曖昧さ回避
- 加熱・乾燥などの加工をしていない生鮮食品。品質が劣化しやすい。特に魚介類について言う。
- 陳腐化が早くすぐに価値の下がる工業製品に対する俗称。生鮮食品が早く売らないと価値が下がってしまう、または売り物にならなくなることとかけた俗語。
- 柴田亜美の漫画『南国少年パプワくん』および『PAPUWA』に登場するパプワ島の生き物の総称。そこから転じて、得体の知れない珍妙な生き物を指して言う言葉。作中では「生物」のルビに「ナマモノ」と書かれている。
- 『メルティブラッドシリーズ』におけるネタとカオスの権化の事。最近では別次元にも増えた。
- 実在の人物を題材にした同人ジャンルや、同人誌などを指す俗語。
ここでは5について記述する。
解説
「実在の人物」を題材にした一次創作のこと。
(※pixivガイドライン上、実在の人物を題材としたイラスト・漫画について二次創作として扱う旨明記されているわけではないが、運営の判断によって「オリジナル作品」設定を解除される場合もある)
そのようなネタ、および同人ジャンル、同人誌などを総称した隠語である。生モノ、nmmnとも表記され、海外ではRPS、RPFなどの略称(現在はRPFが主流)がある。
表現の自由はあまねくすべての日本国民に保障された基本的人権であり、何人もこれを侵害してはならない権利である。よって、他者の権利を侵害しない範囲で自由な創作、発表が認められる(以下参考リンク)。
参考:著作権法(e-GOV法令検索より)
参考:日本国憲法(e-GOV法令検索より)
主にリアルタイムの人物をネタにしたものがそう扱われ、故人については(亡くなって日の浅い場合も)ナマモノとして扱わない場合がある。
また、歴史上の人物を題材とすると、近現代史物においては存命中の人物が登場する場合もあるため、ナマモノと歴史創作双方の要素を内包し得る(ナマモノに引っ掛けて「ヒモノ」「カワキモノ」の呼称する場合も)。
ナマモノは「ファンアート(二次創作)」か?
芸能人等の似顔絵はしばしばファンアートと呼ばれ、同様の角度からナマモノ創作もまた「ファンアート」とみなされることがある。
他方、歴史創作(特に明確な資料媒体の少ない時代)においては歴史的事実に対して作家性による脚色がしばしば多くなることから「実在人物を基にした一次創作」とみなす向きがある。
現代美術においても、著名人等を忠実に描いた「ポートレート(肖像画)」や抽象・デフォルメして漫画絵などに落とし込んだ「カリカチュア(誇張絵)」については、もちろん対象とする実際の人物がいてこその芸術ではあるが、その落とし込み方には作家性が如実に顕れることからある種の一次創作とみなすことが可能である。
歴史創作が時にナマモノの性質を帯び、両者の境界が曖昧になる場合があることを先に述べたように、実在人物とそれを描く作家性の融合により、二次創作と言うよりはむしろその作家オリジナルの一次創作と呼べるのではないか、という考え方が存在するのである。
尤もナマモノを一次創作とするか二次創作とするかは明確な定義もないものであり、最終的には個々人の良識ある判断に委ねられる部分なのかもしれない。
問題点
実在人物をモチーフにしているだけに徒に本人の名誉・利益を損なうことがないよう注意を払う必要があるのだが、現行法上「ナマモノ創作を取り扱った者」を直接に規制・罰することがないがために「創作者本人の良識に委ねられる部分が大きい」ということが大きな特徴であり、また問題点と言えるだろう。
取り扱っているサイトや、ジャンル、或いはひとつのグループ単位で個別にローカルルールが敷かれていることも珍しくなく、複数の界隈を跨いで活動する際にそれらの独自マナーを「注意喚起」として広めた結果、却って他者との軋轢を産む場合もある。
なお、前述のとおり様々なローカルルールが存在する一方で、広く一般的に言われている注意事項というものも下記のとおり存在する。
・「本人やファンにナマモノ創作物を見せるべきではない」
