「すべては、フォルテムの導きのままに…」
概要
CV.上坂すみれ
エクス達が『ジャンヌ・ダルクの想区』で出会った、神秘的な風貌をした盲目の少女。
当初は連れの者とはぐれて戦火の渦中にある町でヴィランに襲われかけていたところを、想区に迷い込んだばかりの『調律の巫女』一行により救出される。
以後一行がジャンヌ達と合流してから彼女達の本拠地、オルレアン城を出発するまで同行していた。
『調律の巫女』一行に対してはごく一般的な想区の住人として振舞っていたが、エクスに対してだけは想区の者が知るはずのない「旧世界暦」といった言葉、そして「想区の『主役』、ジャンヌ・ダルクが辿る運命の結末」といった内容を話しかけてくる素性のつかめない一面をのぞかせた。
その正体はフォルテム教団の一員、『混沌の巫女』と呼ばれるストーリテラーに干渉しカオステラーを生み出す能力を持った存在。
『調律の巫女』であるレイナと対局をなす存在で、同じく教団の一員で過去に彼女と因縁のあるロキを信頼のおける従僕として連れている。
エクスに対してはまだ自らの想区を旅立ったばかりの空白の書の持ち主であるということから目をつけ、不条理な運命を人々に押し付けるストーリーテラーへの怒りを煽り教団へ勧誘しようとしていた。ジャンヌを攫っていったカオステラーからレイナにも解けなかった呪いを受け一人昏倒していたエクスを治し、ジャンヌをカオステラーから助けたとしても調律され元に戻った想区でも処刑される運命にある彼女を救助することの無意味さを説くが、正しい運命の中で死ぬべき定めを帯びていてもそれを受け入れて聖女として想いを受け継いでいくことを決めていたジャンヌの意思を守りたいと決心したエクスにより断られてしまう。
以後も数多の想区をロキと共に巡り、カオステラーを発生させてはそれを調律しようとするエクスら『調律の巫女』一行と対峙する事になる。
名前の由来はフォルテム教団の慣例(旧世界の神話の神々の名を用いたコードネーム)に従い、インド神話(ヒンドゥー教)の戦いの女神「カーリー」。
人物
その名前の由来や能力から持たれる印象とは裏腹に常に敬語で話すなど、物腰は静かで理性的。意見を違える相手であっても敬意を払い話し合いの場を設けて説得しようとするなど、「巫女」の言葉から連想されるような聖職者然とした性格である。
むしろ彼女の護衛であり、心酔する彼女の敵とみれば容赦なく排除しにかかるロキを制止する立場をとっている。
しかし、フォルテム教団の教義である「ストーリーテラーによる支配からの解放」に対する姿勢は一貫して強固であり、その解放の対象も想区の大多数を占める運命の書を持った人々ではなく自身達と同じ空白の書の持ち主に限られる。
運命の書を持つ人々のことはストーリーテラーから与えられた運命に従っているだけの自由意思のない存在とみなしており、自らが生み出したカオステラーによって彼らが苦しめられる事態を目にしても然したる感慨も持ち合わせていなかった。
なお、レイナと同様、常人ならざる巫女としての能力の影響か非常に食欲旺盛かつ健啖家であり、出会った当初も朝食を抜いた空腹のあまり腹を鳴らして、呆れられながらも恵んでもらった一行の食糧を食い尽くしてしまった。
『白雪姫の想区』での決戦によって拠り所であったロキが生死不明、自身も「聖ジョージ」を名乗る謎の人物に同行させられる事態となったこと、何より今までの自分の主張が「私の」ものではなく「私達の」ものであり彼女自身がそうだとみなしている運命の書の人々の様に主体性の無いものなのではないかというエクスの言葉によって彼女の考えは変わっていくことになる。
作中の活躍(ネタバレ注意)
上記のような「調律の巫女」一行との邂逅を経て、自らの素性,そしてフォルテム教団としての思想をロキを伴って一行と再会した『鏡の国の想区』にて正式に明かす。
問答の末、その思想は相容れないとレイナ達に突っぱねられてしまったが、再び会った時にまた答えを聞くと言い残して去っていった。
「白雪姫の想区」ではロキの策略で一行からタオを裏切らせた上でカオステラーを差し向け、レイナの中に眠る『調律の巫女』の力の根源である「怪物」を奪い、『調律』の力により引き起こされていた出来事、そして朧気になっていた彼女の故郷の記憶の実態を暴き絶望に陥れる。
しかし、それでもなお絶望するレイナを励まし戦うことを諦めないエクスに対し追い詰められた状況でも考えを変えないことに疑問の言葉を掛けるも、逆に自らの思想が教団で育てられた中で植え付けられた受け売りのものであり、そこに「自分自身がない」という指摘を受けて困惑する。
「怪物」を身に宿したロキの敗北後、カオステラーの影響で崩壊しつつあった想区の影響の余波で生死不明となるも、実際はタオと共に「聖ジョージ」を名乗る人物(「グリムノーツ」の創造主が一人、ウィリアム・シェイクスピア)に保護されて同行させられることとなった。
一行と『ロミオとジュリエットの想区』で再会した際には当たり前であった考えに迷いが生じ、それまでの彼女にはなかった、感情的にエクス達に問いかける、その思想を認めない,認めたくないと発言する、コネクトによる戦闘を行うなどの行動をとり一人の「人間」として成長を始めた。
