※『ジョジョの奇妙な冒険』Part6「ストーンオーシャン」終盤のネタバレ注意
概要
『ジョジョの奇妙な冒険』第6部「ストーンオーシャン」終盤における名シーン。
顛末
物語の黒幕エンリコ・プッチの能力が覚醒し、徐倫一行は絶体絶命のピンチを迎える。
ナルシソ・アナスイ、エルメェス・コステロ、空条承太郎と仲間が次々と倒されていく中、唯一攻撃を免れたエンポリオ・アルニーニョにトドメを刺そうとエンリコ・プッチが歩み寄る。絶望の中でエンポリオは拳銃の幽霊で応戦するも、加速する時の中に順応したプッチに銃弾は当たらない。
絶体絶命のエンポリオだったが、致命傷を免れた徐倫によって助けられ、加速する時の中でも泳ぎ続けるイルカに乗って難を逃がれる。
しかしプッチ神父はジョースターの血統を追って彼らを執念深く追いかけ続ける。イルカへ乗るように徐倫を呼ぶエンポリオへ徐倫は優しく語りかける。
「エンポリオ
あたしは行けない………
神父は あたしの中の
ジョースターの位置を感じとってるわ
どこへ逃げてもあたしも感じるし
ヤツも感じて追跡してくる
あたしがいたらあんたは逃れられない」
プッチの肉体は、ジョースターの肉体を得たDIOの骨との融合によってジョースターの肉体と化している。星の痣を持つ一族はその影響でお互いの位置が感知できる。それ故にどこまで徐倫が逃げたとしても、その位置をプッチは追い続けてしまう。
「あんたを逃がすのはアナスイであり……
エルメェスであり
あたしの父さん 空条承太郎……
生きのびるのよ
あんたは「希望」!!」
エンポリオは必死で徐倫を引き留めるが、徐倫は腕の糸を断ち切ると単身一人でプッチに立ち向かい…
「 来いッ! プッチ神父 」
「 ストーン・フリィィ─────ッ 」
だが、「時の加速」という強大な能力の下、凄まじい速度で移動するプッチの前には、健闘も虚しく赤い鮮血と砕け散るストーン・フリーが映るだけだった。
石の仮面の運命に囚われた『ジョジョ』の名を冠する誇り高き一族は、石の海からの自由を求めた偶像が未来へ希望を託し終焉を迎えた時、長きに渡るその血塗られた『奇妙な冒険』から解き放たれたのだった…。
そしてその強く気高く美しい黄金の精神は、決して砕けることなく受け継がれ、深い闇の中で輝きを放つ。