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概要

キャク(Khyāk)またはキャー(Khyāh,Khyā)とは、ネパールのネワール族が民話などで伝承する、第三の目を持つ毛むくじゃらのような姿をしている魔物で、屋根裏部屋や物置の暗がりに棲んでおり、近代以降の電気の照明を嫌うとされる。

白いキャクは幸運をもたらす者として富の女神ラクシュミーに付き従い、金貨のたくさん入った袋を担いでいる姿が宗教画に描かれている。

それに対し黒いキャクは悪戯をして人々を困らせるが、怪我をさせるなどの悪辣な危害は加えないとされる。

ただしタチが悪いものは捕えた者を病気に罹らせたり、くすぐり殺してしまうという伝承もある。

またカーリー女神を称える仮面舞踏劇「マハカリ・ピャクン」にも登場し、キャクを象った舞踏は厄払いの力を持つ。

なおカトマンズの「イェンヤー」祭で相対する者として、骸骨の姿をしたカワンチャが知られている。

分類

  • バライ・キャー(Bārāy Khyāh):少女の通過儀礼に用いる部屋に現れるキャー。
  • バクン・グワラ・キャー(Bhakun Gwārā Khyāh):サッカーボールのように地面を転がる毛玉のようなキャー。
  • ダパラン・キャー(Dhāpalān Khyāh):とても毛むくじゃらであるキャー。
  • ランパン・キャー(Lanpan Khyāh):暗い通りを塞ぐキャー。
  • ブン・キャー(Bun Khyāh):畑に現れるキャー。

創作での扱い

初出はアジアの伝承に詳しい鈴木一也氏が悪魔設定だった『真・女神転生』。

種族は”夜魔”。不敵な笑顔の真っ黒な頭だけの悪魔で、左右に揺れる独特なアニメーションをする。

魔人が低確率で出現する新宿地下の小部屋に現れるので、ゴブリンとともに魔人のドロップ品であるレア武器狙いの者が出会うことが多い悪魔である。

また鈴木氏が製作した『偽典・女神転生』においても、相崎勝美氏によるディテールアップした姿で登場している。

なお『魔神転生Ⅱ』に登場する邪霊サルゲッソーは、キャクが錨に巻き付いているような姿である。

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