概要
カンブロパキコーペ(学名:Cambropachycope)とは、古生代カンブリア紀の海に生息した節足動物の種類(属)の1つである。Cambropachycope clarksoni という1種のみ知られ、オルステン動物群(特にスウェーデン南部に分布する動物群)で化石が発見されている。
名前の意味は「カンブリア紀の熱い眼を持つもの」。
複眼が突出した部分単体が頭部に見えるが実際は頭部の前半だけで、正確には4対目の肢までが頭部全体となり、口は最初の2対の肢の間にある。
肢のうちの一対は大きなパドル型となっており、これを使って遊泳していたと考えられている。また、大きな複眼を持つため、優れた視力で獲物を探す捕食者であった可能性がある。
似た近縁種として、ゴティカリス(Goticaris)が存在する。
かつては近縁種と共に甲殻類に近いと考えられていたが、最近では振り出しに戻ってしまい、節足動物なのは確かだが、どのグループに属している(もしくは近縁な)のかはよくわかっていない。独立したグループなのかもしれないし、意外な生き物と親戚かもしれない。今後の研究に注目しよう。
関連項目
ミジンコ:同じ単一の複眼で有名な微小節足動物。
嚢頭類:同じ分類不明確で巨大な複眼を先頭に持つ化石水棲節足動物繋がり。
オパビニア:こちらは目が5つもあった節足動物。強烈な"目力"は同じカンブリア紀の生物。