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遠山光の漫画作品。


本来の表記においては『♂ティンクル2♀アイドル☆スター』(表記における「2」の部分は累乗表記)なのだが、pixivタグにおいては使用できない表記なので、代替として本記事にあるタグ表記を用いている(Wikipediaなどでも同様)。また、このように記号や特殊な表記を用いる作品名なので表記揺れもとても多い作品でもある。



概要編集

少年サンデー1991年1993年まで連載された作品。


アイドル志願の少女、姫乃樹まりもと、その幼馴染少年である藤村あゆみの2人が美少女アイドルユニット「ティンクル(Twinkle)」となって芸能界を駆け抜けるドタバタ人情サクセスコメディ。


作者の遠山は少年マガジンにおいて、お色気系作品の執筆者として名を馳せていた(特にお色気を読者層にアピールするためのギミック的な使い方をしていた)が、本作においては、その手の描写には「ストーリー上において、そうなる必然」がきちんと描写されており、以前の作品(『おてやわらかにぴんく!!』『胸キュン刑事』など)と比した場合においては、お色気をギミック的に使用するような事をあまりしておらず、むしろ、お色気がお色気と気付けないほどに真面目なストーリーテリングを実践し、遠山作品の作品歴に新境地を開いた。


少年サンデー歴代作品(下手すれば少年漫画全体)において、おそらくは初めて男の子の主人公が常態的に女装をする事を全面的に打ち出した作品である。

(念を押しておくが、同時期作品である『らんま1/2』の早乙女乱馬女らんまは、女装ではなく性転換に近い)


あらすじ編集

芸能人が多く通うことで有名な「越堀学園」に通う男子高校生「藤村あゆみ」と女子高校生「姫乃樹まりも」の2人は、幼い頃から一心同体とも言えるほどの幼馴染同士。


まりもは年頃の少女らしくアイドルを夢見ていたが、そののめり込み方はハンパではなく、あゆみが越堀の普通科で勉学に励む側で、自らは芸能科に入り夢を目指して励んでいた。


そして、まりもはある日、女の子の友人を巻き込んで、オーディション番組の予選を勝ち抜き決勝の舞台へと至る切符を手に入れる。しかし決勝を目前として相方の女の子は尻込みして逃げ出してしまい、まりも一人が取り残される事に。窮地に陥ったまりもは、あゆみを呼び出し、女装して逃げた子の代役をして欲しいと、無茶なお願いをする。


まりもの頑張りを知っている上で、ゆえに彼女が困る姿を放っておけないあゆみは、渋々ながら悪戯心も手伝ってまりもの頼みに応じる。

「まさか、女装男子が相方をするようなユニットが、合格するはずはないだろう―――」

どうせ、すぐにバレる。そしてバレたら「冗談だった」と謝ってしまえばいい。そんな軽い気持ちでフラグを立ててしまったあゆみだったが、いざ舞台に立ってしまったら、なんと合格。契約希望のプロダクションも大手から零細まで8社が群がる事態に。その事態の大きさに絶句したあゆみは、自身が女装男子である事を打ち明ける機会を逃し、まりもとともに「女性デュオアイドル・ティンクル」としてデビューする羽目に陥った。


冗談じゃないと逃げ出そうとするあゆみだったが、まりもに泣き落され、やむなく彼女の夢につきあう事になる。


しかし好事魔多き芸能界、あゆみとまりもの周囲には、真面目に芸能に真摯に打ち込む人達もいれば、そんな人達や年若き少年少女達を「仕事の道具」「欲望の捌け口」として食いつぶさんとする汚い卑怯者達もいた。


あゆみは、まりもを守るため、女装姿と男子の体力を武器に芸能界の有象無象を相手に立ち向かっていく事になるのである。


登場人物編集

  • 藤村あゆみ
  • 姫乃樹まりも
    • 本作メインヒロイン。女性アイドルデュオ「ティンクル」の片割れ(レフトサイド)となる女子高生。あゆみを巻き込んで彼に女装をさせた全ての元凶でもある。越堀学園の芸能科に所属。泣き虫ではあるが芯は強く、優しい心根の持ち主。
    • よく言えば自分の夢に正直で真面目な少女だが、逆に言えば突撃突貫気質で考え無し。一度決めたらテコでも動かない頑固者。脅されても引くようなことは絶対にしないが、体力はないため腕力に訴えられたらひとたまりもない(その度あゆみに助けられる)。夢に対して「立ち止まる」「振り返る」などという事を欠片も考えず、ある意味ではとても自分勝手だがこれらのマイナス面において自身の自覚はまったく無い。(だから何度も同様の失敗を繰り返しては、あゆみに助けられる)
    • 元々が良い家柄のお嬢様であるため、他人への警戒心がとても弱い。人の善性を丸々信じて相手の言い分を鵜呑みにしてしまい、結果として危険に巻き込まれてしまうトラブルメーカーでもあり、そのたびにあゆみが苦慮する。(おおよそ「女性が嫌う女性キャラ」的なタイプ)
  • 木下藤吉
    • 芸能事務所「オフィスオアシス」の社員で、ティンクルのマネージャー。芸能事務所で働くには、いささか押しが弱く頼りないが、その分やわらかい物腰で人脈を作る事には長けている。年若いにもかかわらず、人気が出ても奢らないティンクルの2人を優しく見守り、時に自ら「自分はティンクルのマネージャーでいる事ができてよかった」と評するほど、ティンクルを評価し理解している(が、あゆみの正体はさすがに知らない)。
    • 中日ドラゴンズのファンで、親の代からという筋金入り。
  • 一色 遥
    • 「ティンクルの妹」としてデビューした後輩アイドルの中学生。実は元ヤンで、その履歴を隠してデビューしたため、のちに芸能誌にその事実をスッパ抜かれ窮地に追い込まれる。
    • 追い込まれた後に身動きが取れなくなりアイドルの道を諦めてヤンキーに戻ろうとしたが、その際に最後までティンクルが自分を庇い、雨の中でも客のために歌いきるプロ根性を見せ「どんな状況でもファンに笑顔を届けるアイドルの背中」を遥に示した事で、彼女の根性を再び奮い立たせた。
    • 復活後は「元ヤンアイドル」としてキャラ性を確立。アイドルとしての可愛い顔とヤンキーのケンカ腰を上手に使い分ける二面性アイドルとして人気を獲得。のちには越堀学園芸能科に入学し、学校でもティンクル2人の後輩(妹)となる。
  • 社長
    • 芸能事務所「オフィスオアシス」の社長。普段は掃除のおばちゃんに身をやつして社内の清掃をしている。園芸と盗聴が趣味。実は、あゆみの秘密を知っているが、二人の気持ちを慮ってあえてそれを秘している。

主な表記揺れ編集

上述したようにデジタル上(特にpixivのタグとして)においては正確な表記が不可能な作品であるため、表記揺れがとても多い。以下はよく見られる一例。

  • ティンクル2アイドルスター:♂♀☆などの各種記号を省いた表記
  • ティンクルアイドルスター:記号および階乗表記を省いた表記
  • ティンクルスター:さらに「アイドル」まで省いた略表記
  • ティンクル:もはや作名表記を諦め、主人公コンビがアイドルデュオとして用いる名義で代替したもの。

関連タグ編集

遠山光 少年サンデー


芸能界 アイドル 女装


星くずパラダイス克・亜樹):連載時期がかぶった、同じ雑誌の芸能もの。

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