曖昧さ回避
- 怖ろしいもの全般を指す民俗語彙。
- むくりこくり鬼という言うことを聞かない子供の元に現われる鬼。
- 元寇での元国・高麗国軍兵士の水死体、えびす。
- 山ではイタチのような姿、海ではクラゲのような姿の妖怪。
- 壱岐(長崎)の魔除けである、木彫りの鬼のような郷土玩具。 →ムクリコクリ
- 皮を剥くといった意味で、上記の鬼が人に対して行うとされることもある。 →皮剥ぎ
妖怪のもくりこくり
元寇において蒙古と高麗の連合軍が九州地方を襲い、「蒙古高句麗の鬼が来る」と恐れたことから、この地域では子供をしつける際に「むくりこくり、鬼来るぞ」と言ったのが起源であるとされる。
ムクリコクリとも呼ばれ、紀州(和歌山)では3月3日に山にイタチのような姿で、5月5日に海にクラゲのような姿で群れて出るといわれ、海坊主の一種とされることもある。
夜の麦畑で人の姿をとり高くなったり低くなったりするともいわれ、出会ってしまうと尻を抜かれてしまうと恐れられた。
仙台には弘安10年(1287年)と延元2年(1337年)に建立された二つの供養碑「モクリコクリの碑」があり、前者の粉が百日咳に効くと削られてしまったため碑文は不明になっている。
陸奥(青森)の木造町に伝わるモッコという怪異の起源でもあり、『モッコの子守唄』という唄の歌詞に「泣けば山がらモッコくるね、泣がねでねんねしな」という一節があるのだという。
創作での扱い
- 水木しげる作品
和歌山県の伝承としてイタチのような妖怪画が描かれている。
モバゲー『ゲゲゲの鬼太郎妖怪横丁』では、「モクリコクリの山海缶詰」なる商品が登場している。
荒俣宏による小説版においてヨモツモノの脅威として言及。
皮を剥ぐ力を持つ、フードを被り顔が見えない男のようであるが...
- 黒潮ほたるのひみつ
pixivユーザーでもある漫画家・イラストレーターの御前伶咲&水咲七碧氏による、岩手県大船渡市ご当地応援キャラクターである座敷わらしの黒潮ほたるの成長を描く漫画作品で、「~黒潮ほたるとモクリコクリ~」という回が発表されている。
38話と39話で登場。手が刃物になっていて目は三つ目になっており不気味な姿をしている皮はぎ妖怪。「蒙古高句麗」という名前の由来から基づいて鎌倉時代に起きた元寇の恐怖の記憶から生まれた妖怪という設定になっている。