「風見幽香。君にとっては最強の妖怪。私の世界では怪獣博士にして最初の怪獣だけど、質問あるかな。」
概要
東方ロストワードのメインストーリー第4章「永遠戦線」にて登場した、怪獣が支配する世界の風見幽香。
帝都世界において脅威となる存在『怪獣』の一種で、慧音とドレミーの台詞内で言及されていた『博士』と同一人物。
怪獣博士でありながら、怪獣博士が作り出した最初の怪獣『怪獣初号』である。
「記憶と能力」を研究分野としていて、「記憶と能力は相互に影響を及ぼし合っており、かつ相互に入れ子の関係である」と提唱している。
しかし一般的には難解すぎる故か、記憶と能力をまとめて『細胞(セル)』と俗称されていることに頭を悩ませていて、「(記憶と能力のお互いの影響で想像以上に爆発的な成長を発揮することを植物の種子になぞらえて)せめて『種子(シード)』と呼んで」と主張している。
そんな幽香の現在の研究テーマは「本来『存在性の根源そのもの』であるはずの記憶と能力を、それぞれ分離して抽出し、他者へ移植させる」こと。
怪獣もその研究から生まれた存在らしく、かつて『帝都』のために怪獣を研究してきた幽香は「あらゆる者からは記憶と能力を抽出できる、そしてそれらは移植も可能で、成功すれば怪獣を生み出せる」という真理に到達し、その研究によって自分自身を『怪獣初号』へと改造させた。
今の幽香の姿とは似つかない前髪で右目を隠したロングヘアー姿でありながら、「斑にマーガレット」では「あくまでも"幽香"ではなく"『風見』幽香"」と強調している。
博士や研究者を思わせるような白衣や青いチェック柄のロングスカートを着けているほか、首には幽香の代名詞でもある向日葵をあしらったネックレスをかけている。
能力は「花を操る程度の能力(変異)」だが、本人によると「別の世界の幽香とすでに終わった世界の幽香、2人の能力を吸収している」としている。
汎異記号は「H5」。
過去
『新妖怪・怪獣』と「従来の妖怪」は似た性質をもつ(後述)ことから「妖怪とはいったい、なんだったのか」という疑問と「人間を襲い、浚(さら)い、喰らう、そういう『生態系上位の存在』ではなかったのか」という秘された事実から、幽香は一つの仮説を打ち出した。
「いまや伝え聞くだけの場所……自らの記憶においては完全に擦り切れて無くなっていた『幻想郷』において、妖怪は『そういう意味でも』守られていたのではーーー?」
その時、のちに『多次元神経網』と呼ばれるようになる蜘蛛の糸の一端が顕(あらわ)れ、そこから見えた『既に失われた世界』には、『今はもう隠居しているもう1人の彼女』が、いた……。
プレイアブル化
実装形態 | 超フェス限定 |
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式 | 技巧式 |
気質 | ダイソン樹 |
拡散 | 発光植物 |
集中 | スペースシーディング |
スペカ1 | 花符『宇宙開花』 |
スペカ2 | 植物『リバースバイオテクノロジー』 |
ラスワ | 『アンボレラ・トリコポダ』 |
テーマ曲
幽香のテーマ曲は、豚乙女の『さよなら群青』。原曲は「今昔幻想郷 ~ Flower Land」。
余談
気質は『ダイソン樹』。物理学者フリーマン・ダイソンによって提案された、彗星に移住可能環境を生成する架空の改造植物のこと。別名「ダイソン・ツリー」。
長い髪は「東方幻想郷」6面ボスとして登場した時の髪型、青いスカートは「東方花映塚」の2Pカラー、ラストワードの演出だけ見られる放射状の羽は5面ボスの時のドット絵が元ネタ。
さながら「"PC-98版の長髪幽香"と"Win版の青幽香"のキメラ(もしくは遺伝子操作)」をテーマとしていると思われるが、裏モチーフを『原初の植物に近づいた姿』とするべくこのデザインにまとまった可能性もある。
プレイヤーからは、普段見慣れた姿とは大きくかけ離れた姿から、初見では幽香と思われなかった様子(小傘や早苗あたりと思われていた)。
小ネタ
スキル
生贄の黒蓮 | 「蓮の実には、故郷を忘れさせる効果がある。」という一文は、蓮の英名「Lotus」の語源であるギリシャ神話の植物ロータス(ロートス)の木がつける実が、食べると友人や家のことも故郷に戻る願望さえも失ってしまうことから。 |
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毒のある木蔦 | 恐らくキヅタのこと。別名は「ユフヅタ(冬蔦)」。 |
枯れない花 | 元ネタは不明(特殊加工された生花プリザーブドフラワー?)。 |
特性
天使の喇叭 | ナス科の植物キダチチョウセンアサガオの異名。チョウセンアサガオに似ているが、キダチチョウセンアサガオ属はチョウセンアサガオ属から独立している。下向きのラッパ状の花をつけることから「エンジェルストランペット」とも呼ばれる。花言葉は「愛敬」「偽りの魅力」「変装」「愛嬌」など。 |
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魔女の指抜き | ジギタリスの別名。西洋では人身御供(生贄)の儀式が行われる夏に花を咲かせるためドルイド達に好まれると言われているほか、「魔女の指抜き」や「血の付いた男の指」と呼んでいた地域もあった。花言葉は「不誠実」「熱愛」。 |
