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大正野球娘。の編集履歴

2024-04-18 19:21:10 バージョン

大正野球娘。

たいしょうやきゅうむすめ

神楽坂淳によるライトノベル小説、及びそれを原作としてメディアミックスで制作された同名の作品群。

概要

作者は神楽坂淳


女性の社会進出がまだ一般的ではなかった大正時代末期にあって、野球を始めとして様々に努力を重ねる少女達の、明るい学園生活が描かれる青春小説。

作中では東邦星華高等女子学院(※元ネタは東洋英和女学院)が主な舞台となる。

たいやき」と省略されることもある。


2007年2010年にかけてトクマ・ノベルズedgeから計4巻まで発売され、各種メディアミックスされるなど話題になった。

この時期はアニメ『マリア様がみてる』によるブームがひと段落した時期でもあり、同作品等を契機に大量に出現したいわゆる百合ファンの新たな受け皿となった側面も大きい。


しかし、『大正野球娘。4』発売以降は続刊アナウンスが途絶えた。10年後の2020年に別出版社である小学館の小学館時代小説文庫からトクマ版の1~3巻分のみが新装発売されたが、これ以降は公式からも音沙汰がなくなっている。

このため、5巻以降に繰り広げられるはずであったアーミナ女学校との決戦が宙に浮いてしまい、各伏線も回収されないまま現在にいたる。


メタなことを言うと、作者の神楽坂は現在は第9回日本歴史時代作家協会賞を受賞した『うちの旦那が甘ちゃんで』といった他作品に活動の主軸を移しており、現段階では執筆再開の可能性は薄いといえる。



メディアミックス等での業績も加味すると、同作はある意味で当時から衰退の兆しを見せていたノベルス市場の最後を飾った作品ともいえる。



ストーリー


「一緒に野球をしていただきたいの!」


時は西暦1925年(大正14年)7月。東邦星華高等女子学院に通う鈴川小梅は、親友である小笠原晶子の突然の誘いで野球というものを始めることになった。きっかけは晶子の許婚である岩崎荘介が晶子に対して発した「女性に学歴など不要」「主婦として家庭に入るべき」という何気ない一言であり、それは当時の社会ではごく一般的な考え方でありながらも男尊女卑の意識に強く支配されたものであった。内心でこれに反発した晶子は態度を硬化させ、許婚が打ち込んでいる野球という競技を用いて彼の鼻を明かしてやり、旧態然とした認識を改めさせようと思い立ったわけである。


小梅もまた晶子の気持ちを知って共感し、その目標に賛同したのであった

・・・が、誘った晶子ともども野球のルールなどまるで知らなかった。加えて、野球を始めるにあたって必要な9人のメンバーを集めることも中々難しく、あの手この手で奔走することとなるのである。


登場人物

CVが2人いる人物は左側がアニメ版およびそれ以降の関連作品、右側が2007年版ドラマCDの担当声優。

鈴川小梅


晶子さん


大正打撃娘。


大正いいバッター娘。


のえのえしてきた!


告知


大正野球娘。-月映静


巴お姉さま~♪


大正


すべてがアメリカンサイズ!


ノリブランドが櫻花會で終わっていいのか


サブロー坊や (スペシャルシークレット)


鈴川八重





アニメ

2009年7月から10月にかけて全12話が放送された。


主題歌

オープニングテーマ

「浪漫ちっくストライク。」

作詞 - rino、作曲 - 服部隆之、編曲 - 大久保薫

歌 - 鈴川小梅(伊藤かな恵)・小笠原晶子(中原麻衣)・川島乃枝(植田佳奈)・宗谷雪(能登麻美子

エンディングテーマ

「ユメ・ミル・ココロ」

作詞 - 畑亜貴、作編曲 - 渡辺拓也

歌 - 伊藤かな恵


各話リスト

話数サブタイトル
第1話男子がすなるという、あれ
第2話春の長日を恋ひ暮らし
第3話娘九つの場を占めては
第4話これから
第5話花や蝶やと駆ける日々
第6話球は広野を飛び回る
第7話麻布八景娘戯
第8話麻布の星
第9話誤解の多い料理店
第10話私は何をする人ぞ
第11話そゞろに胸の打ち騒ぐ
第12話土と埃にまみれます


また、アニメ声優によるインターネットラジオ『大正野球娘。浪漫ちっくラジオ』もアニメの放映に先行して、2009年(平成21年)5月27日よりランティスウェブラジオおよび音泉にて配信をスタート。2009年10月28日までいずれも隔週水曜日に更新されていた。全12回。



