概要でも読んでひと息つくか
漫画版『孤独のグルメ』第15話「東京都内某所の深夜のコンビニ・フーズ」における、主人公井之頭五郎のセリフ。
深夜、近所のコンビニエンスストアに夜食の買い出しに出かけた五郎だったが、空腹のままにあれもこれも食べたいと考え、バランスなども考慮している間に、気が付くととても夜食とは思えない量の食料を購入してしまう。
自宅に戻って仕事机の上に買ってきたものを全て並べ、そのあまりの量に思わず五郎が発したひと言である。
ちなみに初出では「うわあ なんだか凄いな」であり、単行本化に際して「うわあ なんだか凄いことになっちゃったぞ」と改稿されてからよく知られるセリフとなった。
特に改変しなくても使い勝手のよい1コマであり、ネット上では食品に限らず様々な「多すぎ、盛りすぎ、やりすぎ」なものに対してこの1コマを添えて使われる。(例えば「超豪華なメンバーの揃ったスポーツチームや大会」「属性をあれもこれもと盛りすぎたキャラクター」「超巨大・武装過積載・火力過剰なロボット」等々。)
そうだ 原作の場面なんてどうだろう
深夜、自宅のデスクで仕事に追われる五郎。ふと時計に目をやると午前2時を回っていたが仕事が片付く気配はなく、徹夜を覚悟した五郎は夜食を摂ってひと息いれることにし、近所のコンビニ「キングス」へと向かう。
(モチーフは「サンクス」と思われ、ファンからは東京都三鷹市にかつて存在した「サンクス三鷹南口店」がモデルではないかと考察されている。)
夜食なのでガッツリ弁当という気分でもないが、カップラーメンやおにぎりでは物足りない。五郎は小さな惣菜のパックを何種類か選んでいくことにして手元に積み上げていくが、店内用のカゴがあるのに気づいて持ち替えると、あれもこれもとついついカゴに入れる食べ物が増えていってしまう。
やっとレジに向かうも、そこでもおでん鍋に気づいて思わず追加注文してしまうのであった。
そして帰宅後。改めて広げた買い物内容はデスクを埋め尽くすほどの量。「うわあ なんだか凄いことになっちゃったぞ」とつぶやき、ラジオを聴きながら、大量のおかずを平らげ始める五郎であった……。
食事内容 うんうんなかなかバランスいいぞ
重ねていうが以下の内容は深夜2時過ぎに食べている夜食である。量もカロリーも満腹感も、凄いことになっちゃってるのは間違いない。
- ごはん
- カップナメコ汁
豚汁のカップと迷った末に「ここはナメコ汁で決めよう」と選択。
「タマゴとダイコンとシラタキ」がセリフに記された注文内容だが、カップには明らかにそれ以外の具も入っており、コマ外で「あと…」と注文が続いたものと思われる。
豆腐一丁に、醬油(タレ)と薬味がセットになったパック。
- うずらと牛肉の中華風
- 厚焼き卵
おでんの卵にうずら、厚焼き卵と卵がダブってしまったことに食べ始めてから気づいている。
ノザキのコンビーフ缶だと思われる。五郎いわく「やっぱり馬肉入りが俺の知っているコンビーフだ」。
パッケージは森永の焼プリンに似ている。
ほほう 他の名セリフか
- 腹もペコちゃんだし夜食でも食ってひと息つくか
誰が聴いているわけでもないのに親父ギャグを飛ばしつつコンビニに向かおうとする場面。
初出の段階では「腹も減ったし~」というごく普通のセリフであり、単行本化の際に改変されて名言が生まれた。
- ここはナメコ汁で決めよう
カップの汁物を選ぶ時に、豚汁と迷った末にナメコ汁を選択した場面。
絶妙な選択をしたと満足げな五郎の表情も相まって印象的。
ネット上では、五郎が手に持つものを改変して「ここは○○で決めよう」といろいろなものを選択するコラージュ素材に使われる。
- ほほう 生味噌仕立てか
上記のセリフに続く1コマ。セットで使われる。
生味噌とは酵母菌が生きている状態の、新鮮な味わいが得られる味噌。
「仕立て」なので、実際はそれっぽい味を謳っているだけで、インスタント味噌汁には加熱して発酵を止めた味噌が使われているものだが、ゴローちゃんが楽しそうなので良し。