以下、『機動戦士ガンダム水星の魔女』第18話「空っぽの私たち」のネタバレ相当記事になります。未視聴の方は注意してください。
概要
プラント・クエタの一件で偶然ニカの不審な行動を目撃してしまったマルタンであったが、その後もニカを信じたいという気持ちと地球寮メンバーの間に不和を生みたくないという意識から内密にしていた。
また、それに加えて何とかニカの力になってあげたいと幾度も説得を試みるも、肝心のニカは他人を巻き込みたくないという意識から何も答えてくれず、日々不安を募らせていた。
そしてミオリネ不在の折に開催された〈ランブル・リング〉の最中にテロリストが乱入し、学園はプラント・クエタの二の舞と化してしまう。
テロリストの撤退で事なきを得たものの、マルタンは葛藤の末に寮長として地球寮のメンバーを守るため、及びミオリネ不在の株式会社ガンダムを守るために、密かにフロント管理局への通報を決断する。
だが肝心のニカは、罪の意識から密かにフロント管理局へ自首しようとしたところをエナオに阻止され、そのままシャディク陣営に拉致されてしまうことに……。
幸い、地球寮のメンバーはフロント管理局からは無事解放されたものの、疑い自体はまだ晴れていないために、寮生の停学処分及び株式会社ガンダムの保有する資産の一部接収の憂き目に遭う。他の寮生たちからも謂れなき嫌がらせを受け、その際のイザコザでマルタンは負傷。さらに第17話ではホルダーのスレッタが、ミオリネの介入によりグエルとの決闘に敗北したため、寮長としてスレッタのメンタルもフォローしなくてはならず、マルタンの心労は深まる一方になる。
第18話ではカラ元気で必死に自分を鼓舞するスレッタを見かねた地球寮のメンバーは、総出でミオリネに会いに行くことにするが、寮長のマルタンだけは唯一「まだ怪我が治っていないから」「留守中に他の寮生から悪戯されるかもしれないから」という理由で、半ば強引に留守番を押し付けられる。
ニカの名前が出た際は拳を握りしめて気持ちを抑え、他のメンバーを見送った。
しかし、ニカの真相を仲間に打ち明けられず、立て続けの事件による心労で限界が来ていたのか、マルタンはひとりカウンセリングルームへ出向き、カウンセラーのハロに悩みを打ち明けた。
「僕は……仲間が罪を犯してると知って、通報しました……罪は罪です。僕は、寮長として仲間を守りたかった……何も可笑しくない! 僕のした事、正しいですよね!?」
懸命にハロに訴えるマルタンだったが、一通り言い終えた所で何故かクイズの不正解のごとく「ブー!」とブザーが鳴り響き、呆気に取られた次の瞬間、ハロの奥にある壁が開いて思わぬ人物が現れる。
「アンタ、とぉんだ裏切り野郎だねぇ……」
語尾に「www」が付いているとしか思えない口調のセセリア・ドートであった。驚愕して、素っ頓狂な叫び声を上げつつ後ずさりするマルタンに、セセリアは上記の意味深な台詞を口にしつつ、「いい玩具が手に入った」とばかりに怪しげな笑みを浮かべるのだった。
余談
これまで非常に暗い話が展開され続けてきた中、往年のバラエティ番組『オレたちひょうきん族』の名物コーナー「ひょうきん懺悔室」を彷彿とさせる展開は、ツッコミどころと双方の声優の熱演もあって視聴者の度肝を抜くと同時に腹筋崩壊を伴う癒しの空間を提供。
「メスガキ懺悔室」と名付けられたこのシチュエーションは当然の如くトレンド入りしたうえに速攻でコラ素材が作られるほどの大きな反響を生み出した。
そしてポーズや所作の細かい箇所にもこだわりが感じられる「名セセリア回」との呼び声も高く、二次創作イラストも多数発生。
しかしながらこういったギャグ展開ではあるものの、
- セセリアは日ごろの態度や口こそ悪いものの、案外真面目で責任感の強い性格である。
- セセリアの相方であるロウジはGUND及び株式会社ガンダムの事業に対して興味津々。
- 所属がブリオン寮のためシャディクとのつながりが薄くグラスレー寮にバレる心配が薄い。
- 上記の懺悔がグラスレー側にバレてしまった場合は最悪グラスレーの刺客に口封じに殺されてしまう可能性もあった。
- ブリオン社は学園で配備されているデミトレーナーの開発元であり、チュチュは専用機のデミトレーナーに搭乗しているということもあって地球寮とのコネ自体は十分。
- 放映日にはブリオン社の本編未登場MSであるデミバーディングのガンプラの発売が告知された。
- セセリアが盗み聞きしていたのはたまたまなのか常習犯なのかは不明だが、カウンセリングルームの裏に出入りして告悔の内容を把握できる立場だとすれば、これまでの強気な態度の理由は、ここで得た情報を盾にしていたからという説が持ち上がった。
- 仮に、公式に上記の情報網の管理を任されているとすれば、さらに強力な情報網を有するバックがついている可能性がある。
