「ギャオーって鳴くからギャオスだよ」
「そうか!ギャオスめー!」
データ
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概要
昭和シリーズの第3作『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』に登場。
日本列島を貫くフォッサマグナと呼ばれる場所で眠っていたが富士山の火山活動によって覚醒した。
スーパーギャオスやギャオスハイパーよりも小柄だが、意外なことに翼開長自体はそこまで大差はない。身長65m、翼開長175mと巨大だが、体重はたったの25t。
名前はこの怪獣と接触し、ガメラに助けられて生存した少年の「ギャオーって鳴き声だからギャオスだよ」という言葉に由来する。
特徴は首の骨が二本ある事で、この二本の首の骨が音叉の役割を担うことでギャオスはその代表的な武器である「超音波メス」を発生させる。
ただしその首の構造上、頭を横に向けることは難しく、急激な左右運動に対応できず目を回すことがある。
一部の媒体では、耳と翼の爪がレーダーになっており、爪からは毒液を、胸からは毒粉を噴出し、脳には体力をキープするための「超能力液」が流れており、足から空気を噴射して加速力を得るとされており、これらの一部は後の作品のギャオスに通じる設定である。
これらのような、既存の生物には無い特徴を有するため、劇中では登場した科学者は
「(生物として分類するなら)あえて言うなら怪獣類」
と述べている。
独特な形状の頭部には発光器官が備わっており、空腹時には側頭部が緑に、危機的状態に陥ると頭頂部が紫に発光する。
弱点は太陽光(というより紫外線)で、長時間紫外線を浴びると体細胞が破壊されてしまう。そのため、基本的に夜行性。
その他に炎も苦手であるが、胸から黄色い消火液を霧状に噴射する事で、火炎の類は消火してしまう。
この消化液は、ガメラの火炎噴射はもちろん、回転ジェットの炎も消して無効化し、飛行能力も停止させてしまうほどの効果がある。また、敵を痺れさせる効果があるとする書籍も存在する。
このように通常の生物では珍しい脆弱性を持つ一方、再生能力が優れており、たとえ身体の一部分が欠損しても短期間で生え変わる。
人間を捕食する際には際には翼にある手で人間を掴み、口に運んで咀嚼している。肉を食らう以外にも、生物の血液も好んでいるようで、人工血液を用いて誘き出されている。
ストーリー
活動開始後は、富士山麓のフォッサマグナ内に出来た不気味に光る洞窟に潜んでいた。そこから夜な夜な出現し、付近の人間や家畜に被害を及ぼし、中盤には名古屋を襲撃して名古屋城を破壊、甚大な被害を出すものの、ガメラとの激闘の末に撃退される。
伊勢湾に引きずりこまれそうになった際にはギャオスは自らの脚を超音波メスで切断したが、自己再生能力ですぐに治癒している。
人類サイドによる「拘束して弱点の太陽光で殺害する」「山ごと燃やす」などの、対ギャオスのための大規模な作戦は尽く失敗。
しかし、最後にはガメラとの戦いの末、今度は伊勢湾ではなくて故郷の富士山火口に引きずり込まれ死亡する。
漫画版
映画版よりもドロドロとしておぞましい描写が特徴であり、ギャオスに孫娘を喰い殺された村長との因縁が描かれている。
余談
- とある書籍には、こちらのギャオスが一体しか登場していないのに宇宙ギャオスが群れで惑星テラを滅ぼしたことから、「宇宙ギャオスこそが本来のギャオスではないか」という考察がされていた。
- とある書籍では、なんとギャオスの幼虫が存在するとされ、その姿はオケラの様な似ても似つかないものだった。
- 同書籍では、後にスーパーギャオスの餌になったと推測されている。
- イメージのモチーフは吸血鬼であり、人間を餌にする、光を嫌うなどの設定はそれらから来ている。実際に、企画段階の名前は「バンパイヤー」だった。
- 2015年の記念映像の際に明かされたことだが、実は昭和ギャオスも後の平成ギャオスの様なスタイリッシュな体型でデザインされたのだが、着ぐるみと表現の限界によって実際の作品のような姿になったとされている。
- 「海上のガメラに脚を食いつかれたギャオス」の構図は怪獣映画史でも名場面の1つとして数えられ、後にフィギュアも発売されており、スーパーギャオスでもオマージュされた。
- 「断末魔の超音波メス」もやはり『ガメラ大怪獣空中決戦』でオマージュされている。
- マッハ3.5という飛行速度は、後に徳間ガメラが実現した。
- イリスも、当初は「消火液」を能力に持つことが検討されていた。
- 着ぐるみは、翼を広げたものと畳んで陸上活動するものの2種が作られ、それらの他に多数ある胸部のV字型の筋が二つしか無く、黄色くなっているNG版の着ぐるみも存在する。
関連タグ
ギャオス 宇宙ギャオス スーパーギャオス ギャオスハイパー オリジナルギャオス ギャオス2015 リバースギャオス
妖怪獣:フォッサマグナに関連がある怪獣繋がり。ガメラや大魔神と「妖怪大戦争シリーズ」は関連性が強く、2005年版でガメラと大魔神が言及され、『平安百鬼譚』では玄武(ガメラ)と大魔神も実際にキャラクターとして登場している。
大海獣:水木しげる作品と大映特撮は非常に関係性が深く、ガメラと大魔神と鬼太郎達が共演する作品も存在する。大海獣の前身である1958年の『怪獣ラバン』に登場した「本物のゴジラ」も、ゴジラの調査団体の飛行機を火山の火口から姿を見せずに放射熱線で撃墜したのが最初の描写であり、本格的に姿を見せたのはその後の夜という点が本作のギャオス(1967年)と類似している。また、後年の作品も含めれば、血液を摂取した存在が怪獣化するという類似点も持つ。