ゲーム本編におけるインパの詳細はこちらを参照。
主に漫画版について掲載。多くが古い作品のため現在では入手困難である。
物語の要点やネタバレまで含めて記載しているため、これから読みたいという方は閲覧注意。
登場作品
こばやし将「ゼルダの伝説」
「あれだけの敵を見るまに片づけてしまわれた…あなたこそハイラルの運命をにぎる伝説のお人…」
魔物の群れに城を攻め落とされる中、インパだけ城の外へと逃れていた。魔物たちに追われていたところをリンクに助けられる。しかし衰弱していたため息を引き取ってしまう。
こちらは黒いローブに身を包んでおり、占い師や魔法使いの老婆を思わせる見た目をしている。
乱丸「ゼルダの伝説」
「旅のお方 あなたこそ選ばれた戦士
神よ感謝します 私の役目は はたせました」
ゼルダと共にガノンに囚われていたが、ゼルダの手引きにより敵地から脱出。魔物たちに追いつかれたところを旅人リンクに助けられ、ガノンやゼルダのことを語り、衰弱死してしまう。
この作品では、杖を持ってフードを被ったお団子ヘアの老婆として描かれている。死の間際、知恵のトライフォースの欠片の在り処を示すお守りがリンクに反応したことで“トライフォースを集めてガノンを倒す勇者”と判明。インパは役割を果たしたことに涙しながら息を引き取った。
続編「リンクの冒険」では、インパとよく似た名前の使用人「ワンパ」が登場した。ふくよかな中年女性であり、いわゆる肝っ玉おかんを地で行く人物。
ストーリーには関わって来なかったが、最終盤では黒幕が彼女に化けて登場。リンクたちが持つ勇気のトライフォースをだまし取ろうとするが、ビリーに怪しまれたため正体を現して襲い掛かって来た。
ゲームブック「新・ゼルダの伝説」
「だったらおいらも連れてってよ、役に立つよ!!」
記事冒頭画像のキャラクター。劇中ではコムと呼ばれるが……。
ゲーム本編よりも大昔のハイラルを舞台としており、“リンク”の正体、“インパ”が初代ゼルダ姫に引き取られる経緯、王家がトライフォースを保管するまでを描いている。
旅人リンクは侵略者ガノスの呪いによってクリスタルに閉じ込められたゼルダ姫を救うべく冒険に出る。そんな彼にスリを働いたのが浮浪児コムだった。逃げた先で魔物に襲われていたところをリンクに助けられ、以後はアニキと呼び慕うようになる。
コムは両親をガノスに殺されていた。リンクがガノス討伐に向かっていると聞くと仲間に加わる。
ダンジョン内で暗闇を歩いた時は、リンクの手を掴もうとしたがグニュっと柔らかいモノを掴んでしまい、リンクから「なんてとこさわってんだスケベ!!」と動揺された。
終盤では2つの伝説の秘宝(見た目は力と知恵のトライフォース)を集めガノスに挑む。リンクとコムたちの勇気によって3つ目の秘宝(勇気のトライフォース)が具現化し、そこから放たれた光でガノスを焼き尽くして勝利する。
バッドエンドではリンクが死亡する場合もあるが、コムだけは闇の中に幽閉されるなど命までは奪われない。
ノーマルエンドではガノスを倒すが配下の魔物たちが健在のため、リンクと一緒に魔物討伐に向かう。
トゥルーエンドではコムが恩を感じたゼルダ姫に養女として引き取られる。そして3つの秘宝は王家で保管される運びとなった。この秘宝はゼルダ姫によって“トライフォース”と名付けられた。
コムはゼルダ姫によって可愛らしいスカート姿に着替えさせられ、実は女の子だったことが分かってリンクを驚かせた。
更に本名がコミィ=インパと判明する。
つまりこの作品における“インパ”とは姓名であり、コムこそがインパの一族の始祖と言える存在だった。
なお少女であることの伏線として「あた……おいら」という風に一人称を言い直す描写がある。
しごと大介&みなづき由宇「リンクの冒険」
「リンクどの なにとぞハイラルを」
1巻の冒頭のみ登場。原作と同じく初代ゼルダの悲劇をリンクに伝えた。
