概要
『ジョジョの奇妙な冒険』第6部「ストーンオーシャン」のJOJO、空条徐倫の「決意」を表した台詞。
第6部が海に囲われた石造りの刑務所、通称「水族館」からの脱出を主題としているため、作品テーマを端的に表現した台詞となっている。
また、この物語では第1部の「石仮面」に始まり、第2部の「エイジャの赤石」、スタンド使いを生み出す「隕石から造られた矢」と、石に関する奇妙な因縁がジョースター家に纏わりついていた。そして、第1部JOJOのジョナサン・ジョースターが一族の宿敵と海に沈み一幕が終焉したことも考えると、なんとも感慨深い台詞である。
顛末
グェスのスタンド「グーグー・ドールズ」の小さくする能力には、射程距離という致命的な弱点があった。グェスが徐倫から遠ざかれば遠ざかるほど、能力の効果は薄くなり、徐倫の肉体は大きくなる。鉄格子を越えられないほど大きくなって鉄格子の向こう側に取り残されれば、徐倫は看守に射殺されてしまう。
あわてて檻房に引き返そうとする。が、徐倫がグェスの命令を無視し裏切ったと判断したグーグー・ドールズは、徐倫に襲いかかる。なんとか避けつつ檻房への道を戻っていたが、足を切り裂かれ途中の壁と鉄の隙間に体を突っ込んだまま足を止めてしまう。その間もグェスは遠ざかっているのかどんどん体は大きくなるが、必死のあまりそのことを徐倫は失念してしまっていた。気がつけばその隙間からは出られないほど体は戻り、鉄柱に首が挟まってしまった。
ここぞとばかりにグーグー・ドールズが徐倫を殺そうと飛びかかるが…突如、グーグー・ドールズは何かに殴られたかのように吹っ飛んだ。もう一度飛びかかってくるが、またぶっ飛ばされた。
それは徐倫の「エネルギー」。糸のみだった像が集まり固まり「立体」に、人の形になった。その像の手でグーグー・ドールズを強く鷲掴みにした時、ボロボロになって血を流したグェスが現れた。命乞いするグェスに徐倫は体を「少し縮める」よう命令し、グェスは大人しく従った。
次に徐倫は語気を荒げ「ペンダント」を返すよう命じる。ペンダントを受け渡そうとした時、グェスの手からペンダントが落ちてしまう。徐倫がそちらへ気を取られたその瞬間、グェスは徐倫を突き飛ばし、ガンポイントを越えた鉄格子の向こう側へ追いやってしまう。
「 やったァァァァアーーーーッ 」
「 看守さんンンンンーーーーーーーーーッ 」
「 ちょっと来てくれッ!通路に怪しいヤツがいるぞッ! 」
「 ガンポイントを越えてるヤツがいるぞォォォォーッ」
それは「罠」だった。グェスの目論見通り看守が駆けつけ、鉄格子を越えた徐倫を確認。
「 999(脱獄) 発生ェェェェーーーーッ 」
と警報を鳴らしてしまう。鉄格子を越えたものは、問答無用で射殺されるルールだ。グェスは勝ち誇る。
「 ざまあみやがれェェェェーーッ 」
「 あたしの心をふみにじったからだあああああーーーーッ 」
直後、グェスの顔面には徐倫の「エネルギー」の拳が叩き込まれていた。彼女の「エネルギー」は糸の集合。鉄の網目はそのままに、腕を殴り抜けたのだ。
「 やれやれだわ… グェス 」
「 あんた 何にでも名前はあるって言ったわよね」
「 あたしも名前をつけるわ 」
「 「ストーン・フリー」 」
「 あたしは… この「石の海」から自由になる… 」