単なる肖像画やちょっとした誇張絵についてまで完全にシャットアウトすべき……ということではなく、性的・暴力的・その他公序良俗に反すると思われる内容を実在人物をモチーフに描いた場合には、それらを無闇に見せに行かないことは当然として、誤って当人らの目に触れてしまわないよう十分に配慮しようというもの。
感覚的に理解できる方も多かろうとは思うが、自分自身が反社会的な行動をしていたり、好きでもない相手と実際には言っていないセリフで絡み合っているところを見せられて嬉しいか?ということである。
※あくまで「本人やファンが見たらどう思うか?」ということであり、決してナマモノ創作活動そのものを糾弾する意図ではない。ゲーム・アニメ等の原作に対する二次創作においても同様に言えることである。
・「ゾーニング(本人・興味のない人間の目に入りにくいような工夫)」
元々創作界隈で叫ばれることは多いが、自分からわざわざ検索してたどり着かない限りは目に入らないよう工夫をすることである。実在人物を取り扱う以上はその人物の権利保護のため細心の注意を払うのは当然のことであり、ナマモノ創作を好まない人間(もっと言えば、理由を付けて他人の創作を妨げようとする人間)の目に触れてしまった時に生じる争いを回避する上でも重要なことである。
R-18タグ付け等を行っていても無視して怖いもの見たさで入ってきたり、或いは子供が興味本意で踏み越えてきてしまったりすることも十二分に考えられるが、入念な措置を講じた上でなお無視してきたものについては見た側の自己責任と反論する材料になることだろう。
別段法で禁止されていないからと人目も憚らず自由に創作・発表することも結構だが、それは大人として自分の取った行動に責任を取れる人物のみがそうすべきである。
人によっては単なる似顔絵だって描かれるのは嫌だったりするし、その人が「嫌です」と言った頃にはとうに手遅れなのだ。
そして、自分が気に入らないからといって迷惑行為をしているわけでもないナマモノ創作や創作者本人を糾弾する行為も、当然に許されざることである。
バリエーション
タレントやスポーツ選手、俳優、声優、芸人など題材は様々。歌い手、踊り手、生放送主、実況者、動画投稿者、アマチュア声優、海外アイドルも題材にすることがある。2017年頃から台頭したバーチャルYouTuber(VTuber)も実況や雑談などのライブ配信スタイルが増加するにつれて、演者のパーソナリティが色濃く反映される「キャラクターのロールプレイではなく、アバターを被った中の人自身による芸能活動」として捉えることができ、これらの二次創作をナマモノの一種として捉える考えもある。
その人物単体を萌え・同人的な視点で扱った作品や、オリジナルキャラクターと絡ませる夢向け作品もあるが、もっとも主流なのは有名人同士を妄想でカップリングして楽しむ同性愛ネタ(腐向け/BLや百合/GL)である。
歴史と成立背景など
古典
その歴史は古く、広い意味では平安時代中期に成立した源氏物語まで遡ることができる。光源氏のモデルは作者/紫式部の支援者だった藤原道長とされており、当時のリアルな現実を反映した一種のナマモノ創作の側面もある。そもそも源氏物語そのものが当時の宮中で肉筆回覧同人誌的存在であり、ナマモノ創作や夢小説に通じるルーツがある(もちろん性描写付き)。
近代
江戸幕末期の新撰組関連では2015年に、新撰組活躍当時に屯所の隣に住居し実際の新撰組を目の当たりにしていた女性の手による土方歳三と沖田総司の男性同士の官能小説(土方歳三と彼女の夢小説もあったらしい)が彼女のひ孫によって発見され話題となった。また、従来よりの既知の資料によれば当時の新撰組内部では男色が流行していたという証言もあった。つまり当時のリアルな事実も材料にしていた可能性のある実在創作=ナマモノだったわけである。(※土方と沖田が実際にそのような関係だったかは不明。)
現代