登場人物全員がふざけているというとんでもない漫画だが、インパとガノンだけは終始まともだった。冒頭でインパと会話するリンクはまともなように見えるが、このイベントの後で豹変するので騙されないように。
ちなみにコミカライズ版でも老婆の姿で最後まで生き残っていた貴重な例である。
暗黒トライフォース伝承
「――このハイラルにまたもやおそろしい影がうごめいております」
主にプロローグやエピローグの語り部として登場。劇中では旅立つリンクに向けてゼルダ姫のネックレスを託した。このネックレスには命が込められており、もしも手放してしまうとある場面でリンクが復活出来ないためゲームオーバーとなる(今で言う妖精を閉じ込めたビンに当たる)。
ゼルダ姫がリンクを好いているのに気づいているようで、前日譚で怪我をしたリンクの手当てをするゼルダ姫を見て微笑ましく思っていた。
バッドエンドではリンクがラスボスを道連れに死亡してしまい、ゼルダ姫も呪いが解けず永遠の眠りについたままとなる。リンクが死んだという事実を知らずにいられるなら、ゼルダ姫は眠ったままの方がいいのかもしれないとインパが嘆く。
未将崎雄
ゼルダの伝説
「これも宿命…姫さま…」
ゼルダの一族に仕える若い黒髪の女性。エプロンを付けているシーンがあり、保育士や家政婦のような雰囲気を醸し出した優しい顔立ちの人物として描かれている。メディアミックスでは上記の新・ゼルダの伝説に続く若い姿である。
16代ゼルダから仕えており、彼女がガノンに殺されてからは17代ゼルダ(16代目の娘)に仕えるようになる。リンクの素性を知っており、16代目に仕える一方で密かにリンクも見守っていた。捨て子だったリンクを引き取って育てており「お母さん」と呼ばれ母のように慕われている。
17代ゼルダがガノンに拉致され、国王は「各地に散ったトライフォースとの交換」を迫られる。しかし国王はそんな時間はないとして騎士団を率いてガノンの元へ乗り込もうとする。
インパは諫めたが国王は「わしと我が騎士団は無敵だ!」と一括して聞き入れなかった。結果、デスマウンテンに乗り込むも騎士団は壊滅状態となり、国王も廃人同然の姿で生き残った騎士たちと共に逃げ帰るという事態となった。
リンクの冒険
3年後を描いた続編「リンクの冒険」でも引き続き登場。
魔界の封印が大きく弱まり、ハイラル上空に現れ始めたことから異変を察知し、王家に仕える忍者集団「ハイラル忍軍」を動かしてリンクたちのサポートを行わせた(忍者には「インパ様」と呼ばれている)。
高長歩「魔性の影」
「真の力も真の知恵もそれなくしてありえない
真の勇気だけが暗黒の力を打ち倒し…このハイラルを闇の魔力から救うのだよ…」
『ザ・レジェンドオブゼルダ パーフェクト ファン ブック』に掲載された「リンクの冒険」の読み切り。リンクの回想にのみ登場。
リンクが旅立つ際に「魔の影がさすのは、人の心に弱さがあるから」だと説いた。これはリンクの心に深く刻まれており、ダークリンクと決着を付ける際にこの戒めが精神力を高め、見事勝利している。
黒き影の伯爵
「どなたか存じませぬが、ありがとうございまする
おお……そなた様は……」
ゼルダ姫の乳母だが、時のオカリナのような若い姿ではなく杖を突いて歩く老婆。
ガノン率いる<夜のものども>によってアッサム城が戦場となる中、国王を殺して化けたガノンが現れ、ゼルダ姫を騙して力と知恵のトライフォースをいただこうとする。
インパは即座に見破り、動いた老兵ジュゼッペが知恵のトライフォースだけ奪い返す。直後、ガノンの怒りを買ったインパは焼き殺されそうになるが、庇ったジュゼッペが命を落としてしまう。
インパはゼルダ姫に命じられ、知恵のトライフォースを持って隠し通路から逃げ去った。
時間稼ぎのために残ったゼルダ姫はガノンに囚われ、力のトライフォースも奪われてしまった。
その後、知恵のトライフォースを4つに分割し、兵士たちに命じて各地の迷宮に各省に託した。
