サガン鳥栖
さがんとす
解説
創設年 | 1997年 |
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加盟年 | 2006年 |
ホームスタジアム | 駅前不動産スタジアム |
クラブカラー | 水色とピンク |
マスコット | ウィントス |
通称「鳥栖の兄貴」。佐賀県唯一の公式球技チームである。
歴史
チーム創設まで
1987年に静岡県浜松市を本拠にPJMジャパンの設立したサッカークラブ「PJMフューチャーズ」を佐賀県が誘致、1994年に移転、「鳥栖フューチャーズ」と改名、Jリーグ準会員となった。
しかし、PJMジャパンの撤退が原因となって深刻な経営難に陥り、1997年1月にチーム運営会社の株式会社佐賀スポーツクラブが解散を決議(翌年破産)、その受け皿として1997年2月4日に佐賀県サッカー協会会長の中村安昭を代表とする任意団体として「サガン鳥栖FC」が発足した。
その為、「鳥栖フューチャーズ」とは経営的、組織的に直接のつながりはない。選手も元フューチャーズの選手はサガンに″移籍″となっている。(但し天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会の出場回数は鳥栖Fからの通算である。)
Jリーグ参戦
J2発足時に加盟したクラブで最後までJ1昇格を経験していなかったが、2012年シーズンで初の昇格を果たす。
昇格当初は残留できればまずまずという評価であったが、初年度で最終節までACL争いに食い込む5位、2年目はリーグ12位だが天皇杯でベスト4。さらに2014年シーズンではシーズン途中に首位に立つ。
残留争いに巻き込まれることも決して少なくはないが、昇格して以降は1度も降格しておらず、現在ではJ1に定着している。
また、2017年にリーグが1シーズン制になって以降は、毎年のように優勝争いに関わり5年連続でタイトルを獲得した川崎フロンターレに同2017年以降唯一シーズンダブルを1度も許していないクラブでもあり、特に2020シーズンは他クラブが最低でも1敗(1勝1敗、1分1敗、2敗)を喫した中で鳥栖は2戦2分けに終わり、この年リーグを圧倒し史上最強と呼ばれた川崎に唯一負けなかったクラブとなった。
貧乏クラブから金満クラブへ
昇格以来安定した成績の裏で、地方クラブの宿命である2年連続で赤字を抱えており、改善しなければJ3へ自動降格という経営危機があった。それを克服したのがCygamesという超大型スポンサーである。それ以来財政は大幅に改善された。スタジアムや佐賀新聞などにグラブルなどのサイゲの広告が多数掲載されたり、アウェイの福岡ドームのネット裏に広告を出したことも。
その後、お釣りが余り過ぎたためマガト、ブッフォン、フェルナンド・トーレスといった大物プレイヤーの獲得に挑戦している(このうち、トーレスは獲得に成功し、2018年夏よりチームに合流した)。ファンからは「俺たちのガチャで〇〇を呼べる」「自身のガチャでSSRに挑戦している」との書き込みが目立っている。
しかし2018年9月、親会社サイバーエージェントがライバルチームFC町田ゼルビアを買収。Cygamesはサガンを離れることを余儀なくされてしまった。
トーレスが来た!しかし...
2018年、トーレスが本当に来た。年俸は推定6~8億。なお、ヴィッセル神戸のイニエスタは32億。この超大型補強でサポーターの期待は高まったが、残留争いから抜け出すことはできず。トーレスはガンバ大阪戦でクロスからのヘディングシュートを決め、鳥栖での初ゴールを決める。その後、監督交代をすると、最終節まで負けなしを継続。さらには横浜F・マリノス戦で劇的な逆転弾を決め、残留へ大きく近づく。最終節は引き分けて残留に成功。実はこの最終節、鹿島アントラーズのレジェンド小笠原満男の現役最後の試合だったりする。
2019年、ルイス・カレーラス監督が就任。トーレスとはスペインで共にプレーした経験もある。しかし、スペインで就任したクラブはいずれも短期間で解任されているというどう考えても怪しい監督。そのイヤな予感は的中してしまう。
まず開幕戦、名古屋グランパス戦を0-4で敗れる。これを機に無得点で3連敗してしまう。4節のジュビロ磐田戦で1-0で初勝利、続く横浜F・マリノス戦でスコアレスドロー。しかし、6節から無得点で4連敗。10節の大分トリニータ戦は監督不在でコーチだった金明輝が代理で指揮するも、狂った歯車は止められず、結果2-0で5連敗。以上より、開幕から10試合1勝1分8敗で僅か1得点というJ1歴代ワースト記録を作ってしまう。これを受けて、流石の鳥栖もカレーラスを解任。後任は前年も途中交代で引き継いで残留へ導いた金明輝。
その後は3連勝したかと思えば3連敗、ラスト2戦は連敗フィニッシュと浮き沈み、沈みの方が激しいシーズンとなり、最終節で松本山雅FCが湘南ベルマーレに1-1で引き分けたことにより、プレーオフを回避しギリギリ残留。
なお、この年にトーレスが引退した。
トーレス引退後と騒動
2020年、今回は金明輝が開幕から指揮を執る。が、開幕から5試合無得点。得点を上げたのは6試合目であり、初勝利は8試合目のこと。この年は降格が無かったため、残留争いは無かったものの、年間僅か7勝しかできず。ただし、ドローで勝ち点1を多く稼ぎ、結果は13位フィニッシュ。