生命の樹 | 旧約聖書の創世記(2章9節以降)にエデンの園の中央に知恵の樹と一緒に植えられた木。その樹の実を食べると神に等しき永遠の命を得ると言われていて、唯一神ヤハウェは知恵の実(禁断の果実)を食べた人間が生命の樹の実までも食べ不死になることがないようにする為、アダムとエバをエデンの園から追放した。一説ではセフィロトの樹と同一視する考えもある。 |
ショット
発光植物 | その名の通り光を放つ植物。自ら発光する種は動物や菌類・細菌類では確認されているが、自然の植物では確認事例がない(コケ植物のヒカリゴケは光を反射しているだけで自らは発光していない)。現在、ホタルや発光クラゲの遺伝子を組み込むことによって発光植物を人為的に作り出す研究が行われている。 |
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スペースシーディング | 「シーディング(seeding)」は英語で「種まき」を意味するため、全体を直訳すると「宇宙での種まき」「宇宙の種まき」などになる。 |
スペルカード
花符「宇宙開花」 | ここのテキストでは超新星爆発を「個性的な花の姿」のように見ている。誕生した宇宙がいずれしぼみ、そこからまたいずれ勢いよく開花することを永遠に繰り返す。 |
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植物「リバースバイオテクノロジー」 | テキストでは『生命の創造主にとって、生命体の研究者はハッカーのような存在』といったような記述がある。属性は木と星だが、弾幕の名前は木属性の弾幕が『〇〇〇〇工学』、星属性の弾幕が『〇〇〇〇工程』で統一されている。 |
ショット・スペルカードの弾幕
スペルカードやラストワードの弾幕は「東方幻想郷」5面のパターンを再現している(以下、弾幕の名称は東方幻想郷のおまけtxt.から引用するものとする。)。
ショットは第1段階の弾幕パターンからで、拡散ショットが「扇型7~15ウェイ(ランクによって変化)を左右交互に撃つ」、集中ショットが「ぐるぐる弾+加速弾の2種類」。
スペルカードが第2段階の「反射するたま」と第5段階の「扇型弾×2(要低速移動)」。
- 「おそらくあまり強くないボス。完全にパターンにしてしまいましょう。 出来るだけ攻撃のあいまに近づいてショットを当てるようにしてけば、さらに楽になると思うわ。」
(東方幻想郷おまけtxt.より、攻略担当の靈夢によるヒント)
ラストワード
『アンボレラ・トリコポダ』は5面の第4段階で使用する「極太レーザー+全方向ショートレーザー」から。
名前の由来は南太平洋のニューカレドニア島に分布するアンボレラ科唯一の種「アンボレラ・トリコポダ」。
アンボレラはアンボレラ科、トリコポダはラテン語のtricho(毛)とpodo(果実)を合成させた造語から来ている。
ラストワードのバレット名もその植物の特徴を由来としている。
- 「原始的被子植物」・・・茎の中には進化した被子植物が持っているはずの『道管』がなく、代わりに裸子植物やシダ植物が持つ『仮道管』を持っていること、さらに現在存在している被子植物の中では最初に他と別れた植物とされていることから、アンボレラは原始的な被子植物であると考えられた。発見された当初は似た特徴のクスノキ目モニミア科に分類されていた(一方でアンボレラ目とスイレン目が単系統群を形成するのではないかという指摘もあったが、現在ではアンボレラ目が現生被子植物の中で最初に分岐し、スイレン目が次に分岐した」とする仮説が示されることが多い)。植物の進化において特異な存在と言われている。
- 「基部被子植物」・・・被子植物から真生双子葉類と単子葉類を除いた被子植物の側系統群。別名「原始的被子植物」。アムボレラ目・スイレン目・アウストロバイレヤ目から構成されている。真正双子葉類・単子葉類・モクレン類・マツモ目・センリョウ目から構成された数十万種(被子植物全体の約9.95%)もの主要被子植物に比べて、基部被子植物はわずか数百種(被子植物全体の約0.05%)しか確認されていない。
- 「生きている化石植物」・・・前述の特徴から原始的な被子植物とされてきたアンボレラは、生息地であるニューカレドニア島で今までひっそりと生き残り続けてきた。
このことから『生きた化石』と呼ばれる時もある。
- 「雌雄異株の植物」・・・雄雌の区別がある有性植物が持つ特徴の一つで、雄花と雌花が別の樹に咲く植物のことで、雄の生殖器官と雌の生殖器官をそれぞれ別の個体が持っている(ただし性転換する例もあり、まれに両性花を形成する時がある)。実は記載されてから約80年間雌花が見つかっていなかったが、1948年にようやく見つかった。
- 「鳥類被子散布の植物」・・・種子を鳥に運ばせること。アンボレラの種子は鳥が運んで散布させる。みすちーさん?
- 「昆虫花粉媒介の植物」・・・花粉を虫に運ばせること。アンボレラの花粉は虫(と風)によって雌株に運ばれて受粉する(昆虫媒・風媒)。リグルさん?
ちなみにアンボレラ・トリコポダの花言葉は『可憐』。
旧作要素
幽香はヘカーティア・ラピスラズリが登場するまでは『東方最強』の名にファンが固執していたキャラであり、それに伴い個性が強さ1本になっていた。
ある意味、旧作の自分を取り込んだこの幽香は
『唯一の取り柄を取り戻そうとする幽香とファン』の両方を表していると言える。
関連タグ
スペースゴジラ:「植物等複数の遺伝子が入り混じった」「高い知性と加虐性」と元ネタである可能性が高い。
プランドン:もう1つの元ネタと言える植物のグリッドマン怪獣。
ガモス:『残酷怪獣』とまで分類される程に凶悪で高い知性を持ったウルトラ怪獣