概要
キャッチコピーは、同時上映の『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』と並んで「最強決戦、夏の陣。」。
本作品以降スーパー戦隊シリーズの劇場版は、35mmフィルムからテレビシリーズと同様に「レッド・ワン」によるデジタル撮影に切り替わった。さらに戦隊では初の3D映画版も制作された。
本作の特徴としては従来の戦隊の夏映画以上に、TVシリーズ本編と完全な地続きである事が明確に描かれており、TV本編で本作の件に関する回想シーン等が登場する他、後に本作で登場したクサレ外道衆の残党や、恐竜折神やハイパーシンケンジャーが登場し、TV本編の第三十一幕の話は事実上本作の後日談となっている。
時系列は、2009年の夏である事が作中で明言され、さらに作中で海老折神が登場する事と、TV本編の第二十三幕で初代シンケンレッドの事を回想するシーンがある事から、第二十幕~二十三幕の間に起きた出来事である。より正確には、ドウコクが増幅した力を解放する為に船の奥に引き籠りだしたばかりの時期である事が描写されている為、おそらくは第二十幕の直後辺りの話だと思われる。
本作のボスキャラクターである脂目マンプクの声優には大和田伸也氏、初代シンケンレッドこと志葉烈堂役には合田雅吏氏がそれぞれキャスティングされ、日下部彦馬役の伊吹吾郎氏と並んで水戸黄門において、歴代の格さんを演じた俳優3名が勢揃いした事も話題を呼んだ。
ちなみに合田氏はかつて『超力戦隊オーレンジャー』でオーブルーを演じた経歴があり、戦隊OBと現役戦隊の競演なのも見所である。
上映時間は21分とテレビ本編1話分(約23分)よりも若干短く、21世紀の戦隊夏映画の中では最短。なので展開は非常にスピーディーで前半はナレーション込みのダイジェストで、本編では「夏になって増水した三途の川の水がマンプクの封印された場所に達して復活した」という設定も言及はなかった。非常にテンポが良い一方で撮影期間は逆に従来より長く掛ったそうである。
平成仮面ライダー10周年の追い風もあり、公開2日間で興行収入4億7,747万9,400円を記録し、10日発表の映画観客動員ランキングで初登場1位を獲得。公開2日間の興行成績は前年のゴーオンジャーの夏映画の約2.5倍という好スタートとなり、最終的には19億円を記録している。
あらすじ
2009年夏、夏の時期にドウコクの力が増幅された影響で三途の川が増水し、クサレ外道衆の頭目・脂目マンプクが封印された場所が偶然浸水した影響でマンプクは復活。そしてマンプク率いるクサレ外道衆が約1万の大軍勢で侵攻を開始する。迎え撃つシンケンジャーの6人だったが、次々と迫り来る大軍勢による物量戦を前にして多勢に無勢で劣勢に立たされてしまう。
軍勢が水切れで一時撤退した事で、なんとか休息と体制の立て直しの時間は得られたものの、この強敵を倒す為には行方不明になっていた、300年前の初代志葉家当主にして初代シンケンレッド/志葉烈堂が、マンプクの封印に使用したとされる“初代秘伝ディスク”が必要だと判断される。
日下部彦馬と黒子達がその所在を突き止める事に成功するが、場所は何とクサレ外道衆が制圧して拠点にしている寺の中にあった。何とか敵の陣地に潜り込んだシンケンジャーは初代秘伝ディスクを手に入れたものの、ディスクに残っていたのは烈堂からの謎の伝言だけだった。
落胆する一行だったが、その時寺に忍び込んできた幼い姉弟の両親の無事を願うお参りを偶然聞いた事で、改めて覚悟を決めマンプクのいる本陣に直接切り込む事で反撃を開始する。
登場キャラクター
本作で登場したキャラクター
- 志葉烈堂/初代シンケンレッド…演:合田雅吏:志葉家初代当主。かつてモヂカラを発見して組織を興したシンケンジャーの始祖で、クサレ外道衆と戦いその頭目であるマンプクを封印した。そして封印に使用した初代秘伝ディスクを自身の伝言と共に後世に遺していた。
- 姉妹:初代秘伝ディスクが隠されていた源流神社にお参りに来た幼い姉弟。地元の子供であるらしく、シンケンジャーのある作戦によって酒で酔っぱらったクサレナナシ達の隙を付いて神社に侵入し、両親やみんなを守るようにとお願いをした。これを初代秘伝ディスクに残されていた伝言の意味が分からず、落胆していたシンケンジャー達は偶然神社の中から聞いた事で、マンプクとの決戦に挑む覚悟を決めた。最終的にマンプクを倒したキョウリュウシンケンオーを影から見届け、シンケンオーに合わせて一緒に勝利の三本締めを行った。
TV本編からのキャラクター
- 志葉丈瑠/シンケンレッド…演:松坂桃李
- 池波流ノ介/シンケンブルー…演:相葉弘樹
- 白石茉子/シンケンピンク…演:高梨臨
- 谷千明/シンケングリーン…演:鈴木勝吾
- 花織ことは/シンケンイエロー…演:森田涼花
- 梅盛源太/シンケンゴールド…演:相馬圭祐
余談
前述した通り第三十一幕ではクサレ外道衆の残党のアゼミドロが登場。映画に登場した恐竜折神も再登場するなど、事実上本作の後日談のエピソードになっている。後に登場する筋殻アクマロもこの戦いの事を把握していたらしく、彼はこの戦いを「夏の陣」と称していた。
ちなみにそのアクマロ、アゼミドロ共に最期は恐竜折神で倒されたのだが、アゼミドロはキョウリュウマル天地一閃とダイカイオーミナミの海老刀大名おろしの連撃、アクマロはキョウリュウサムライハオーの十二折神・大侍斬りと、いずれもマンプクの時を遥かに超える戦力と必殺技で倒されている。
マンプクの頃はまだ折神も海老折神までしかなく、さらにインロウマルも完成していない時期だったので仕方ないのだが、モヂカラ大団円や十二折神・大侍斬りなどを食らっていたら真の姿になるまでもなく倒されたのではないかと思われる。というかインロウマルが完成していたら初代秘伝ディスクの力を使わずとも普通に勝てていた可能性が高い。
ちなみに後日談という性質上、第三十一幕は完全に本作を見ている事が前提の話となっているので注意。他にも本作を見ていないと分からない描写がTV本編ではいくつか存在する。
関連タグ
オールライダー対大ショッカー:同時上映された『仮面ライダーディケイド』の劇場版。
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