概要
てんとう虫コミックス35巻に収録されている作品。
ストーリー
おもちゃ屋さんの前にたたずむしずかを見つけたのび太。
視線の先のショーウィンドウには可愛らしいラッコの親子のぬいぐるみが飾ってあり、前からこのぬいぐるみが欲しいのだが500円もするため、なんとかお金を貯めているも一向に買えないままなのだという。
そこでのび太はしずかのためにぬいぐるみを買ってプレゼントしようと張り切って家に駆け戻り、貯金箱の小銭をかき集めるも足りず、ママのお手伝いやパパの肩たたきなどでお駄賃 (最初ママは百円玉をくれたのだが、500円玉をねだった上にケチだと言ってしまったため逆に叱られた) を貰ったりしてみるも、なかなか集まらなかった。
仕方なく自分が買いに行くまで売らないで下さいと頼みに行こうとすると、遊びに来ていたおじさんがお小遣いをくれたのでぬいぐるみが買えることになったと息を弾ませたしずかがやって来た。
二人で急いでおもちゃ屋さんに向かうと、例のぬいぐるみはひと足早く売れてしまった後だった。
ガッカリして帰路を歩いていると、あのラッコのぬいぐるみを二人に見せびらかすスネ夫が現れた。
実は走るのび太とすれ違った際ぬいぐるみの話を聞いていたスネ夫は、のび太がラッコのぬいぐるみを欲しがっていると勘違いし、先回りしてあてつけ買いをしていたのだった。
のび太の説明で早とちりに気がつくも時すでに遅く、慌ててぬいぐるみを譲ると言い出すもしずかは「そんな高いものを理由もなくもらえるわけないでしょう!?」と泣きながら帰っていき、スネ夫はのび太にお前のせいだと無茶苦茶な逆ギレをしてしまう。
普通にスネ夫が悪いのだが、のび太は自分が余計な事をした所為でしずかを泣かせたと思い込み、ショックを受けて部屋に戻ってくる。そこで一連の出来事を聞いたドラえもんはどんなぬいぐるみでも作れるひみつ道具「ぬいぐるみオーブン」「ぬいぐるみコートとつめ物」を取り出し、試しにどら焼きを使ったクッション風ぬいぐるみを作ってみせた。さっそく二人は「どこでもドア」でラッコの生息する北の海へ行き「タンマウォッチ」を使って近くにいた親子ラッコの時間を止めると素早く「ぬいぐるみコート」を被せて型どりし、つめものを入れてオーブンにかけた。こうして出来上がったラッコのぬいぐるみをしずかの家へ持って行くと「とっても可愛い!!ありがとう!!」と感激の涙を流しながら喜んだ。
そこでのび太とドラえもんは、ぬいぐるみが大好きなしずかのために色々なぬいぐるみを作ってプレゼントしようと考え、動物の他にしずかが好きなお風呂やお花、クルマなどを次々とぬいぐるみにしていく。その後のび太の部屋を訪れたくさんのぬいぐるみに驚いたしずかだったが、大きなぬいぐるみも多数あったこともあり「とても嬉しいけど置き場所がないから貰えない」と困惑されてしまう。
すると翌日、二人はしずかの家の玄関脇にぬいぐるみをしまう為のお家のぬいぐるみを作り、しずかを驚かせるのだった。
余談
コミックではのび太としずかの微笑ましいエピソードとなっているが、大山版アニメでは中盤でしずかの所へぬいぐるみ達を届けるため、ムードもりあげ楽団を使ってドラえもんとのび太が途中で加わった町中の子供たちと大行進を繰り広げ、四次元ポケットからあらかじめ作っておいたぬいぐるみハウスを取り出してぬいぐるみを収納してみせるとしずかは感激してドラえもんに抱きつきキスをしてしまい、のび太は完全に蚊帳の外状態になってしまっている。
なお水田わさび版アニメでは、基本的な筋書きは同じだが、原作ではのび太に責任転嫁してお咎めなしで退場したスネ夫が反省して途中からのび太達のぬいぐるみ作りに協力しており、最後まで活躍しているという改変がされた。