『千夜一夜物語の想区』でフォルテム教団の最高聖主にして「混沌の巫女」の力の根源である「災厄の魔女」モリガンと対面(この時のお互いのセリフから初対面であった模様)。
「魂の器」として無数のヒーローの魂をその身に取り込んだ彼女の異常で歪な実態と、無邪気に,そして悪辣に人を陥れる所業、そして自身の生み出された目的を知る。
自らに対して悪びれることなく自身のためだけの目的に必要な「人形」,余計な感情を持ってしまった「失敗作」だと平然と口にする彼女の態度を、自分だけでなく今まで信じて付いて来てくれたロキ達への侮辱だと受け取り怒りをあらわにした。
『アーサー王の想区』にてモリガンと完全に決別。圧倒的な力を振るう彼女に対して自分の意思で、信じてくれる者達のために『混沌の巫女』の力を振り絞って一矢報い一行を助ける。その際『混沌の巫女』としての力を失ってしまったが、代わりに眼が視えるようになった。
「万象の想区」ではモリガンの傀儡となり彼女のためなら命を捨てることすら厭わない教団員達の狂信的な有り様を目の当たりにし、モリガン打倒の暁には教団の体制を一新することを決心する。
一行が万象大全を掌握したモリガンに追い詰められて散り散りになった後はエクスと最初に合流、ジャックやシンデレラとの出会いによって彼がファムの死から立ち直ったことを喜んだ。
最終決戦では『調律の巫女』一行と共にモリガンの待つフォルテムの城へと突入。『再編』の力に目覚めたレイナに発破をかけて逆転の一翼を担った。また、モリガンからヴィランの使役を乗っ取る形で死んだと思われていたロキが登場した際には誰よりもその再会に驚き、歓喜していた。
モリガン打倒後はホムンクルスとしての寿命が尽きるシェイクスピアに対して自分を「人間」にしてくれた礼を述べ、元の姿に戻ろうと分裂していく想区から住民や教団員を率いて退避するためエクス達に先んじて撤退した。
※以下、更なるネタバレ注意※
そのおかげで、幸いにもモリガンを影から操っていた「お月さま」に新たな依り代として憑りつかれたエクスの凶刃から逃れることが出来た。
後にその場から唯一生還したシェインの話から事の顛末を知ることとなる。
その場に留まらず彼らを助けることが出来なかった後悔に苛まれながらも、彼らとの旅の中で見つけた自分の望みのため、そして「お月さま」が再び齎すであろう脅威に備えるため、モリガン亡き後混迷する教団をまとめ新たな組織、「フォルテム学院」を設立する。
第二部である「Repage」本編では万象の想区での最終決戦から100年の年月が経過しているため既に故人となっており(それでも20年ほど前までは存命であったらしい)、学院の存在する『フォルテムの想区』の墓所にてロキと共に眠っている。
彼女の遺志は、友人でありヒトならざる寿命を持つパーンと学院設立前後から親交を深めていたヨハネ副学院長、そして学院に通う多くの教員や生徒達に受け継がれている。
能力
・『混沌の巫女』…『災厄の魔女』モリガン由来の力であり教団での彼女の立場そのもの。
想区を支配するストーリーテラーに働きかけてカオステラーへと変える。
カオステラーによる影響を人命以外は想区ごと元に戻してしまえる『調律の巫女』に比べると力の規模は小さいが、カオステラーやヴィランの気配には『調律の巫女』以上に敏感である上、『調律の巫女』には出来ないカオステラーが掛けた呪いの解呪,ヴィランの使役などができる。また、現在はレイナただ一人である『調律の巫女』とは異なり、カーリーとは別に複数人存在することがモリガンにより仄めかされている。
モリガンが言う通り呪いに近いものであり、代償として彼女の視力が失われている。
その実態は、モリガンがより様々なヒーローの魂を効率よくカオス化させて収穫するため故意に生み出した存在である。
その他
「私は、私の信じるもののために戦います。」
「Repage」においては従僕であるロキ、そして『調律の巫女』一行と共に最高レアリティヒーローの魂としてプレイアブル化された。
両手杖を武器とする闇属性のシューターで、必殺技は広範囲に闇と呪いを浴びせる「カオス・メルヒェン」、専用武器は三対の鳥の羽と青い珠が先端にあしらわれた白い杖「聖フォルテムの神杖」(上イラスト参照)。(性能などの詳細は攻略Wikiの該当ページを参照:外部リンク)
関連項目
関連人物
エクス(グリムノーツ)…彼女の思想、そして人生を変えるきっかけとなった少年。当初はその優しさから起こす言動を純粋ながらも愚かだと思っていたが、行動を共にする中で惹かれていく。眼が視えるようになった時には、人畜無害そうだとネタにされがちなその容姿を優しげだと評していた。自身同様に彼に好意を寄せていたレイナの存在、そして一行を襲った悲劇によりその恋が叶うことはなかったが、彼やその仲間たちと過ごした日々の記憶はいつまでも彼女の胸に残り続けた。
ロキ(グリムノーツ)、パーン(グリムノーツ)(メイン画像左、右の人物)…フォルテム教団における同志であり、気の許せる従僕,友人。どちらも報われない,救われない運命の被害者であった境遇をカーリーに助けられ、彼女のことを生涯をかけて支えた。
モリガン(グリムノーツ)…自らの力の根源にして最終的に袂を分かった存在。「調律の巫女」一行と共に彼女の野望を阻み教団を解体したのち、その勢力を学院として再興することとなった。