インパ自身はモリブリンたちに追われていたところをリンクに助けられ、ホビット族の村で保護される。これによりリンクたちは、アッサム王家が崩壊したことを知る。
終盤では村はガノンの軍勢によって焼き払われ、長老も殺害される。インパは村医者の娘マイアと共に脱出した。
リンクの仲間である漁師グレッグと出会い、最後の知恵のトライフォースの欠片を発見する。
最後の欠片は迷宮にはなく、使命から逃げ出した兵士ラウルが所持していた。化け物だらけの迷宮に行く気にはなれず売り飛ばしてしまうつもりだったが、そんな悪人になることは出来ず酒に溺れる日々を過ごしていた。
ラウルは泣きながらインパに謝罪して来たが、インパは欠片を守っていたことは事実だとして咎めるようなことはせず笑って許したのだった。
そして最後の欠片はグレッグによって、ラストバトル中のリンクに届けられることとなる。
姫川明
時のオカリナ
「私はゼルダ様をお守りする者…。おまえのことは きのう城下町でずっと見させてもらった」
厳かだが柔和な雰囲気も持った女性として登場。戦闘シーンでは短剣を投擲したり、長剣を振るう姿が描かれている。
上巻では普通の女の子に化けて城を抜け出したゼルダ姫を密かに見守っていた。またゼルダ姫を守るためにゲルド族の刺客と戦ったリンクには最初から好意的だった。
ハイラル城が陥落しゼルダ姫と共に姿をくらました後は、カカリコ村を拠点にしていた。
当初は大人リンクを人に化けた魔物と見て襲い掛かるが、マスターソードを持っていることに気づくと村へと迎え入れた。ガノンドロフへの怒りからロクな食料も持たず冒険に出たリンクを叱咤する。
その後、リンクから修行を申し込まれた時は師として手合わせを行った。リンクが歯が立たないほどの実力を見せ、一瞬で高所まで昇る歩行術で翻弄する。
直後、井戸から現れたダークリンクとの戦いではリンクにアドバイスを送り、見事勝利に導いた(こちらが人の姿に化ける魔物だった)。
その後、成人の証としてリンクの耳にリングを装飾した(本来はシーカー族の儀式だがリンクが希望したため執り行った)。
ゼルダ姫の居場所は知っているが「今はまだ言えない」として口を開くことはなかった。
なお、リンクが最終決戦に向かう頃にはいつの間にか闇の賢者として覚醒していた。このためボンゴボンゴとの戦いはなく、代わりにダークリンクがその役を担った(井戸から登場するというシチュがボンゴボンゴと同じ)。
なお、この作品に登場するシークは「インパがゼルダに催眠術を掛けて生み出した別人格(これが「今はまだ言えない」理由)」「表向きはガノンドロフに仕えている」という独自設定がある。
シークには「シーカー族は遠い昔に王家から一度だけ裏切りを受けたことがある」「自分は王家の崩壊を知ってハイラルに戻って来た」という偽りの記憶が埋め込まれており、これによりガノンドロフの配下として最も安全な場所に身を隠すことができた。
このため当初はガノンドロフの手下としてリンクを罠に掛けたことがある(別人に化けて嘘の情報で誘き出した)。
ちなみに、こどもリンク時代にリンクから『おばさん』呼ばわりされてキレかけると言うコミカルなシーンがある。
ふしぎの木の実
「あきれたね! 賭け試合をするなんて。それがゼルダ姫の命を守る騎士のすることかい!?」
ゲームより登場が増えているものの、原典と同じくストーリーには殆ど絡んで来ない。
大地の章ではディンを保護するためにホロドラムを訪れ、素性を隠して旅芸人一座に入り込んでいた。
時空の章では賭け試合に参加したリンクを見咎め、商品の牛を両手で持ち上げて激怒していた。しかし牛は実家の祖母に送るために手に入れたものと知ると、家族思いだと見直している。直後にベランに憑依されてしまい、原作通りの展開となる。
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