「一人残らず叩き潰してやる!!」
演:藤林泰也
概要
『劇場版仮面ライダーガッチャードザ・フューチャー・デイブレイク』に登場する幹部・冥黒のデスマスクの一人。
普段は赤い仮面とフードを身に付けているが、それを外した際の素顔は黒鋼スパナと瓜二つで左頬に切り傷がある。服装もスパナそのままだが現代のスパナが仮面ライダーに覚醒した際外す様になったネクタイがあり、アルケミストリングを付けていないなどの違いがある。
クールな表情をしているが自分に絶対的な自信を持ったナルシストでもある一方で、邪魔する敵対者に対しては口汚く感情的に罵るといった怒りに任せた言動をとるなどプライドの高さに加えて好戦的かつ暴力的な本性が窺える。
本物のスパナは枝見鏡花から「感情に心乱されない」力と美学をチェスを通して教わったが、ヘルクレイトはそんな事は知った事かと言わんばかりの激情家で正に本物と似ても似つかない偽物に相応しいと言えよう。
錬金術の使い手でもあり、劇中では三つの赤い風船を即効性の風船爆弾に変えて操る芸当を見せている。
またレプリケミーカードを使うことでエンジェルマルガムに変貌する能力を持ち、現代でスパナと鳳桜・カグヤ・クォーツ、錬金アカデミーと激突する。
動向(ネタバレ注意)
宝太郎たちがいる現代へ侵攻するドレットルーパー軍式軍団の指揮官として登場。宝太郎の実力を目の当たりにし、錬金術で持っていた風船を風船爆弾へと錬成させガッチャーブラザーズ(スチームホッパー、ゴルドメカニッカー)を強制解除させた。
彼らと助太刀に来たスパナの前で素顔を晒し、自らの素性を晒すとエンジェルマルガムに変異して仮面ライダーヴァルバラドと交戦。当初は余裕の態度で応戦していたが、その際に頬を傷つけられてしまい、兵隊も全滅したことで負け惜しみを叫びながら撤退した(上述の傷はこの時のもの)
本拠地に戻っても未だ腹の虫が収まらず、その怒りを抱えたままドレットルーパーたちを引き連れて現代に再度侵攻。
しかし、ケミーと協力して対抗する錆丸、蓮華、スパナたちを見て更に腹が立ち、再び戦闘に突入。最初はドレットルーパーとの連携で追い詰めるが彼らの奮闘や予期せぬ助太刀によって徐々に形勢が傾き始め、怒りに任せて枝見鏡花を攻撃しようとしたがヴァルバラドに阻まれてしまう。
そのままヴァルバラッシャーにユーフォーエックスを装填した「オカルトヴァルバラバースト」で軍式の軍団共々ワームホールに押し込まれ、デイブレイク世界に強制送還されて豪快にぶっ飛びながら爆散。
土塊へと還り、デスマスクの最後の退場者となった。
余談
変貌するマルガムの所業と瓜二つの顔をしているスパナの過去を考慮すると、あまりにも笑えないジョークであろう。
劇中でも、スパナに対して両親の蘇生を仄めかす発言をしており、スパナから即座に「ふざけるな!」と怒りを込めて返答されている。恐らくではあるが、ラキネイレスの例を考えると肉体はデイブレイク世界におけるスパナ(もしくは遺体をモデルに作成したホムンクルス)であり、それをグリオンが再利用したと考えられる。
また、服装からもデイブレイク世界のスパナは仮面ライダーの力を身につける事もなく死亡したと思われる。
ちなみに、対面シーンは藤林氏が一人二役である都合上、スパナの一部(主にアクション)シーンをヴァルバラドのスーツアクターである中田裕士氏が代演している。
田崎竜太監督からは「王道のヴィランを演じてほしい」というオーダーだったが藤林氏はもう一つ味を付け足したいとして監督と相談して最初の仮面を外すとき少しナルシストっぽい雰囲気を足している。仮面ライダーヴァルバラドとの対決もスパナとヘルクレイトの一人二役で演じてるため大変だったようである。
名前の由来は恐らく、火を万物の根源であると考えていた古代ギリシャの哲学者「ヘラクレイトス」と思われる。
なお、ヘラクレイトスの名前の由来はギリシャ神話の英雄ヘラクレスであるが、ヘラクレスのラテン語読みは「ヘルクレス」となる為、ヘルクレスという名称もそれを意識した可能性が考えられる。