1980年代の同人バブル期には、既にジャニーズやスポーツ選手などを扱ったナマモノ同人誌が即売会に並んでいた。また、80年代はバンドブームを背景にアイドル以外の自分たちで作詞作曲演奏歌唱舞踊その他を手がけるロックバンドやビジュアル系などのアーティスト本と言われるジャンルも隆盛した。また、ビジュアル系バンドやアイドルなどに多く見られるファンサービスとして演者同士が舞台上で必要以上の身体的接触するなどのパフォーマンスがある。盛り上げるための演出としてよく見られ、本人たちもそういうファン層を意識した活動として積極的に行っている面がある。1990年代にはオウム真理教幹部を題材としたBL本が出回りスポーツ紙に取り上げられた。
2000年代からは、萌え美少女化(美青年化)ジャンルが勃興。2010年代になると存命作家の名前を持つキャラクターが登場する『文豪ストレイドッグス外伝』など、ナマモノの要素を含んだ商業作品も登場した。
また小泉純一郎や安倍晋三やトランプなどの政治家を扱った作品も存在する。政治家は従来より風刺漫画ジャンルとしても商業、同人問わず創作が活発であり、その中でも容姿や外交上のイチャイチャアピールの逸話などファンのお眼鏡にかなったカップリングが選抜されることもある。公人中の公人であるせいか界隈的に面倒なファンがいないせいかこの界隈においては珍しく面倒なお気持ちヤクザも現れず、おおっぴらに楽しまれている感がある(関連記事のトラ安倍や安倍トラ参照)。なお、日本やアメリカなどにおいては曲がりなりにも自由と民主主義の機能する社会だからこそであり、中国や北朝鮮やロシアなどで習近平受けや金正恩受けやましてやプーチン受けなどを該当国のネットに投稿しようものなら一発アウトどころか命の保証はないものと思われる。一応なりとも表現の自由が機能する国に生まれた幸運をかみしめ、萎縮せず創作の自由を謳歌すべきである。逆に言うと個人の自由が抑圧されていった結果があれらの国々である。他人の表現活動を抑圧するとき、あれら表現の自由のない国に、pixivもネットも創作活動も制限される国に「果たして自分は住めるのだろうか?」を念頭に置き、それでも他人の自由な創作活動に一言物申したいとの結論に達したら迷わず中国/ロシア/北朝鮮などの自由が制限される国へ移住されることをお勧めする。何しろあちらの国ではいかがわしいものは国権によりことごとく規制されるためそういういかがわしいものを目にしたくない方々にとっては天国のような場所である。
ニコニコ動画やYoutube等の動画配信サイトの隆盛により、それらの投稿者または配信者をネタにしたナマモノが作られるという潮流も起きている。(後述;「我々だナマモノ」等)
派生としてアバターを使いリアルの姿を晒さず活動するバーチャルYoutuberの隆盛によって、それらを題材とした創作も行われるようになった。
最初期は動画投稿という流れ上キャラクターのロールプレイの様な路線が多かったが、ライブ配信が普遍化するとともにキャラの演技ではなく中の人のリアクションやプライバシーを売りにした形態が増えており、彼ら・彼女らの言動を題材にしている創作をナマモノの一種と考える人もいる。
「我々だナマモノ」
ニコニコ動画などにおける「実況」などの顔を出さないジャンルにおいても同様で、「我々だナマモノ」のように実況配信者から認められている活動もある。「〇〇の主役は我々だ!」では独自のガイドラインを設けてファンによるメンバー立ち絵アバターを使った二次創作など「あらゆる創作表現を歓迎」するとしている。(立ち絵アバターには別途著作者が存在するため、本人たちの生身の姿を元にした創作ではない以上、この場合はオリジナルではなく二次創作扱いとなる。)pixivでも数万点の二次創作投稿がなされている人気コンテンツであり、そのガイドラインも、
「ハーケンクロイツ(鉤十字)の使用禁止」
のみと言う簡潔明瞭なざっくりとしたものであり、当人たちにとって何が最大のタブーかは外野の忖度の想定外であるといういい一例である。