- この情報をセセリアが把握したことによってニカをはじめとしたシャディク陣営に軟禁されている人物たちの所在が作中のほかの登場人物たちに露見する可能性が出てきた。
といった要素があるため、この展開が今後の情勢を根底からひっくり返すきっかけになるとみている視聴者も多数おり、今後の展開が注目される。
尤も、人をからかうのが大好きなセセリアなら、CEOになって学園を後にしたグエルに代わる新しい玩具を発見したにも見えなくなく、挙動不審でオーバーなリアクションばかりするマルタンはグエル以上に弄りがいがあるかもしれない。
さらに前述の通りマルタンが単独行動になっていたこともあって展開によっては口封じのために殺されてしまうという死亡フラグを予想していた視聴者も多かっただけに、今回の展開が入ったことによってギャグ落ちからの生存フラグになったのではないかと安堵する声も。
カウンセリングルームのハロを設置する台座がなぜか虹色に発光するスリット状の装飾で彩られていたため、メスガキ懺悔室ならぬゲーミング懺悔室とも。
他にも「年齢的にセセリアはメスガキではないだろう」という指摘もあるが、そこは語呂の良さが勝ったところか。
また、脚本家つながりで『少女革命ウテナ』黒薔薇編に登場した懺悔室と比較されることもある(ただし、ウテナで関与しているのはゲーム版の脚本と小説版であり、アニメ版には関与していない)。
美味しいネタを公式が当然触れない訳もなく、第18話の切り抜き動画としてこのシーンを提供開始。まさしく公式が病気である。
『魔女ラジ』でも2023年5月28日の第33回で「印象的」「びっくりした」との感想を残し、マルタンの正義感と葛藤に共感。セセリアも嫌味の中に隠された優しさが感じ取れるとコメントしていた。
2023年6月4日の第34回では、本作の登場人物をCEOとして架空の企業を提案する『わたしの株式会社ガンダム!』コーナーでもこの懺悔室が取り上げられた。なお、名称は流石にマズかったのかストレートな「セセリア懺悔室」となっていた。
視聴者の反応等をリサーチしていたのか、「口角」や「目の描き方」で「ワルガキ」感が増すという声を聞いたとLynnがコメントしている。事業として成立するかは別問題として、一定の支持は集めるであろうと締めた。
以上のようにネタ方面で話題になったが、第19話にて散々煽りはしたが最終的にマルタンの悩みを解決する方向に導いてはいるので、セセリアなりに真面目にカウンセリングに努めてはいる模様。
関連イラスト
シスター衣装
ひょうきん族風
他作品キャラ
外部リンク
関連タグ
水星の格付け:第17話から発生した別方向でネタにされている部屋。しかし……?
『ざっくり解説Extra』(ネタバレ注意!)
本作お約束の解説回ともいうべき総集編であったが流石に後番組を控えている状況で差し込む訳にもいかず、しかし第23話と24話を盛り上げるためには理解を深めてもらう必要があるとして白羽の矢が立ったのは……。
ALERT
この記事は2023年6月24日の『『機動戦士ガンダム 水星の魔女』ざっくり解説Extra』の解説記事です。
※総集編の解説記事であるため、Season2(第18話〜第22話)までのネタバレが記されます!
ALERT
学生の身でありながらカウンセラーをも務めるセセリアだった。
まずはクワイエット・ゼロの解説を行い、エリクト・サマヤの顕在のために建造された装置であり、顕在のためにパーメットスコア8が必要なため生み出されたリプリチャイルドと安全な(?)決闘によって引き上げられていったとした。
ミオリネはリプリチャイルド――スレッタ――の解放のためプロスペラの計画に協力する事となり、手始めにグエルとの決闘でパーメットスコア8の起動を確認。続いて、クワイエット・ゼロ存続のため総裁就任が求められ総裁選のマニフェストとしてクイン・ハーバーデモ隊との和平交渉に参加するが、GUND-ARMのためスコア8下でも制御可能な可能性が存在するルブリス量産試作モデルの秘密工場を破壊したため交渉は失敗し汚名を被る。
ミオリネらと同行したグエルはセドを尋問した結果黒幕を知りアスティカシアに「とんぼ返り」し、それを察知した黒幕――シャディク――は学園にGUND-ARMを放ち利害関係が一致する宇宙議会連合の理事会などタカ派が介入しやすい状況を作り出したと解説。
各勢力の動向として、議会はベネリットグループ解体のため離反し内部告発したペイル社を受け入れ、証拠としてクワイエット・ゼロの接収を行おうとするが失敗。プロスペラはクエタで開発されていたユニットの確保によって計画の完遂をもくろみ、スレッタらの集団は過去に押収されたプロトタイプGUND-ARMを用いてでもプロスペラの計画阻止のため行動したと整理した。
そして、最後に例によって小窓から現れ彼女らしく『ざっくり解説』の内容を呑み込めたか、水星の魔女を最後まで見届けないと罰すると罵詈雑言を吐いた。
演者の山根も起用に際してコメントしている。