解説
モラード・カーバイトが半隠居生活を送っていた星団暦2957年に作り上げた傑作ファティマ。
モラード最初期の傑作ファティマ・エストに対抗してクローム・バランシェがティータを作ったことを知ったモラードが、さらにティータのスペックに対抗して作り上げたファティマであり、最大情報入力も反応もティータに勝っているらしい。
スペック…戦闘A・MH制御2A・演算B1・耐久B1・精神A・クリアランスVVS1・タイプS
完成した直後、当時大学生だったコーラス23世(コーラスⅢ世)がモラードの工房を訪れた際に半ば一目惚れ同然に彼のパートナーとなり、以後6年間、黒騎士ロードス・ドラクーンと共に修行の旅に出たコーラスに同行する。
しかし、コーラスと出会う直前にちょっとした茶目っ気を出したことが遠因となって、フィルモア帝国のラルゴ・ケンタウリとコーラスの間に因縁が生まれてしまうことになる。
その後、コーラスの帰国と共にコーラス城に入城し、彼の王位継承に伴って正式に「国王のファティマ」となった。
星団暦2989年のコーラス・ハグーダ戦において、コーラス23世と共にMHジュノーンのテストがてら前線の偵察に向かうも、未完成のジュノーンは悪天候もあって不調を起こして危機に陥り、ハグーダのギエロ・スガスコーニチのMHブーレイに敗れて擱座してしまう。
ウリクルは重傷を負ったコーラスを守るために、ギエロ率いるミミバ族の追撃部隊を相手に単身奮戦、複数の敵を倒すなど善戦するが、最後は満身創痍になるまで追い詰められた末に殺害された。
コーラスはウリクルの仇を取るべく、手負いのまま決死の覚悟でギエロに戦いを挑んでこれを討ち取り、力尽きかけたところをログナーによって救われた。
コーラスとは実質的な恋愛関係にあったが、彼への愛を抱きつつも、ファティマとしての領分を逸脱することなく最後まで「騎士とファティマ」の関係を貫き、初めて慕情を口にしたのは今際の際であった。
しかし、コーラスの正式な妻である王妃エルメラ・コーラスが二人の関係を察して嘆き悲しんでいたこともまた事実であり、ウリクルの死後、エルメラは「ウリクルが死んで、どこか安心している自分がいる」とクローソーに告白している。
だが分を守った振る舞いを貫いたゆえに王妃から直接憎しみをぶつけられることはなく、国民からも深く愛された(死後、子供がトリオのナイトにウリクルの敵討ちを懇願するシーンがある)。
数多くのファティマの中でも特に恋に生きたファティマとして記憶され、同時にファティマが永遠の若さと美しさで騎士(男)達の愛を独占して、世の常人の女性達からの嫉妬と羨望を集める対象であることを象徴したキャラクターでもある。
そして、後世においてコーラスの子孫であるラベル・ジューダ(コーラス26世)と共に反乱軍のリーダーとしてユーパンドラ率いるA.K.Dと戦い、その後にラベルと結婚してコーラス王朝を復興させることになるディジナ・マイスナーは、奇しくもウリクルに似た顔を持っていたのであった。
イメージソースはナディア・コマネチとのこと。