諸元
ベースモデル:ホンダ・X4
全長:2,430mm
全幅:855mm
全高:1,300mm
最高時速:350km/h
最高出力:320ps/18,000rpm
総排気量:1,300cc
概要
本作に登場する仮面ライダーの一人・G3が使用するオートバイ(白バイ)型のマシン。パーソナルカラーは青と白。
G3専用マシンとして、高速での安定性を重点に置く形で開発されたもので、G3だけでなくG3-XやG3マイルドといった、後続のGシリーズにおいても共通して用いられている。このうちG3マイルドはG3-Xと並走するシーンが存在し、少なくとも作中では最低でも2台が製作されていることが明示されている。
通常はG3ユニットの移動基地であるGトレーラー内に搭載されており、G3の出動に際してこれを載せた状態で、走行中のGトレーラーから後ろ向きに発進。路面への降下後はフロントカウル中央とリア上部のボックスに配されたパトランプを点灯させ、サイレンを鳴らしながら現場へと急行する。
当初の設定において、G3が「未確認生命体第4号」をモデルとして開発されたのと同様に、ガードチェイサーもまた開発当初はトライチェイサー2000など、第4号に関連するマシンのデータが用いられていたが、搭乗者やベース車両の違いから、実際の設計は完全新規のものとされている。
実際、白バイとしては特異な部類に入るトライアルタイプのマシンであったトライチェイサー2000などに対し、ガードチェイサーは一般的な白バイと同様に、所謂ロードスポーツタイプのマシンである。
主な機能
前述の通り、トライチェイサー2000などのデータを用いているという設定を踏まえる形で、ガードチェイサーにも起動キーとして「ガードアクセラー」が実装されており、トライアクセラーと同様に車体に差し込むことで右ハンドルとして機能するようになっている。接続部を伸長させることで、特殊警棒として活用可能な点もトライアクセラーに準じている。
ガードチェイサー自体に特別な武装は施されていないものの、頑強な車体そのものが一つの武器とも言えるものであり、作中でもアンノウンに強烈な体当りを喰らわせても傷一つ付かなかったほどである。車体だけでなく前後のタイヤも、超硬質ケブラーをハイグリップラバーでサンドした特殊な作りとなっており、仮にパンクした際にも自動でプロテクト剤が噴射されることで、その損傷を即座に修復するようになっている。
エンジンには無公害の水素燃料エンジンが採用されているほか、予備のエネルギー源として大容量バッテリーも搭載されており、緊急時には電力供給源として転用することもできる。
フロントカウルには、前述のパトランプ以外にも高感度赤外線センサーや暗視カメラなどの機能を兼ね備えたヘッドライトが備わっている他、レーザー測定式速度センサーも内蔵されており、これらの装備によって如何なる状況においてもスムーズな現着と、アンノウンの追跡を可能としている。
ガードチェイサーはG3の移動の足であると同時に、G3の各種装備を搭載・運搬する、謂わば走る武器庫ともいうべき役割を担っている。
正面から見て左側のミドルカウル内部にはGM-01、反対側にはGG-02を格納可能で、さらにリアカウルの左右にはそれぞれGS-03とGA-04を収納できるボックスが備え付けられている。物語中盤よりG3-Xが導入されてからは、これらに加えてアタッシュモードのGX-05をマウントする専用ボックスが、新たに後部トランクの上に追加された。
他作品への登場
『仮面ライダーディケイド』
第1話で描かれた「ライダー大戦」の中に、G3-Xを載せた状態で登場。仮面ライダーアギトが乗るマシントルネイダーとの並走も披露している。
この他、第12・13話の「アギトの世界」でも、G3-Xの専用マシンとして登場した。
『仮面ライダージオウ』
アギトとの共演エピソードであるEP31に登場したものの、同話数ではアナザーアギトによってジオウトリニティに投げつけられた上、対するジオウトリニティもジカンギレードで真っ二つに両断するという、10年ぶりの出番としては何ともな扱いとなってしまった。
備考
走行中のGトレーラーから伸びた後部スロープから、バックで地面に降りるという特徴的な出動シーンであるが、これはカット割りを駆使して演出されたものであり、実際に再現しようとすれば転倒事故の危険性が高い。許可なく行えば間違いなく道路交通法違反となるため、絶対に真似をしてはいけない。
実際の撮影時にも、Gトレーラーの後ろに何台もの車両がスタンバイし、後部スロープやバイクを支えたりする形で撮られており、さらに後にはCG合成による出動シーンに改められてもいる。
平成ライダーシリーズでは初となる、「複数のライダーが使用し、かつ複数台存在する」ライダーマシンでもある。同様の要素を含んだライダーマシンとしては、これ以前には昭和期のサイクロン(『仮面ライダー』)が、以降にはライドシューター(『仮面ライダー龍騎』)やライドベンダー(『仮面ライダーOOO』)などが存在する。
S.I.C. HERO SAGAの一編である『MASKED RIDER AGITΩ EDITION -PROJECT G1-』では、G3ユニット用のオリジナルマシンとして「ロードチェイサー」が登場し、作中ではG3マイルドを装着した尾室隆弘が現場に向かう際に使用された。
作品自体が非公式という扱いではあるものの、ロードチェイサーは『仮面ライダークウガ』に登場するビートチェイサー2000の後継機であると同時に、ガードチェイサーの前身として位置付けられており、その概観もトライアルタイプであるビートチェイサーのそれを受け継ぎつつも、カウル形状やカラーリングがガードチェイサーのそれに寄せられており、当初存在していた『クウガ』と『アギト』のミッシングリンクを意識した存在であるとも言える。
放送当時には、他のライダー達のマシンと同様にガードチェイサーも、DXポピニカとして商品化されており、付属するライディング状態のG3フィギュアを載せられる他、別売りの装着変身のG3やG3-Xとの連動性も備わっている。設定通り各種装備も格納可能で、G3-X付属のマウントパーツを装着することでGX-05の搭載も再現できるようになっているが、GS-03のみ非変形であることから作中通りの格納はできず、格納スペースにはブレードを逃すためのスリットが設けられていたりもする。
このガードチェイサーは、後年S.H.FiguartsにてG3やG3-Xが発売された際、魂web商店限定で事実上の復刻販売も行われている。こちらは一部塗装箇所の追加や、マーキングの変更がなされより作中のイメージに近付けられているものの、FiguartsのG3他との連動については元々が装着変身に対応した設計である都合上、ライディングはともかく各種装備の格納はサイズが合わず不可能となっている。またDXポピニカ・FiguartsEX版共々、実車両のフロントカウルに配されていた「HONDA」のロゴまでは再現されていない。
関連タグ
オートバジン:『仮面ライダー555』に登場するマシンの一つ。左右逆ではあるものの、ハンドルを引き抜くことで武器として活用できるという共通項を有する
トライドロン:『仮面ライダードライブ』に登場するマシンの一つ。ガードチェイサーと同様に、警察に所属するライダー専用のマシンであり、サポートアイテムを供給するという点でも共通項が見られるが、一方でこちらは用途に応じての変形機構を備えている他、白バイであるガードチェイサーに対して自動車(四輪車)であるという最大の相違点も持ち合わせている