アニメ版の評価

原作では普段でも洋服を着こなしている主人公・鈴川小梅であったが、アニメ化に際しては「もっと庶民的にしたい」という監督の意向で一部をのぞき着物が常服なキャラに変更されている。


そしてこの「庶民指向」というマインドが暴走したためか、初回放送の初っぱなから小梅が当時の流行歌であった東京節を朗々と歌い出すという迷(?)場面が繰り広げられたことが物議をかもした。

後に『鬼滅の刃』や『わたしの幸せな結婚』といった大正モチーフの作品が多く発表されるようにはなったものの、当時は同時代をテーマにした作品はまだまだ少なく多くのユーザーにはなじみの薄いものであった。そのために「大正という時代」を認識してもらうための演出だったのだろうが、これが裏目に出てしまいその突拍子のない展開に多くの視聴者が啞然となってしまった ただし、一部の歴史ファンからは好意的な意見も見られた。


そして、よりによってこれの前番組が同じソフト百合系にしてアニソンをヒットチャートのトップに押し上げる伝説を残したアニメ『けいおん!だったことが明暗をわけた。早い話が『けいおん』ユーザーの過激派が「なにが大正野球娘だ!オレたちのけいおんを返せ!」とネット上でアンチ行為を繰り返したのである。

ぶっちゃけ言えば過激派の八つ当たりでしかなかったので、紳士的な行動をとったユーザーが多かった事もあり、日を追うごとに誹謗中傷は減少していったという。

その後、ネット上の野球ファンからも支持が集まり出し、2010年6月1日の野球ch板の仕様変更により、なんでも実況J板の野球ファンは古巣の野球chへと流れたことで『大正義野球娘。』は「最初で最後のなんJ公認アニメ」と評せられることになる。



なんと、2010年7月7日発売のan・an誌上にて「いま、深夜アニメが熱いんです。」というコーナーにおいて多くの深夜アニメが紹介される中、「女子萌え系」ジャンルで本作が紹介された。

もう一度言う、an・anに、である。

本来は男性向けの萌えアニメといえるけど、キラキラとかわいく描かれた女の子には女性視聴者も胸キュン!」(本文抜粋)



※当時のネット上での動向



マンガ版


  • 大正野球娘。

小説版1・2巻を再編してサイドストーリーを追加した伊藤伸平作画によるマンガ版が月刊COMICリュウにて2008年9月号~2011年4月号まで連載された。

80~90年代SF業界に身を置き続けた作画担当の画風も影響してか、各キャラのデザインは小説版やアニメ版とは多々異なる部分が多い。


内容もギャグテイストのコメディ色が強めになっている。

原作を大まかになぞってはいるが


乃枝が自立移動するピッチングマシーン(というかロボ)を造る』

乃枝が科学者として第二次世界大戦に参加、Uボートに乗り込み大暴れ。』

『時は流れて現代、超科学で不老の身となった乃枝は親友である晶子のに花を供える』


……といった具合にけっこう自由奔放な展開が多い。ぶっちゃけ言えば読む人を選ぶといえるだろう。ていうか乃枝さんイジられまくりである。

他にはない水着回もあるが先述の画風もあり正直言って……


また、自費出版で同作の設定集『「娘。」本 ~大正野球娘。設定集』が発行されている。


  • 帝都たこ焼き娘。 大正野球娘。番外編

こちらは小説第3巻『帝都たこ焼き娘。』のコミカライズ版。


よねやませつこの作画でトクマ・ノベルズedge公式サイト「エッジdeデュアル王立図書館」において、2009年11月から公開された。全5話でコミックスは全1巻。

アニメ版から逆輸入された尾張記子が登場しないなど一部シナリオのカット部はあるが、内容をほぼ忠実にコミカライズしている。キャラクターデザインも小説版やアニメ版に寄せたものになっている。



関連イラスト

帝都たこ焼き娘。大正野球娘。「秋は短し 芋食え乙女」


関連タグ

ライトノベル

大正野球娘(表記揺れ) 野球 大正 大正時代 野球少女


プリンセスナイン八月のシンデレラナイン球詠セーラーエース…女子野球を題材にした作品。


余談

大正14年時点では既に阪急系の宝塚運動協会というプロ球団が存在した。この球団は一旦解散するものの、その後阪急は新たに阪急軍(現オリックス・バファローズ)を結成している。また、ノンプロでは阪神タイガースの母体である阪神電鉄野球部や後に関係者が毎日オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)運営に関わる大毎野球団が存在した。


外部リンク

テレビアニメ公式サイト

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