「偉大なるグリオン様……生と死を司る天使である私に相応しい使命をお与え下さい」
「家族の団欒を奪う無礼をお許し下さい。偉大なるグリオン様が与えてくださった慈悲の時間も、儚く終わるのです」(第20話)
データ
身長:246.9cm
体重:100.9kg
特色/力:魂体蘇生力/棒術
概要
『仮面ライダーガッチャード』第20話から登場。
オカルトケミー「エンジェリード」と〈悪意人形〉が結合して誕生したマルガム。
素体の胸部分には両腕を広げて項垂れる青い天使の人形が拘束されており、それを抱える左手はボウアンドスクレープ(執事などがよくやるあの仕草)を、人形自体の配置はさながら磔刑にされたキリストを思わせる。
人形はトーガのような白い布を羽織り、冒涜するかのように顔の左側がひび割れているのが特徴。また、折られた両翼は右が頭部、左が左腕の役割を果たしている(あとトーガと左腕も拘束バンドが巻き付いている)。
よく見ると右翼に包まれた頭部には裏側にあるであろう顔の影が浮き出ている。視覚は人形の方が担っている模様。
自らを「天使」と称し、創造主であるグリオンを神のように崇めている等、これまでの個体より忠誠心が高い。
禍々しいフォルムに反して神父を思わせる丁寧な言葉遣いだが、マルガムには変わりないので内面はドス黒い悪意に満ち満ちており、相手を痛めつける際には狂喜的な笑い声をあげ、自身がもたらす心身の苦痛に悶える姿にも愉悦を抱く極めて悪辣な性格。
能力
薙刀状の武器「フォールンハルバード」による棒術に優れており、接近戦を得意とする他、天使の羽根を無数に発射して攻撃する能力を持つ。
また、取り込んだエンジェリードの能力により、既に死亡した者に仮初めの命を与える魂体蘇生力なる芸当も可能。記憶・人格等は生前の状態で維持しており、復活させるのは何度でも行使できるが、所詮は紛い物に過ぎないと言わんばかりに特殊技能は失われ、また"死ぬ"とただの土くれになる。
ちなみにこの手の能力の使い手には珍しく、蘇らせた相手を操ることはできないらしい。
活躍
アトロポスが捕獲したエンジェリードと、グリオンが悪意人形と錬成して誕生。
「生と死」を司る能力に目をつけ、十年前に起こした惨劇の中で興味深い片鱗を見せた少年をふと思い出したグリオンの指示で、黒鋼スパナの両親を一時的に蘇生させた。
スパナが家族の団欒を楽しむ中、それを奪う自身の罪深さをわざとらしく懺悔しながら襲撃。
単身で挑みかかるスパナを圧倒し、絶望を味合わせるべく痛め付けていたが、直前にスパナから送られたメールからグリオンの策略に勘づいた鏡花に頼まれた宝太郎とりんねの変身するファイヤーガッチャードとマジェードと交戦。
しかし、二人の奮闘空しくグリオンの実験は成功し、過去に消された記憶を思い出し、最愛の肉親を2度も失う悲劇に見舞われたスパナは、悪意に飲まれてウィールマルガムへ変貌してしまう。
暴走する彼の圧倒的な戦闘力で追い詰められるも、"神"であるグリオンの役に立てたことに喜びを露にしていた。
「はははっ!哀れな罪人(つみびと)よ、懺悔の時間を差し上げましょう」
苦しみ悶える姿を見てそう嘯くと撤退。
その後は悪意に飲まれたスパナを捕えるべく鏡花の実験室を襲撃するも、再びガッチャード達と対峙。乱入してきたスパナの変異するウィールマルガムの憎しみを更に増幅させるべく、再び彼の両親を蘇生させて揺さぶりをかけ、迂闊に攻撃できないの良いことに一方的にいたぶる。
「もっとその憎しみを大きくしてあげましょう!私は死者を何度でも復活させる事ができます。死の痛みも、苦しみも、何度でもです……!」
宝太郎「お前は天使じゃない……悪魔だ!!」
だが、スパナの姿に心を痛めた二人は錬成した巨大な刺を自らに突き刺すことで仮初めの"命"を断ち、元の土塊に戻った。
死者である彼らが錬金術を使えたこと、蘇生能力が機能しなくなった事実に驚いたエンジェルマルガムは一時撤退。グリオンに報告し、今度はミナトからの提案で、鏡花を殺害しスパナの悪意の心を増幅させようと企てる。
そして、鏡花達がスパナ専用のドライバーを完成させたタイミングで冥黒の三姉妹を引き連れて実験室を襲撃。
ファイヤーガッチャードとマジェードを苦しめるも、自らの復讐心を乗り越えたスパナがヴァルバラドライバーを引っ提げ、仮面ライダーヴァルバラドと交戦することに。(初登場補正込みの)圧倒的な戦闘力に手も足も出ず、羽根の弾幕すらもオロチショベルカスタムのカスタムアップによって弾き落とされてから拘束されると、最期には必殺技「ヴァルバラドクラッシュ」を叩きつけられて撃破された。解放されたエンジェリードも、お礼とばかりに両親の幻影を作り出した。
ザ・フューチャー・デイブレイク
冥黒のデスマスクの一人・ヘルクレイトが変貌する別個体が登場。こちらはレプリエンジェリードを使用している。
現代で仮面ライダーヴァルバラド、仮面ライダーレジェンドと交戦する模様。
余談
- 悪意人形とケミーの声が異なっているが、これはこいつの素体になった人形が「お兄様」と呼ばれる個体である事が由来と思われる(後に女性個体の悪意人形素体のマルガムが登場した為、その可能性が高い)。
- エンジェリード役の福圓美里はホッパー1役を担当しており、後の展開を考えると福圓が演じるマルガムを出すのはまだ早いという事情もあると思われる。
- また、本編においては(グリオンの策略のためとはいえ)徹底的にスパナの尊厳を踏み躙ったエンジェルマルガムだが、その行為は地味にエンジェリードに対する尊厳破壊にもなっている。
- エンジェリードの説明文には「迷える者を導くマジの天使!」とあるのだが、エンジェルマルガムが迷えるスパナを導いた先は深い絶望のどん底。しかしこれが切っ掛けでスパナは大きく成長する事となった。
- CVを担当した勝は『ビルドNEW WORLD』にてキルバス/仮面ライダーキルバスのCVを担当しており、本作が6年ぶりの出演となる。
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