そもそも人気商売の宣伝戦略として捉えるならファンによる自由な創作活動は労せずして宣伝も兼ねる一面もあり内容に関わらず本人たちにとって歓迎すべきファン活動だとする考え方も存在するのが一般的でもある。
参考リンク:ブロマガの主役は我々だ!外部リンク
J禁
いわゆる「ジャニーズ事務所関係者閲覧禁止・購入禁止」の意味である。芸能界でも特に権利関係に厳しいとされジャニーズ関連の本はジャニーズ事務所に「見つかってはいけない」と半ば都市伝説のような噂とともにタブーとされてきた。
同人やネット関連の過剰なお気持ちや萎縮の大元もこれらジャニーズ同人界隈の悪習によるところが大きい。だが2023年春にイギリス・BBC放送局の報道によりそれまで日本社会において公然の秘密とされていたジャニーズ事務所(2023年スマイルアップに改名)の故・ジャニー喜多川による半世紀以上に及ぶ数千件の(おそらく世界最大の)未成年への性加害の実態が世界中に配信・報道され長い間見て見ないふりを貫いてきた日本の芸能界及び日本社会にも激震を与えた。要するにある意味において「捏造」などではなく、ジャニーズ事務所にとって「不都合な事実」なので忖度し地下に潜っての活動を余儀なくされていたわけである。80年代からジャニー喜多川の乱行は世間的にも有名であり、関連書籍も複数発行されており、雑誌でそれら性加害を報道した文春ともジャニー喜多川の存命中に裁判になっている。ジャニー喜多川の性犯罪を知らずに同人活動をすることはほぼ不可能であるため、捏造だから隠れて活動というのはジャニーズ関連には当てはまらない。決して彼女らが悪いわけではないが、ジャニーズ事務所に忖度し隠れての同人活動や周囲への同調圧力により外部に問題を持ち出させないDV的構造に寄与し結果的に世界最大の性犯罪の助長につながった一面もある。
これらの芸能事務所などの意向を忖度し地下活動に徹することは無用であり、周囲に忖度を強いたり地下活動を奨励するのではなく、隠れることの悪しき前例の教訓とされるべきである。
当時の証言/「JUNE」元編集長・佐川俊彦氏
当時の状況を伝える貴重な証言であり上記リンク先インタビュー記事より原文ママで下記に一部引用。
――そうだったんですか。『JUNE』には『本の雑誌』、『本の雑誌』にはマンガ情報誌『だっくす』(後の『ぱふ』)の広告が載るなど、当時のサブカルチャー雑誌、リトルマガジンは互いに広告を載せあっていました。そういえば『JUNE』の裏表紙にはデヴィッド・ボウイ、ジャパン(イギリスのバンド)などロックの広告が掲載されていましたね。
佐川:雑誌の中ほどに入れる広告は通販などでしたけど、裏表紙にはオシャレなものが欲しかったからレコード会社や映画会社に頼んだんです。読者への情報にもなるし。初期は、カラー広告を載せさせてもらうだけでありがたい感じでしたけど、こういう雑誌が売れるとわかってからは、お金を出すから掲載してくれというところが出てきました。
――『JUNE』的なものへの認知が広がっていくと、反発もあったでしょう。
佐川:それはしょうがない。ある意味正しいというか。実際にはそうではないミュージシャン同士をカップリングしたり、マネージャーとできているとか、妄想を楽しむのは失礼でしょうし、女性にも嫌う人たちがいた。嫌われる理由の1つとして、絵を描ける人がマンガをファンクラブに送ったりするとミュージシャンがとりあげてくれたりして、「横入りするのは卑怯だ」と感じる人もいたようです。
その種のマンガ系の人たちは、実物を好きなリアル系の人たちから若干煙たがられていた。ただ、タレントは虚像を生きるというか、虚像を提供するものでしょう。だから、アイドルはファンのために独身のまま、なかなか結婚しないで歳を重ねたりする。それも不健全だと思いますけど。
――ライバル誌で後発の『ALLAN』は国内ミュージシャンを題材にした妄想小説を掲載して事務所から出禁をくらい、『JUNE』もとばっちりで出禁になったとか。
佐川:その意味で『ALLAN』の方が読者の要望に応えていたのかもしれません。
