概要
古生代カンブリア紀に生息した、イソキシス類の節足動物の種類(属)の1つ。イソクシスともいう。
半円形の甲羅は表面が滑らかでタコスの皮のように全身を覆いかぶさり、前後両端に棘を持つ。「同じ滑らかな表面」を意味する学名「Isoxys」はこの甲羅に由来する。
その下の胴体は貧弱で、鰭の付いた脚が数多く並んでいる。先頭には1対の複眼と爪のような肢、末端には扇子状の尾が伸びる。
頭部の爪の形は種類により様々で、手のようなものがいれば触手のようなものもいる。
20ほどの種が知られ、多くが1~3cmで、甲羅の棘が長い種では10cmに及ぶ場合がある。
化石は世界中のカンブリア紀の地層(カナダのバージェス動物群、中国の澄江動物群、グリーンランドのシリウスパセット動物群など)で見つかり、当時の海洋で広く分布したと思われる。
ただし化石は甲羅だけのものが多く、胴体の部分まで保存されたものは稀である。
同じイソキシス類の近縁として、甲羅に棘を持たないスルシカリスが挙げられる。
アノマロカリスなどのラディオドンタ類ほど原始的ではないが、イソキシス類も一般には原始的な節足動物の1つだと考えられる。
関連タグ
イソクシス(別表記)