超時空要塞マクロス
ちょうじくうようさいまくろす
概要
1982年10月から1983年6月にかけて、毎日放送製作ホストTBS系列局のほか日本テレビ系列局約1局、フジテレビ系列局約3局(内約2局は放送当時)にて放送された。
放送終了後翌年には劇場用作品超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますかが上映された。
リアルロボットアニメの中で初めて「変形」を全面的に取り入れた作品でもあり、河森正治のデザインした可変戦闘機「バルキリー」はその象徴として本放送まで人型形態(バトロイド)が秘匿されていた。
また、板野一郎が「機動戦士ガンダム」、「伝説巨神イデオン」で培った技術を発展させた空戦アクションも評価が高く、「板野サーカス」と呼ばれ後のロボットアニメのアクション演出に多大な影響を与えている。
元々は全52話としてプランを立てたものの、企画が固まった時点で39話に放送期間が短縮、作画作業に入った1982年5月には23話まで短縮された。その後玩具セールスの出足に満足したスポンサーからの要請で全36話まで放送が延長されたという複雑な放送経緯を持つ。
延長分のエピソードは俗に「戦後編」と呼ばれ、「マクロスプラス」など後の作品にもその設定が活かされている。
後のマクロスシリーズにも影響を与えた本作の特徴としてロボット(バルキリー)×アイドル×三角関係の三点セットが挙げられる。ただし本作の場合明確に三角関係になるのは物語の中盤以降である。
本作の他の特徴として、これまでのロボットアニメの定石をあえて外したある意味リアルな設定や展開が挙げられる。例えば下記の通り。
登場人物
幻の没展開
- 当初ゼントラーディに捕まるのは輝達では無くマクロスの艦長で、エッチな写真に誘導され、鳥籠で捕まると言うものだった。その後ゼントラーディ軍で何と参謀に出世し、その司令官に気に入られると言う物で、これが結末の伏線になる筈だった。
- ロイ・フォッカー少佐搭乗のVF-1Sバルキリーは2クールのラストでカムジンと相撃ちになり消失する予定だったが機体の人気と玩具セールスが好調だった為、逆に輝のVF-1Jが失われる事になった。
- 当初は地球とゼントラーディとの戦いを監察する第三勢力の高度文明管理機関「監察軍」が登場する予定だった。(ほぼ偶然だが、この構想に似た物は韓国アニメ「スペースガンダムV」や、ゲーム「スーパーロボット大戦α」で一部実現している。)
- 最終回の当初構想はミンメイの歌を聞き、A・ゼントラーディがマクロス協力してゼントラーディの司令官に攻撃する B・ミンメイの歌を聞き一時期協力していたマクロスの艦長を思い出し、攻撃中止命令で地球から撤退 の何れかの結末が予定されており、前者は超時空要塞マクロスⅡで実現した。因みにB案からマクロスは童話ガリバー旅行記からも範に取ったのではと言われている。
ファミコンソフト
1985年12月10日にファミリーコンピューターのゲーム『超時空要塞マクロス』が発売された。ファミコンで唯一となるマクロスのゲームである。
ナムコがゲーム制作を担当し、バンダイから発売されたので、今では『バンダイナムコゲームスの元祖』と言われる事もある。