概要
愛知県名古屋市にある城で日本100名城に選定されており、国の特別史跡に指定されている。
大阪城、熊本城とともに日本三名城に数えられており、金の巨大な鯱が有名。
現在の天守は鉄筋コンクリート製である。外付けのエレベーターが設置されているため、城マニアから評判が悪い。ただし散々言われている現在の天守も復元されて60年以上経つ歴史的な代物ではある。現在、木造で復元する計画があるが、完全に政治問題化してしまいエレベーターをどうするかで難航している模様。
城下には金シャチ横丁という商店街があり、観光客向けの店が集う。
名古屋城前の大津通(この下を地下鉄名城線が走る)をはさんだ東側の三の丸は愛知県庁・名古屋市役所をはじめとする官公庁街となっており、とりわけ愛知県庁・名古屋市役所の帝冠様式の庁舎は名古屋城を模した重厚な屋根瓦を備え、お城感を濃厚に醸し出している。また、名古屋市役所北方・名古屋医療センター裏手付近に名鉄瀬戸線東大手駅がある。
いわゆる「武将隊」の先駆けとなった、名古屋おもてなし武将隊が活動しており、国内外の客から好評を得ている。
歴史
戦国時代、この地には那古野城(なごやじょう)が存在していた。織田信秀・信長父子らを輩出した織田弾正忠家が所有していた頃、信長が生誕した場所とする説もある。
信長が織田大和守家を滅ぼしてからは清須城(清洲城)に本拠を移したため、那古野城は一時廃城となったが、1610年(慶長14年)に徳川家康の主導のもと、九男義直の尾張藩の居城として名古屋の町とともに新しく造られた。
江戸城、徳川が再建した大坂城と同じく、巨大石垣と巨大櫓の質量感が圧倒的な大城郭であった。
当初は町を取り囲む総構も計画されていたが、掘る前に大坂の陣が終了したので中止された。
天守に据え付ける火災避けの鯱は、通常の城では瓦製だが、名古屋城では木造の鯱に金板(金箔ではない)を張って造形されており、瓦も装飾と重量軽減を兼ねて銅板葺きであった。
明治時代になると全国各地の城が解体されていくなか、名古屋城も解体される予定であったが国内外から保存を求める声が上がったため、天守を含めて保存されることになった。当時は姫路城と共に国宝の第一号に指定されるほどの文化財であった。
本丸は宮内省が管理し「名古屋離宮」と称されたが、敷地は軍用地として使われていた為、1945年に第二次世界大戦の空襲で焼夷弾の直撃を受けて、天守や金鯱、本丸御殿など城の大部分が焼失してしまった(本丸御殿の障壁画は最優先で避難させて無事だった)。
1959年に天守や小天守が再建され、また金鯱も復活したが、この再建直後に伊勢湾台風が襲来したため、金鯱がこの台風を招いたと多く言われた。しかし、この際に(二度と燃えないようにとの思いもあったにせよ)鉄筋コンクリートで復元したことが現在に至るまで論争の種になっている。
現在の名古屋城は観光のほか名古屋の歴史史料館としての役割を担っており、2018年には本丸御殿も木造復元された。
最寄り駅
名古屋市営地下鉄名城線 - 名古屋城駅もしくは名城公園駅。一番近いのは名古屋城駅(旧名・市役所駅)。市役所駅時代、しばしば名古屋城観光客が名城公園駅で誤降車するケースがあった。
名鉄瀬戸線 - 東大手駅。名古屋城正門には距離があるものの、徒歩圏ではある。
創作での扱い
怪獣映画では神社仏閣や天守など古くからの建築物は付近を通り過ぎるだけで破壊されることはまれ、破壊される場合は大阪城のように戦いに巻き込まれる場合がほとんどと言われているが、名古屋城は戦後に復元された天守であるためか何度も破壊されており、『モスラ対ゴジラ』ではゴジラに、『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』ではギャオスに、『ゴジラvsモスラ』ではバトラによって破壊されている。
『キン肉マン』では姫路城と合体し、関ヶ原に着陸し関ヶ原格闘城になってしまう。凄いゆで理論。
関連動画
関連イラスト
関連タグ
名古屋城(御城プロジェクト):名古屋城を擬人化したキャラクター
金鯱賞 - JRA中京競馬場で行われる重賞レース(GⅡ)。名古屋城の金鯱が名の由来。
シヤチハタ - 名古屋地元の印章メーカー。社名の由来は名古屋城の金鯱からで、社名変更時のマークが「鯱の旗」だった。
名古屋グランパスエイト - Jリーグチーム。グランパスは英語で「鯱」の意味で、こちらも名古屋城の金鯱が名の由来。