「『思い出せ 思い起こせ
お前たちの思う その思いを』
『いざよい たちまち
いまち ふしまち』
『今こそ 焔を見よ
焔を見よ 今こそ』」
概要
東方ロストワードのメインストーリー第4章「永遠戦線」にて登場した、怪獣が支配する世界のリグル・ナイトバグ。帝都世界において脅威となる存在『怪獣』の一種。「ホタルタイプ」と呼ばれるらしい。
怪獣博士から畜生界の四大組織の一つの長である驪駒の力を授かっているようだが、どのような用途に使用しているのかは分からない(一応、その脚力を用いて自家発電が可能らしい)。
ピンク色の髪の毛はもちろん、赤いグローブと赤い足の装甲、赤いマフラーに赤いベルトといった特撮ヒーローのようなデザインであり、従来のリグル・ナイトバグの男の子らしい容姿をさらに男らしくしたような印象。その容姿に加えて大きなバイクを乗り回し、立ち絵では飛び蹴りをかましていることからかの改造人間を彷彿とさせる。
外見から、まるで『特撮ヒーロー系の主人公』のような印象を受けるが、こちらは外見に反して正体はまごうことなき怪人……ではなく『怪獣』であり、まさしくヒーローの見た目をした怪人とも言える。
メガバイク
怪獣世界のリグル専用の赤いバイク。構造は昆虫の体を参考にしている。ラストワードではリグルと合体し、人型に変形する。
プレイアブル化
テーマ曲
シン・仮面ライダーリグルのテーマ曲は、ジュクチョー(COOL&CREATE)の『マキシマムゲンシ』。原曲は「幻視の夜 ~ Ghostly Eyes」。
余談
気質は『シリリッド』。一時的に地球の天然衛星となった小惑星のこと。
デザインモチーフは石ノ森章太郎氏の作品を原作とする東映の特撮作品『仮面ライダー』……ではなく『ゲンジボタル』。後述の『リグルキック』ネタから発展して、仮面ライダーのパロディやオマージュも盛られている。
マフラー・ベルト・バイクは仮面ライダー1号、黒いコートは恐らく仮面ライダー第1号を意識しているのかもしれない。ちなみに実装日も第1号の登場する映画「シン・仮面ライダー」の公開日の10日後である。
しかし赤い髪や人型に変形する赤いバイクなどから『デュエル・マスターズVSR』の赤城山バサラを連想したプレイヤーも多かったらしい。
二つ名の『改造変異』は、仮面ライダーにおける「改造手術」と「変身」を意識したものであると同時に、『ホタルルシフェラーゼ(ホタルルシフェリン-4-モノオキシゲナーゼ (ATP加水分解))』に関する研究のことを由来としたダブルネーミングと思われる。
さらにリグルの体色が緑から赤に変わったことはゲンジボタルの体色、ホタルルシフェラーゼの光の色の変化を思わせる。普通、ホタルルシフェラーゼは黄緑色に発光するが、化学反応(酸性pH条件下でルシフェラーゼ反応を行う、もしくはルシフェリン誘導体を酵素非存在下で反応させる)を起こすと赤色に光る。
このようなデザインと能力の組み合わせは、かつて東方永夜抄から参入したプレイヤーが起こしたミス(厳密には中盤でいきなりボスが出現し自機と衝突する、いわばシステムを知らなかった故の初見殺し)、通称『リグルキック』が由来と思われる。二次創作における定番ネタであり、たまに仮面ライダーと結びつけられる場合もある(東方ライダー、ライダーリグル)。
『蟲を操る程度の能力(変異)』のテキスト内には、力の使い方が正しいのかどうかの記述、そして力の使い方を誤ってしまえば正義の力も悪にもなり得ることへの危惧と思わしき記述がある。
- 「(前略)そう、無尽蔵のエネルギーさえあれば。そして使い方さえ、誤らなければ。」
仮面ライダーのシリーズ内ではその『力の使い方』に対する危惧の一種とも言えるシーンが数多く存在しており、有名なものだと「仮面ライダーOOO」の「正義のためなら人間はどこまでも残酷になれるんだ」という台詞がある。
さらに仮面ライダーシリーズの作品には、いわば親殺し・同族殺しの概念である『石ノ森イズム』があり、原点となった「仮面ライダー」でも、1号や2号はショッカーの改造人間という設定である。例えば「仮面ライダーウィザード」の終盤では「クロス・オブ・ファイア」という名前で体系化され『仮面ライダーの力の根源』について語られていたり、「仮面ライダージオウ」では仮面ライダーを歪めたデザインの怪人が登場していたりする。
