概要
オープンワールドRPG「原神」に登場する象徴的な概念。
ある世界「テイワット」の一部「虚界」と呼ばれし領域に潜む、謎の邪悪なエネルギー勢力。
当初は「アビス教団」という一派として登場・暗躍していた為、長らく同一視されていたが、後にそれらより大本の存在と判明した。
元からテイワットと共に存在したのか、世界の外から来訪し一部を侵食して虚界としたのかは不明だが、元素生命の領域「光界」及び物理的世界「人間界」の双方に極めて攻撃的な性質を有し、それらを自分達の領域に塗りつぶそうと、遥か古代より侵略活動を続けてきた。
「深淵の国」などに代表される虚界は、時間の流れがテイワットと異なり、またそれはテイワットから見ると一定ではない。
特筆すべき点として、アビスに分類されるエネルギーはテイワットの全生命・全環境にとって極めて有害な毒性であり、決して両立はできずそれらを破壊する指向性をもつこと。侵された生命は総じて身心に不調を伴い、肉体面なら臓器不全といった衰弱、精神面なら理性が崩壊し発狂するといった事態を引き起こす。
これは魔神や龍族といった人間以外の強大な種族も例外ではなく、タチが悪い事によほど軽度でもなければ治療による回復もほぼ望めず、不可逆に悪影響が残り続ける。
神の目の所有者など、強い元素力を秘めた存在は高い抵抗力を持つが、それでも完全では無い為、長期間領域に居続けたり魔物と戦うなどでエネルギーに晒され続ければ、いずれ死や暴走は免れない。
地脈のエネルギーも嫌う傾向にあるが、こちらも集約存在である世界樹を「禁忌の知識」という形で汚染するなど、やはり完全耐性ではない。
ゲーム内要素としては、HPを持続的に失い回復も出来ない「死域」というエリアが存在するが、こちらは発生源を潰せば治るのに対し、手遅れな場合は永遠に治らなくなってしまうのだろう。
こうした激しい拒絶反応がテイワットとアビスどちらに由来するのかは不明だが、異世界から来た存在・降臨者である旅人はアビスの毒性を全く受けることがなく、それらエネルギーを吸い取り自身の中で無意化するという形で浄化し打ち消すことができる(但し既に破壊された肉体や精神は治せない)。
特に虚界と繋がっているとされる地下深くから、テイワットの大地を徐々に汚染しており、実際淵下宮や層岩巨淵、失われた苗畑に夜神の国など、各国にはアビスに汚染され不気味な異界と化した地下空間が数多く確認できる。
アビス(深淵)という呼び名の由来もここからで、そうやって各地を侵食しながら、被害を受けた生物のデータも取り込んでいる模様。
領域を徘徊する「アビスの魔物」と呼ばれしモンスターも、それら情報から生み出されたアバターの様なもので、テイワットの民に物理的な攻撃を仕掛け、より侵略域の拡大を図っている。
中には地上にまで影響が進出した地域もあり、特にかつて外海から戻ってきた黒龍により地脈が破壊されたナタ地域は、アビスがかなり活動し易くなってしまい、以降現地民との熾烈な戦いが続く「戦争の国」と化した。
意思や言語を持つような個体がほぼ確認できない事から、現象の一種と考える者も多いが、実際は何かしらの大きな意志も存在しているようで、500年前はカーンルイアの民を誘惑して「五大罪人」「アビス教団」といった事実上の傘下勢力を生み出し、活動の多様性を増すことに成功した。
その内の「R」が創り出したドゥリンなどの創造物にもアビスの血が流れており、本人の意志とは関係なく存在するだけで周囲の生命や環境に悪影響を与える。アルベドも同じくRの創造物であり、本人は自身が暴走するリスクを抱えていることを認識している。
深境螺旋(Spiral Abyss)やそれに似た任務で訪れるエリアもまたアビスに類する所らしく、明言はされていないが「特定の国に属さぬエリア」でのチーム編成画面も背景が似ている。
余談
「生命・環境をエネルギー汚染し、死や怪物に至らしめる作為的領域」という概念は、同社の他作品にも共通して存在し、いずれも現地民をシャレにならないレベルで苛んでいる。
関連項目
カーンルイア:アビス教団の前身であり、厄災とも直接関係している国。
スカラマシュ:女皇に命じられた任務としてアビス探索に向かっており、そこでの成果により執行官となった。ナヒーダによればこの方面に精通してるとのこと。