概要
イタリアギャング組織「パッショーネ」の麻薬チームの一員。14歳。
かつて麻薬チームは組織のボス・ディアボロによって重用され、莫大な利益をもたらし組織の勢力拡大に大きく貢献していた。しかし、ディアボロがジョルノ・ジョバァーナに敗れてジョルノが新たなボスの座に就いたことで、麻薬チームは"ディアボロ時代の負の遺産"として抹殺の標的にされてしまい、仲間のヴラディミール・コカキ、マッシモ・ヴォルペ、ビットリオ・カタルディと共に逃亡を余儀なくされる。
先天性の"血液がささくれ立つ"という不治の難病に冒されており、生まれたときから常に血管内に無数の針が流れているかのような激痛に苛まれている。ヴォルペがスタンド能力「マニック・デプレッション」で精製する麻薬だけが唯一彼女の苦痛を和らげる手段となっており、これを常用した結果重度の麻薬中毒になってしまっている。中毒症状の影響か、イタリアの民謡である「しゃれこうべの歌」を口ずさむという癖がある。
病気と麻薬中毒の影響で肉体は既に酷く衰弱しており、満足に走ることもできない(ムーロロにも「手遅れでもう長くない」と断言された)。また麻薬の効果が切れて症状が悪化したときはヴォルペにしか治療ができないため、彼の傍から離れられないという弱点も抱えている。
他のメンバー同様仲間への思いはとても強く、コカキがフーゴに敗れて戦死した際には嘆き悲しみフーゴへの憎悪をたぎらせたほか、不安に苦悩するビットリオには慈愛に満ちた励ましで勇気づけ、ヴォルペに対しては「笑うと絶対可愛いんだから笑った方がいいよ」と笑いかけるなど、年相応の優しい少女としての一面も持っている。
しかしその一方で目的のために無関係なシラクサの全住民を捨て駒として利用する作戦を平然と実行するなど、やはり残虐な危険人物としての側面も持ち合わせている。またスタンドの性質(詳しくは後述)から、自らの境遇や世界に対する失望や諦観も強かったと思われる。
ヴィラ・サン・ジョヴァンニの港倉庫で組織の刺客として現れたサーレーとズッケェロをビットリオとの連携で返り討ちにし、その後コカキの提案でシチリア島に潜伏する。
しかし次の刺客として差し向けられたフーゴ一行との戦闘でコカキが戦死し、引導を渡したフーゴを仇として激しく憎悪するようになる。
その後残った3人でシラクサへと移動し、スタンド能力を駆使してフーゴたちの乗ったヘリコプターを撃墜する。シラクサでの最大の目的である石仮面の回収をビットリオに託し、自分はヴォルペと共に足止め役を務め、シラクサの全住民をスタンド能力で精神汚染し操るという恐ろしい作戦を実行した。
追っ手を迎え撃つために前線に出ようとするヴォルペから大人しく待つように念を押されるも、フーゴへの憎悪に突き動かされて単独行動を開始。汚染した住民にまぎれてフーゴの脇腹にナイフを突き刺し深手を負わせることに成功するが、撤退中にパープル・ヘイズの追撃を受け、殺人ウイルスに感染してしまう。それでも即死はせず、かろうじてヴォルペのもとまで帰還したものの、そこで限界を迎えて全身が崩壊した(30秒ほどで全身を腐敗させるはずの殺人ウイルスに感染しながらしばらく生きながらえた理由は不明だが、本体のフーゴが重傷を負っていたことや後の展開からマニック・デプレッションの麻薬の影響だった可能性などが考えられる)。
しかし、ヴォルペがマニック・デプレッションの能力を駆使して肉体を活性化させたことで"九割がた死体"という状態になりながらも生存し、既に思考もできないながらも最後までスタンド能力を使い続けてヴォルペをサポートした。だがヴォルペがフーゴに敗れて死亡したことで、アンジェリカの命も終焉を迎えた。
スタンド「ナイトバード・フライング」
小鳥の姿をした半自律型のスタンド。
人間の魂を探知して追尾し、相手を末期的な麻薬中毒症状に汚染し幻覚を見せる能力を持つ。
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余談
若くして麻薬中毒になり心身ともにボロボロになったアンジェリカであるが、そもそも彼女は病気の苦痛を和らげられるヴォルペがいなければ生き続けることすらできなかった(作中でも「麻薬中毒になるしか生きる道がなかった」と記されている)ため、これも彼女自身が生きるために選んだ一つの道であったともいえる。このため、麻薬を誰よりも憎悪していた一方で子供に対する優しさを持つブチャラティが、もしも文字通り「麻薬でしか命を繋ぐことができない子供」であるアンジェリカと出会っていたらどうなっていたのだろうと話題に上がることがある。
また、もしも出会ったのがヴォルペではなく兄のトニオであったなら、パール・ジャムの効果で病気を克服できたのではないかと言われることもある(実際彼は外伝漫画で不治の病の治療に成功している)。
関連タグ
麻薬チーム ヴラディミール・コカキ マッシモ・ヴォルペ ビットリオ・カタルディ
参考
線維筋痛症 … 全身に激しい痛みが生じる現実の病気の一種。