――比較すると『JUNE』の方は、全体的に欧米寄りのイメージでした。海外作家を装い、その翻訳という体裁で書いたものなど、複数の変名も用いつつ『JUNE』に小説を書いた中島梓の初期作品『真夜中の天使』などは、もともとは沢田研二、藤竜也出演の『悪魔のようなあいつ』から発想され、同ドラマから離れた内容に発展したものでした。でも、『JUNE』は国内ものに近づかなかった。そこらへんは意識していたんですか。
佐川:『JUNE』のようなマニアックな雑誌でメジャーなものをとりあげる必要がなかったんです。例えば、ジャニーズの映画の掲載を拒否されても、ほかの媒体が普通にやっているし、こちらはお金もないしメジャーがやらないものをやろうと思いました。映画のスチール写真はどこでもメインに使うものは決まっているんですけど、当時はアルバムから選べたので、僕は男性が美しく映った写真を必死に探したんです。でも、だんだん権利関係が厳しくなり自由に選べなくなったので、僕はいい時期に仕事したと思います。
ーー以上引用終わり。
上記インタビュー記事の引用からもわかるように絵や漫画を描けるファンが作品を通じて当人たちに取り上げられることを抜け駆け、卑怯と捉える他のファンの存在がある。これらはアニメの二次創作など他の創作活動には見られない傾向である。引用にもあるように雑誌が事務所から出禁や掲載情報不可になっても(ジャニーズの場合はジャニー喜多川の未成年強姦の件があるためヤブヘビを恐れての措置だろう)法的には問題とはなっておらず作品発表への異常な忌避感への背景にあるのはファン同士のいざこざであり、「嫉妬」であることがこの証言からもわかる。
現代においてもファンの中にも同人的なファン活動に嫌悪感を抱く層が一定数いることは周知の事実である。一見それらは創作における性愛表現の有無や合法かどうかや本人のお気持ちを問題にしているように見えるが本当の理由は上記のようなジェラシーやコンプレックスが原因である。
またこれらは女性向けのみに見られる現象であり、「同担拒否」「地雷」「対抗カプ」「お気持ち表明」などともならび、なぜか男性向けには見られない傾向であることも特筆したい。
不思議なことになぜか女性向けだけが同じ女性から配慮しろと迫られる現状は不合理でありジェンダー的観点からも女性から女性に向けた一種の差別である。
また昭和の時代ならいざ知らず、令和にもなって同性愛表現であることを理由に否定することもSDGsやLGBTQやジェンダーフリーへの理解が求められる世の中にそぐわなくなっておりアップデートが求められる。同人的に描かれる同性愛は創作物であり実際の同性愛とは別物ではあるが同性愛はダメだが異性愛なら良いという考えはナンセンスであり、広く同性愛などへの理解が進んだ現代において遅れた考え方である。
このように主観的な道徳心を理由に他者を糾弾しながら自らの道徳心は二の次というのは身勝手な行為であるので心当たりのある御仁には是非我が身を振り返っていただきたい次第である。
声優/アニメ「名探偵コナン」の配役
いわゆる「やおい」草創期に勃興し、カップリング事始め的存在のアニメ「機動戦士ガンダム」の特定のキャラクターと声優を連想させる人物名で当て書きされたキャラクター同士による二次創作も盛んだ。これらは同時に中の人(声優)ありきのキャラクターであるため同一性が高く、アニメ二次創作でありながら一種の実在声優の創作作品とも言える。アニメにおいて「声」のウェイトは大きく、キャラ=声優のファンである場合も多い。中にはファンサービスという名目で役柄から離れた場所で役になりきる者もいるため混同による不幸なミスマッチも起きがちであるので注意が必要である。
半ナマ(hnnm)
テレビドラマなど実写作品を題材にした二次創作は「半ナマ」という呼称もある(上述のヒモノ・カワキモノとは無関係)が、これは(実在の俳優が演じる)「架空の人物」を素材にしているので、「ドラマ同人」などと呼ばれ、基本的にはナマモノには含まれない。半ナマ自体隠語であるが隠語の隠語として「hnnm」とアルファベット表記される。