さらにスキルの名前は、それぞれ光にまつわる用語や演出・光の使い方を元ネタとする。
- スキル1「スポット残し」・・・舞台照明に関する用語。照明を使った演出テクニックの一つで、幕切れや場面の途中で照明がフェード・アウト(舞台や画面が次第に暗くなって消えること)になったとき、特定のものだけにスポットライトが当たっている状態。
- スキル2「ハレーション」・・・光が強く当たりすぎて画面が白くぼやけたり濁ったりするフィルム特有の現象のこと。そこから転じて「派生して周りに悪影響を及ぼすこと」という意味でも用いられる。
- スキル3「クロスフェーダー」・・・様々な意味があるが、ここでは照明器具の。単に「クロス」と呼ばれることもある。照明の光を調整する「調光卓」ののことをフェーダーと言い、クロスフェーダーはその一種である。また、徐々に光の強さが変わって暗転し、そして明転した時には別の場面に切り替わるという場面の切り替えを「クロスフェード」と言う。
『力の使い方が正しいか否か』の記述は『仮面ライダーと怪人は持っている力と根源を同じくする』という「石ノ森イズム」のオマージュ、スキル名のチョイスは『光には様々な種類・用途があり、どの場面でどのように使うかかでその効果は千差万別に変化する』という暗示が含まれている可能性がある。
人類の文明の発達の象徴でもあり、今日も私たちの暮らしに役立っている『光』だが、たまに人間にとって人体的に悪影響をもたらす場合もあり、現実世界においては(計らずとも)強い光で多くの人間が倒れた事例もある。
果たしてこのリグルは本当に正しい力の使い方が出来ているのだろうか……?
ちなみに、このリグルは燃焼結界をバフに換える性能だが、仮面ライダーの前身である作品は『十字仮面クロスファイヤー』だったりする。
特性の名前は、照明に関わる機材の名前が使われている。
- 特性1「カラーフィルタ」・・・画像や映像の「色」を生み出すフィルタ。カラーフィルタを透過させると、光に色の情報を与えることができる。主に薄型のテレビやパソコン、スマートフォンなどに使用される。
- 特性2「暗転緞帳」・・・「あんてんどんちょう」と読む。舞台と客席の照明を消し暗いまま緞帳を上げて開幕、または下げて終幕すること。
- 特性3「エフェクトマシン」・・・舞台の背景にさまざまな絵やエフェクト画像を映すことのできる特殊効果照明器具。ディスクを回すと映された絵も動く。
スペルカードは東方永夜抄からの採用。
- 「蛍の光なんかで勉強すると目が悪くなります。というか明滅が同期するから無理。古人に騙されるな。」(東方永夜抄 蛍符「地上の彗星」スペルプラクティスコメント)
- 「あんまり夜が永いとよからぬ蟲も湧いて来るものです。蟲使いが蟲になってしまった、リグルのラストスペル。」(東方永夜抄 隠蟲「永夜蟄居」スペルプラクティスコメント(Normal))
- 「蛍は光るだけでかなり特別視されている蟲の様な気がする。これも人間を騙すテクニックの一つ。」(東方永夜抄 隠蟲「永夜蟄居」スペルプラクティスコメント(Hard))
- 「水の中の蛍の幼虫は例にもれず大変キモイ。リグルに騙されるな。」(東方永夜抄 隠蟲「永夜蟄居」スペルプラクティスコメント(Lunatic))
ラストワード『ルキオラ・クルキアタ』の名前はゲンジボタルの学名を由来としている。
関連タグ
- 黒姫リグル・・・リグルの二次創作キャラクター。赤い目と黒い服装、そして本来のリグルとは別の存在であることが共通している。
- 東方ライダー・・・東方project×仮面ライダーのコラボタグ。
- ライダーリグル・・・上記と同様だが、こちらは仮面ライダーとのコラボ先をリグル・ナイトバグに限定したもの。
- マツヨイナイトバグ・・・こちらはCOOL&CREATEのビートまりお氏らによる「蠢々秋月 ~ Mooned Insect」のアレンジ楽曲。何処でとは言わないが恐怖と悲鳴をもたらした有名な一曲。