その在り様はスレ民達からは「(泥ママによる)泥の英才教育」と評されている。
まだ子供故に危機意識が低くて危険に晒されやすく、泥ママの泥行為による巻き添えで死ぬ頻度が泥家族の中でも特に高い。
スレ民
泥ママスレに書き込む名もなき人達(という設定)。基本的に主人公に対しては同情的で応援してくれる立場であるが、防犯意識の甘さや泥ママとの縁をすぐに絶たない煮え切らなさ等の落ち度に苦言を呈する事もある。
関連動画
泥ママまとめ
泥ママが呪物まで盗んで無造作にまとめて置いたせいで呪い・祟りで一家全滅した話
関連リンク
【ポストなろう?】YouTubeのジャンル「泥ママもの」が異常進化している。
(まくるめ氏のpixivFANBOXより)
Youtube文学『泥ママ』もの、ざまぁがインフレし過ぎてもはやファンタジー…
(togetterまとめより)
『2chスカッと泥ママ劇場』が新しいなろう系だと話題にwwww 陰陽師と戦うママ強すぎるだろコレ
(はちま起稿より)