創作する上での注意
他人の撮影した写真の模写には「創作性」がないため「創作」に当たらない(あえて言うなら創作ではなく「制作」である。)。
写真模写は厳密には著作権侵害にあたるが多くのファン活動としての二次創作と同様に「ファン活動」としてならネットや雑誌などに投稿することは多少のお目こぼしされている現状があり、悪質なものでなければある程度は容認されている空気がある。また、発表を目的とせず習作としての模写だけなら問題はない。
デフォルメイラストであってもグッズ作成は公式の競合と判断されるためお勧めできない。が、これは多くの二次創作もグッズ作成は同様に公式の競合商品となりうるため実在創作のグッズのみがダメであるというわけではない。
また、大切なことなので重ねて解説するが、表現の自由は個々人に保障された権利であり、民主主義国家の根幹を成す重要な国民の権利である。著名人などの他者のお気持ちを勝手に忖度し、当事者以外の外野が個人的なお気持ち表明によって著名人の威光を勝手に利用し本人に迷惑をかけることのないよう、個人個人が気をつけることが大切である。
芸能人含む著名人等は社会的責任を伴う「公人」であるため「私人」の権利と違って例外的扱いとなる。なお、巷間よく言われる「肖像権」は外国の法概念であるため、日本の法律上存在しない。しかも写真に限定した権利でありイラストなどのデフォルメされた絵には適用されない。(下記リンク先参照)私人の私生活に踏み入ることは論外であるが芸能人などの公人の私生活はファンからの希求度も高いことから週刊誌報道などでも従来から日常的に取り扱われているネタであり問題とされることは少ない。私生活部分に規制があると結婚や浮気、不倫、犯罪の報道など事実の報道に支障が出る。これは公人のプライバシーが過剰に保護されると、多くの政治家やジャニー喜多川による不特定多数の未成年強姦などの犯罪や不正を見逃すことにつながり危険である。これは民主主義社会を守るため言論の自由や表現の自由を確保する観点からも重要でありこれらに規制をかけることは重要な犯罪の見逃しや民主主義の崩壊につながることになるため、注意が必要である。
また、下記アドビサイトの専門家弁護士の見解によると写真と見紛うレベルの写実的表現は問題となるがほとんど全てのイラストや漫画の場合はデフォルメされており本人と同一であると法的に断定することは不可能でありプライバシー侵害や名誉棄損にも当たらない。これら似顔絵などのデフォルメされた画像はグッズ作成以外では規制対象とはなりえない。単に目鼻だちや髪型などが似てるキャラクターは無数に存在するため単純に似てる程度では著作権違反にも名誉毀損にもプライバシーの侵害にもならない。
例としてテレビのワイドショーやものまね番組や報道などで番組内容に合致した適当な写真が用意できない場合に芸能人などの似顔絵が使われる場合がある。プロによる似顔絵で一目で本人とわかる似てるレベルのものでも写実ではなくデフォルメされた似顔絵であるため合法であり著作権は似顔絵を描いた本人に帰属する。
なお、小説であっても虚構である上にそもそも画像もなく、名前が同じなだけの人物も複数存在するため立証困難である。
そもそも多くの作品は「フィクション(虚構)」として発表されている大前提があり、事実の告発などの意図がない限り「事実」と誤解されることもないため名誉毀損の成立要件である以下の、
「公然」
「事実を摘示」
「人の社会的評価を低下」
の3点をクリアせず名誉毀損罪は成立しない。ネット上で巷間言われる「芸能人などの創作を描くと名誉毀損になり危険」という言説は全てデマであり、風評被害である。
また、上記三点をクリアしても公人の場合はそれに犯罪の告発など公共性があれば問題とされない。
例えば「ジャニーズ事務所のジャニー喜多川はジャニーズジュニアと呼ばれる事務所の子飼いの未成年を複数強姦している。」とネットや週刊誌などで報道すると上記三要件を満たしてはいても公人であり、真実性、公共性が認められれば該当しない。そもそも犯罪の告発自体には十二分に公共性がある。
