8月地震の概要
イタリア中部のペルージャ県ノルチャ南東部付近を震源として発生したマグニチュード6.2の地震。
現地時間の深夜である3時36分に発生したため就寝中だった住民が多い時間帯だった。
ラツィオ州やマルケ州での被害が特に大きく、ラツィオ州の街アマトリーチェでは観光客が多いシーズンだったこともあり多数の死者が出た。
震度は6前後と国内外の大規模震災に比べれば決して大きな方とは言えなかったが、被災地は古い石造りの建物が多かったことが被害拡大に寄与してしまった。
歴史的建造物の保存問題やイタリアの財政難(この地域の建築物の耐震化はかなりコストがかかる構造だった)などで耐震工事が遅れていたことも重なり耐震対策は十分とは言えず、死者は300人以上と(震度がより大きかった熊本地震の4倍以上)津波などの被害がないにもかかわらず大きなものになっている。
また数々の手抜き工事疑惑もこの震災を機として発覚、イタリア国内も紛糾している。
しかし1979年、1997年の震災の経験から耐震工事が進んでいたウンブリア州は震源から近かったにもかかわらず被害が比較的少なく死者を出さなかった。
過去にムハンマド等への風刺で話題となったフランスの風刺新聞「シャルリー・エブド」がこの震災に乗じて死傷した被災者達を「ペンネ」「ラザニア」呼ばわりするという不謹慎絵を発表して非難が集中。
イタリアのオルランド法相も激怒のコメントを出し、アマトリーチェ市長は名誉毀損で告訴を行った。
10月地震の概要
2ヶ前の震災の被害の爪痕もまだ大きかった中、今度は10月26日にノルチャの北約6kmの地点を震源としたM5.4-5.5およびM5.9-6.1の地震が立て続けに発生。
さらに10月30日にはM6.6の地震が発生。
8月の地震で多くの人が屋外に出ていたため、10月の地震で当日に亡くなったのは心臓発作で震災関連死した1名だったものの、歴史的な教会の建物が崩壊するなど建築物への被害も大きかった。
ノルチャから幾分離れていたローマでも教会やマンションにヒビが入るなどの被害が発生。
支援
イタリア国内では今回被害が大きかったアマトリーチェがパスタ料理「アマトリチャーナ」の由来でもあることから、「レストランでアマトリチャーナの売上から被災地に寄付する」活動が始まっている。
日本国内やアメリカ等、イタリア国外のイタリア料理店でもこの支援活動に参加するところもあり、サイゼリヤも寄付イベントを行った。
また本田圭佑が急遽日本円にして約227万円の寄付を行った。
Apple社も寄付募集を行っている。
日本の自治体では、姉妹都市・友好都市提携をしていた群馬県前橋市、渋川市、甘楽町が義援金を送った。