2021年、開幕3連勝、セレッソ大阪戦で敗れるまで開幕から無失点継続、オウンゴールを除くと開幕から9試合無失点記録継続中だった名古屋グランパスを相手に試合開始6分で点を取る、初めて複数失点したのが前半戦ラストの横浜F・マリノス戦、J2個人昇格組が大活躍など、これまでの下馬評を覆す躍進ぶりを見せる。しかし、後半戦は監督のパワハラ疑惑浮上や6戦勝ち無しなど一気に急ブレーキがかかり、マリノス、神戸、鹿島、浦和に追い抜かれて最終的には7位フィニッシュ。それでも、終盤には圧倒的な強さで優勝を決めていた川崎フロンターレに3-1で勝利、それまで4年以上勝っていなかった北海道コンサドーレ札幌に久々に勝利するなど、後半戦もそれなりにインパクトを残した。なお、金明輝はパワハラが完全に発覚し、退任することとなった。
監督退任の影響からか、2021年の主力の大半が他のJ1クラブへ移籍した。他のクラブのサポーターからも気を遣われるほど、衝撃的な主力の大量放出であった。その例は次のとおり。
・FC東京へ山下敬大(前半戦だけで8得点を決めた長身FW)
・名古屋グランパスへ酒井宣福(鳥栖でFW起用されて才能が開花した酒井高徳の弟)
・名古屋グランパスへ仙頭啓矢(全試合出場達成した視野が広いMF)
・柏レイソルへ小屋松知哉(FWも対応可能な攻撃的MF)
・鹿島アントラーズへ樋口雄太(正確なキックとハードワークが持ち味の中盤の核)
・浦和レッズへ大畑歩夢(2021年に飛躍した若きDF)
・清水エスパルスへ白崎凌兵(夏に主力として活躍していた鹿島から期限付きで来た技巧派MF)
実は2021年夏にも、林大地や松岡大起も退団していた。
そんな中でエドゥアルド、飯野七聖、ファンソッコに加えて夏に加入した小泉慶も契約更新を発表。また、監督にはモンテディオ山形でコーチをしていた川井健太が就任することが決定した。しかし...
思いがけない2022シーズンスタートとその後
2022年、開幕直前にエドゥアルドが横浜F・マリノスへ完全移籍することが発表された。ティーラトンの穴埋めに鹿島アントラーズの永戸勝也が期待されたのと同じように、チアゴ・マルチンスの穴埋めに急遽白羽の矢が立ったのがこのエドゥアルドであると思われる。これには他のサポーターからも同情された。エドゥアルド移籍に限らず上記のこともあり、巷では鳥栖のJ2降格が多く予想された。というのも、
・上述の主力大量放出
・監督がJ1初挑戦でJ2でもあまり結果を残せていない
・パワハラ問題でチームの雰囲気は最悪
・今年も補強はJ2の選手やレンタル移籍選手がメイン
といった要因があったので無理もない。藤田直之、小野裕二、福田晃斗という鳥栖を知る3人が久々に帰還したのはポジティブ要素だったが。
といった具合に不安視された中でスタートを切った。すると、サンフレッチェ広島戦を0-0に抑えた開幕から7戦負けなしで2勝5分けというスタートを切る。前半戦は連敗無しでトップハーフの順位にいることがほとんど。一時は5位まで浮上した。後半戦も1度連敗こそするものの、アウェイのガンバ大阪戦でダブル成功するまでは上々の出来だった。しかし、翌セレッソ大阪戦でATに勝ち越し弾を許して敗れたのを皮切りに、以降は3連敗を含む6戦連続勝ち無しフィニッシュ。7位~9位にいることが多かったチームは11位でシーズンを終えた。
2023年も川井監督は続投。開幕戦のホーム湘南ベルマーレ戦で大橋祐紀にハットトリックを許して1-5の大敗を喫するという最悪のスタートを切る。連敗も前半戦のみで2回、シュート数が少ない、複数得点が中々生まれないなどネガティブな面もあったが、鉄壁の名古屋グランパス、前年4戦3敗の京都サンガF.C.、ACL決勝のスタメンをあまり入れ替えていない浦和レッズを破るなど上々の試合も見られる。
このように、J1でも色々と話題になりやすいクラブである。今後もその動向に注目していきたい。
スタジアム
駅前不動産スタジアム。その看板に偽りなく、Jリーグのスタジアムで駅からの近さは第2位である。鳥栖駅の貨物駅跡地に建設されたただし鳥栖駅の出入り口はスタジアムの反対にしかなく、線路を渡る歩道橋は狭いので試合終了時には大変混雑する。
鳥栖駅の貨物駅跡地に建設された。四方のスタンドが全て2層式の球技場で、さながらイングランドのサッカー場を思い浮かべる人も多い。
ただし自動車では、鳥栖駅周辺の駐車場では足りない。九州新幹線駅でもある新鳥栖駅に駐め、そこから電車で向かうサポーターも多い。新鳥栖駅周辺にクラブも無料駐車場を用意している。
まさかのコラボ
佐賀県がロマンシング佐賀を展開している中、「ロマンシングサガン」が誕生するとは誰が予想していただろうか?
6月20日のFC東京戦にて、スタジアム内のBGMやMCもコラボによる特別仕様となる。
Cygamesがスポンサーになった9月からはアイドルマスターシンデレラガールズとのコラボ「スターライ☆鳥栖☆ステージ」を開催。
2017年開幕時にはユーリ!!!onICEのコラボ広告を出した。
同年10月には佐賀県出身の漫画家・原泰久のキングダムとコラボ、来場客に小雑誌が配布された。