週刊誌報道などで芸能人の私生活の暴露がある程度許されているのは「公共性」があるからであり、ファンや多くの人がその事実に興味、関心があるためである。
なお、これらはあくまで真実であるとして報道や公開され公共性が認められた場合である。そもそも「フィクション(虚構)」である大前提の大多数の同人活動には適用されず関係ない。
それでも昨品発表に不安な場合はキャプションなどに、
「なんでも許せる人向け」(対お気持ち地雷自粛ヤクザ用)
「この作品はフィクションであり、実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。」
という鉄壁の護符をつけて投稿するといいだろう。
専門家による監修付き参考リンク:アドビ公式サイト外部リンク
各投稿サイト、同人イベントでの見解
・pixiv
実在人物の創作作品の投稿は規約上問題なく認められており禁止されていない。自由に創作されたし。
ただし、小説における実在人物を題材にした作品は運営側の恣意的な規約変更によりオリジナルから排除されているが一般的にはイラストや漫画同様にオリジナル扱いである。
が、前述のように二次創作にも該当しないためイラストや漫画がオリジナルとなっていることからも変則的なダブスタ運用となっている。
pixiv内では一次創作以外の投稿を禁止しているピクシブ文芸へ該当作品を投稿するのは問題なかったはずである。
(人気の二次創作の場合、小説デイリーランキング上位入りが容易、仮にランキング入りした際への対応が遅い、それが影響して二次創作小説が数日~1週間はランキング入りする為である。こちらに関しては、実際にランクインした事例も報告されている。それに加えて、ピクシブ文芸ではデイリーランクインしてもメール連絡がある訳ではないので、投稿者がミスに気づかない場合が多いのに加え、ジャンルタグ以外は作品を閲覧しないと見る事が出来ないと言う致命的な弱点がある。ピクシブ文芸は2021年3月にサービス終了をした。)
ピクシブ文芸への二次創作誤爆等が相次いだ結果、『小説の表現内容について』(ガイドライン下の部分)が11月15日に追加された。そこには実在する人物(芸能人、配信者等)を題材とした作品をオリジナルタグを付けての投稿は不可であり、ジャンルの設定解除も行う事が明記されている。なお、これは小説に限ったイレギュラーな運営側の対応であり、イラストや漫画においては従来通り現在もガイドライン上でもれっきとしたオリジナル作品扱いとなっている。本来実在人物の創作は一次創作のオリジナル扱いであるためガイドライン上でも「表現内容の変更対象となる事例」と持ってまわった言い回しとなっておりさすがに二次創作でないものを二次創作であるとすることに躊躇いがあったようであり運営側の苦慮の跡が見られる。
これらピクシブ運営のダブスタ的な規約変更も小説を投稿するユーザーに「実在人物の創作は二次創作である」とする誤解を植え付けた要因の一つとみられ、「実在創作は危険」と主張するユーザーに小説書きが多い遠因であるとも思われる。
・ニコニコ静画
似顔絵の投稿はファンアート(二次創作)部門ではなくオリジナルと同じ創作部門に存在し投稿可能。創作ランキングも対象となる。
配信者や生主などの似顔絵や立ち絵の二次創作なども盛んであることから全体的に実在人物の創作を忌避する傾向はなく、むしろファン活動として歓迎される傾向にある。
また、政治家はもとより公人中の公人である皇族を扱った作品も存在する。実在人物創作とボーダーレスな歴史創作ジャンルにおいては天皇家は歴史ど真ん中であり、よく題材となるので歴史的視点で見れば別段タブーなことではない。
・コミティア
従来より歴史や芸能、評論、RPSなどの参加が可能となっている。
・J・GARDEN
コミティア同様に実在人物の創作は一次創作扱いとなっている。
・コミックマーケット
