あらすじ
帰ってきたテストを見たのび太は、点数が100点であることに驚愕した。
先生に確認しに行ったところ、先生も目を疑い何度採点しなおしたが100点だったという。「よく頑張ったね」と褒められたのび太は、「やっと実力が現れた!」と気を大きくし、さっそく誰かに伝えようとする。
帰宅しているジャイアンとスネ夫の足元にテストを置いて拾い上げるのを待つが、二人は気づかずテストを踏みつけて通り過ぎて行った。それならばとのび太はわざとらしく表現することで気づいてもらおうとする。
「あっテストの答案が落ちてる、誰のだろう」という言葉にさすがの二人も振り返る。しかしのび太が「すごい100点だ」といったが、スネ夫は「少なくとものび太ではないな」と返され、「野比のび太と書いてある」といっても「じゃあ絶対に100点なんてことはない」と相手にされないどころか不信感を抱かれ、「名前か点数が間違ってるんだ」とそのまま帰られてしまった。
仕方なくしずかのところへ行き、「もしも僕が100点取ったと言ったら信じる?」と尋ねるが、「人間の値打ちはテストの点数だけで決まるもんじゃないわ。のび太さんは優しくて素直ないい人だわ。0点でもいいじゃない」と遠回しに「信じない」と言われ、「力を落とさないで。この次頑張ってね」と嬉しくないフォローをされた。
こうなったらママに見せようとするが、こんな時に朝から頭痛がするからと断られる始末。部屋に戻ろうとすると走ってきたドラえもんとぶつかり、彼に見せたところ「ああ、ついにカンニングしたか!」と言われ、我慢の限界を迎えたのび太は号泣する。
悪く思ったドラえもんは「物の弾みということもある」とフォローするが、のび太は「昼寝して0点取ってりゃいいんだよ!」とすっかりいじけ、ふて寝してしまった。
のび太を可哀想に思ったドラえもんは仕方なく「ピーアール」という道具を出す。この道具の放つ電波は上・中・並・特上の4種類があり、ドラえもんは特上電波を注文。のび太が100点を取ったことを周囲に知ってもらおうとする。
ピーアールは「人間はどんなニュースも簡単に信じてしまう」と言って、まずニュース番組の速報でのび太が100点を取ったことを報道させる。それを見たママは大喜びし、ドラえもんは後のことをピーアールに任せ、どら焼きの特売に向かう。
街ではジャイアン、しずか、スネ夫がこの話題で話をしていた。スネ夫は100点なら自分も取ったことがあるというが、ジャイアンに「お前が取ったってどうってことないんだよ」と言われ、しずかにも「のび太さんが取ったからニュースになるのよ」と返される。ピーアールは「偉い人にしゃべらせると効果がある」と電波を強くし、偉い学者先生に「コロンブスのアメリカ大陸発見」「アポロの月面着陸」と並ぶ偉業と褒め称えさせ、ママは泣きながら喜んだ。会社から早退したパパも泣いて喜び、ピーアールは電波を最大にし、テレビで特番が組まれしずか、ジャイアン、スネ夫のほかパパやママまでゲスト出演が決定。国会では今日この日を「のび太記念日」という祝日にするという話が出て、近所の人が門に国旗を掲げていた。
特売から帰ったドラえもんは大慌てでピーアールを停止。騒動は終結した。
これに懲りたのび太は答案を引き出しにしまおうとするが、それを見たママはまた0点の答案を隠そうとしていると疑い、「見せなさい!」と受け取る。
100点の答案を見たママは号泣し、「額縁に入れて飾りましょう」と大喜び。それにのび太は「恥ずかしいからやめて」と叫ぶが、ドラえもんはようやくのび太の頑張りが認められたその光景を微笑ましく見つめていた(ちなみにわさドラ版ではパパも喜んでいた)。