あの子の髪がくせっ毛で……島のみんなが「いご草」とからかった
CV:貫井柚佳
概要
本名は「春見ちよ」。
月島軍曹の幼馴染みであり、彼と同じく新潟県佐渡島出身。髪の毛が「いご草(エゴノリ)」のようなくせっ毛だったことから、島の子供たちには「いご草」とからかわれていた。
作中では名前は明かされておらず、ファンブックにて本名が判明した(本編においても月島は彼女のことを「あの子」と呼んでいた)。
しばらく素顔が明かされなかったが、231話でかなりの美人であることが判明。なお、アニメ版では髪色が緑がかった色になっているが、これは難波日登志監督が「試行錯誤の末に海藻色になった」という裏話を語っている。
父親の素行の悪さから「人殺しの息子」「悪童」などと蔑まれていた月島に対して優しく接しており、唯一彼を「基ちゃん」と名前で呼ぶ。
月島が日清戦争から帰ってきた時には駆け落ちしようと約束していたが……。
彼女の行方と真実について
前述の通り相思相愛だった二人だが、月島の父が「息子は戦死した」という嘘を広めたことで、いご草ちゃんは海岸に履き物を残し行方不明となる。
これまでの怒りもあって月島は父親を殺害し死刑囚となるが、鶴見中尉の策略で「ロシアとの戦争に必要な人材」としてロシア語を猛勉強させられ、最終的に釈放される。
また、鶴見中尉はいご草ちゃんのことについて以下のように語った。
「いご草ちゃんの両親が、彼女を気に入った財閥幹部の息子へ嫁がせるために、月島の父親に金を渡してデマを広めさせ、彼女に月島を諦めさせた。いご草ちゃんの死は偽装であり、本人と両親は嫁ぎ先の東京にいる」(※)
だが、月島と同郷だと語る兵士は「月島の父の自宅床下からいご草ちゃんの遺体が見つかった」と鶴見中尉の発言とは全く違うことを述べる。
鶴見中尉は更なる事実として
「月島の死刑を回避するため、素行の悪い父親に婚約者を殺されたという虚偽を造り、軍部と島民に信じこませ父親殺しを正当化した」
と、同じ新潟県出身で信頼できる優秀な戦友の死刑を惜しんでの工作であったことを告げる。
度重なる事実に翻弄され、もはや真実を追求する気力を失っていた月島は、救われた命を鶴見中尉と死んでいった者たちのために使うことを決意。以降は鶴見中尉に加担し金塊争奪戦に身を置くことになった。
一方で、同郷だと語った兵士の不自然な言動や、月島の忠誠の意思に鶴見中尉がほくそ笑む姿も見られ、全ては月島を引き込むための策略だったのではないかという声もある。
ちなみに「いご草」とは佐渡での呼び方であり、新潟本土出身の鶴見中尉は彼女を呼ぶ時に「えご草」「えご草ちゃん」と言っている。
※……後に登場した面食いの財閥令嬢・金子花枝子の回では、花枝子が兄様と呼ぶ人は「(器量良しではあるものの)クリクリのくせっ毛の田舎娘」を選んだと語られている。その女性は後ろ姿のみの登場だが、もしも鶴見中尉が真実を話していたならば……?
登場回
第149話「いご草」 第150話「遺骨」 第210話「甘い嘘」 第231話「出産」
第276話「エビフライ」