第138回天皇賞
だいせっせんどごーん
残りさあ500と少々、ダイワスカーレットまだ先頭。最内、最内キングストレイル。
真ん中割ってアサクサキングスがやって来ようとしている。
ディープスカイ、ディープスカイ勝手知ったる府中。その外に先輩ダービー馬ウオッカ!
残りあと300。坂を登る。
新旧ダービー馬の決着になるのか?最内ダイワスカーレット少し苦しくなった。
ウオッカ、ウオッカ、ウオッカ。ディープスカイ、ディープスカイ、ウオッカ。
内からもう一度ダイワスカーレットも差し返す。ダイワスカーレットも差し返す。
これは大接戦!大接戦のゴール!!
ウオッカか、ダイワスカーレットか。真ん中ディープスカイが少々不利か。
上位人気3頭、牝馬と牝馬と今年のダービー馬。
1分57秒2はレコードの赤い文字です!
(青嶋達也アナによる実況より)
概要
沈黙の日曜日から10年を迎えた2008年の第138回天皇賞・秋。
この年の出走メンバーは、前年のダービー馬で牝馬ウオッカ(武豊)、2冠牝馬ダイワスカーレット(安藤勝己)を筆頭に、この年のダービー馬ディープスカイ(四位洋文)が続き、前年の菊花賞馬アサクサキングス(藤岡佑介)など出走馬17頭全頭が重賞タイトル持ちというハイレベルな陣容であった。
出馬表
展開・結果
レースはダイワスカーレットがハナに立って後続を引き連れる展開で、この日の高速馬場の影響か1000m通過ラップは0:58:7という速いペース。3-4コーナーを曲がってもダイワスカーレットに疲れは見えないが、最後の直線に入ってディープスカイとウオッカが競り合いながら迫っていく。
やがてウオッカが並びかけるとダイワスカーレットもムチを入れて差し返し、馬群を割ってきたカンパニー(横山典弘)とエアシェイディ(後藤浩輝)も迫る中、大混戦のままゴールイン。
勝時計は1:57:2でシンボリクリスエスが持っていたコースレコードより0.8秒も早いという高速決着だった。
ウオッカとダイワスカーレットがほぼ同時のゴールインで写真判定が長引き、その結果ウオッカが1着となり、ダイワスカーレットはハナ差2着、掲示板でハナ差とされたその差はわずか2cmという大接戦だった。ディープスカイがクビ差3着で、5着までがハナ差クビ差という着差が大混戦を物語っていた。
馬券的には上位人気で固まった固い決着ではあったものの、3歳時からのライバルだった牝馬2頭による競馬史に残る大激闘は、その後の強力牝馬たちの活躍を予感させるものであった。
牡馬相手で実績を残し続けていたウオッカもそうだが、惜敗したダイワスカーレットもこの年の暮れの有馬記念で37年ぶりの牝馬での制覇を成し遂げることになる。
着順 | 馬 | タイム・着差 |
---|---|---|
1 | ウオッカ | 1:57:2 |
2 | ダイワスカーレット | ハナ |
3 | ディープスカイ | クビ |
4 | カンパニー | ハナ |
5 | エアシェイディ | クビ |