同人誌即売会を創始した草分け的イベントであり、他創作イベントと違って独特の厳格なジャンル区分が存在するイベントである。そのため、他イベントと違い申し込みジャンルを間違えると問答無用で申し込み不備で落選となるため注意が必要である。芸能やスポーツだけでなく歴史、評論、デジタル、創作などの雑多なジャンルに実在人物の創作とおぼしきサークルが確認できる。声優関連は芸能ではなくアニメジャンルとなっている。落語家は芸能かと思いきや、評論ジャンルにもサークルが確認出来る。
・コミックシティなど他同人誌即売会系イベント
特定ジャンルに限定されたオンリーイベントでない限り一次創作、オールジャンル系イベント全般において実在人物作品が排除されたという事例は聞かれない。自由に参加されたし。
許諾外の二次創作の投稿を禁止しており、歴史上の人物については第二次世界大戦(大戦中含む)を題材とした作品を投稿可能だが存命の著名人を題材にした作品の投稿を禁止している。本来二次創作ではなく一次創作に当たるため運営側のイレギュラーな対応であり対象作品の排除ありきの苦肉の策と言える。これに関連して三億円事件を題材にした作品があったのだが、現在は削除されている(書籍化が理由という説が有力)。
ただし、現在存命中の人物を題材とするのは禁止であるが二次創作ではなく一次創作である以上、恣意的な変則的運用であり該当作品排除目的での運用である。当該サイトも影響力の大きいサイトであり、「実在人物は二次創作であり危険」「ナマモノは危険」と間違った主張をする人にはなぜか小説書きの人が多い傾向がある原因の一つと考えられる。pixivのオリジナルタグから実在人物の小説のみを除外するとした排除目的のガイドラインと同様に誤解を与える規約であり、これらも「ナマモノは二次創作である」とするデマの流布に影響を与えたとみられる。
(参考リンク:二次創作の投稿に関して(小説家になろう))
・カクヨム
ナマモノの投稿禁止を明言しているような規約はない。
いかなる作品であってもナマモノに該当する作品は禁止されている。
(当人の合意を得ているか、萌化・声優ネタなど肖像権などを侵害しないものはともかく)存命中、または最近亡くなられた人物を題材にした創作物は禁止されている。
ナマモノに当たる創作物は禁止されている。
現在存命中の実在の人物を扱った創作物は取り扱いがなされない。参考まとめ、アーカイブ)。
ナマモノ同人誌の取り扱いはなされないとされているが評論ジャンルや声優ジャンルに声優本やユーチューバー本、作家に関する対談本などの取り扱いがみられる。
ナマモノ同人誌は禁止対象ではなく普通に取り扱われている。自由に委託されたし。
AV女優を題材とした実写ソーシャルゲームがいくつかサービスされている。公式が性的表現を含むナマモノを作っている例外的事例と言えるだろう。しかし、メーカーによっては出演NG(最初から登場しない)だったり、時期によってガチャ排出がなくなるケース(出演女優の契約終了等)もある。
Pixivに見るナマモノ活動
規約により特に禁止されていない。自由に作品発表されたし。
しかし何度も言うが、表現の自由は日本国民に保障された重要な権利であるため当人の威光を笠に着たお気持ち繊細ヤクザへの配慮は無用である。創作活動に関係のない部外者が当人のお気持ちを勝手に代弁して当人に迷惑をかけることのないようにされたし。またpixivのようなSNSで目に入る作品は全て自己責任であり見たくないファンは自己責任で自衛すべき話である。自分からR-18タグを覗いておきながら「いかがわしいものを見せられた!ファンに無理やりこんなものを見せるな!」というのは本末転倒なお気持ちヤクザ行為である。そういう人はネットは向いていないので他人に配慮を求めるのではなく今すぐネットをやめて自衛のため安全圏に引きこもって自宅警備員にでもなることをお勧めする。
表記ゆれ
関連タグ
※1について
生鮮食品 食べ物 食材 食品 魚 生魚 肉 生肉 野菜 生野菜 果物
※5について