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【注意】

児童向け作品や旧約聖書にも描かれている(と思われる)由緒正しい棒ですが、Pixivでは本記事作成時点で実質R-18タグとなっています。

ヒャッハー!もっと力を入れて回せェーッ!」

概要

創作において文明が未熟(または崩壊済)な世界観における強制労働の場で高確率で見かける、文字通り奴隷が回してる謎の棒。実質的な拷問器具

「奴隷がぐるぐる回すヤツ」「謎の棒」とも。

2019年春と2016年秋にtwitter上でなにやら話題になり、そんな感じの名前がついた。

ムチを持った看守が「しっかり回せ!(意訳」と恫喝し、転んだり力尽きた奴隷は倒れたら即殺処分というのがお約束様式美である。

だが、なんのために回しているのかはあまり語られない。

語られてもどっからどう見ても効率最悪だったり、魔法陣グルグルに至っては「意味はない」とまでぶっちゃけられている。

だが、奴隷が虐待されている感を非常にわかりやすく演出できる便利なギミックなので、奴隷が登場する作品では世界観やメディアを問わず今日まで使われ続けている。

奴隷なんて登場しない心温まる物語ですら下っ端が回している。

ちょっとだけマジメな由来

Pixivでは本記事制作時点で実質的なR-18タグ化しているが、そんな卑猥なイラストに使うなどとんでもない

紀元前から今より先の未来まで時を超えて回され続ける非人道的キカイである!(忍殺

結論から言ってしまうと、

下記の実在した作業用人力回転器械のイメージを組み合わせたものと思われる。

だいたいローマとギリシャが悪い。

初出は聖書

では、そんな回転器械がなぜ拷問器具めいたものになったのか。

大本は旧約聖書に語られるイスラエル大英雄サムソンの逸話が元である…と、思われる。サムソンはハニートラップによって敵のペリシテ人の捕虜となった際、両眼を抉られ、奴隷としてガザの牢で粉を挽かされた。敢えて苦痛の大きい方法で作業させた可能性も否定できない。

ただし、旧約聖書の時点では「謎の棒」とは明言されていない。

明確に「謎の棒」が登場するのはこのサムソンの逸話を元にしたカール・ハインリッヒ・ブロッホの絵画「踏み車を引かされるサムソン」(1863年作)が初出(と、思われる)。

そして更に絵画を参考にしたのかは不明だが、同じくサムソンの逸話を元にした映画「サムソンとデリラ(1949年版)」にて謎の棒が登場。これで一気に「奴隷がやらされる苦行」のイメージが定着したのかもしれない。

しかし、このような奴隷や家畜を動力とする回転器械は風車水車と言った自然エネルギーを変換する装置の発明によって姿を消したのだろう。圧倒的に高効率だしね。

そして時は流れ18世紀の蒸気機関、19世紀の電気の実用化で完全に過去のものとなったと言える。

一応空役(なんの生産性もなく、役にも立たない作業に従事させる拷問、刑罰。「穴を掘り、すぐに埋める」や「石やドラム缶を特定の位置まで運び、また戻す」「どこにも繋がっていない踏み車を延々踏ませる」というような作業を延々とやらせる事を指す)ということも考えられるが、謎の棒をグルグルと回し続ける空役は少なくとも記録上には存在しない

次に転機となったのが1982年の映画『コナン・ザ・グレート』。

主人公のコナンは幼少期に奴隷として捕らえられ、他の奴隷たちと共に棒を回す重労働を強いられる。月日は流れ他の奴隷が命尽きる中、1人で回し続けていたためコナンは屈強な男にまで成長した。

本作に登場する装置は直径10メートル近いサイズでとにかく非常に大きい。これを1人で回し続けていたのだからアーノルド・シュワルツェネッガーに成長するのも納得かもしれない。

 コナン・ザ・グレート(米1982年)

また、物語の舞台は1万2000年前であり、動物たちが家畜化されていないため人力での粉挽きが必要だったのかもしれない。

そして黙示録の先にて…

しかし叡智の炎が世界を焼き払い、時はまさに世紀末。謎の棒は蘇った!!

「もっと心を込めて回さんかーっ!」

人力発電。あまりにも効率悪いことこの上ない。

でもしかたない、 世紀末 だから!

銀河を離れ、イスカンダルへ…

更には宇宙戦艦ヤマト(旧作)16話では銀河間空間のビーメラ星にすむ昆虫型異星人まで謎の棒を回している(2199では残念ながら滅亡済)。

「謎の棒」とは、古代アケーリアス文明の遺産なのかもしれない…?

奴隷が謎の棒を回す場所・作品の例

実写映画

ゲーム

  • Conan Exiles ※プレイヤー自身が製作し、NPCを奴隷として調教できる。
  • 各地の畑(TESⅤ Skyrim) ※プレイヤー自ら回し小麦を製粉する
  • カデスの牢獄(ドラゴンクエストⅨ) ※後に天使の力を奪う装置だと判明するため厳密には謎ではない

現実

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