曖昧さ回避
- ガンダムシリーズに登場する宇宙要塞 → ア・バオア・クー
- 遊戯王OCGに登場するモンスターカード → 光なき影ア=バオ・ア・クゥー
概要
ホルヘ・ルイス・ボルヘス著の『幻獣辞典』で言及されるインドのマレー人の伝承に伝わるとされる幻獣の一種。
ジャイナ教の建造物『勝利の塔』(チトールという場所にある登り切る事ができれば涅槃に達する事ができるという塔)に時の始まりより巣食うと伝わる怪物で、その姿は透明で誰にも見ることは出来ず、正確な姿形を知る者は誰1人としていないが、内部に青白い光を宿し、触れると桃の皮の様な手触りの皮膚を持つとされ、全身に視覚を持ち、人間の影に敏感であるといわれる。
普段は塔の螺旋階段の最初の段の所で微睡んでいるが、塔に人が足を踏み入れると目覚め、その人物の踵に取り憑く。
そして巡礼者が塔の階段を一段登るたびにその形は完全なものへと変化して行き、透明だったその体は青みがかった光を放ち着色されて行く。
しかしア・バオ・ア・クゥーが完全態の姿になるのは塔の頂上においてのみであり、その一方でそこに辿り着いた者は涅槃(一切の煩悩から解脱した境地。入滅)に達した聖人となり、影を落とさなくなってしまい捉える事ができなってしまう。
それ故にア・バオ・ア・クゥーは最上段の一歩手前で、あたかも麻痺したようにたじろぎ始め、その色や形、そして輝きを失い始めると同時に苦痛に苛まれ、絹の擦れる様な、ほとんど聞こえない悲鳴を上げる。
そして巡礼者が途中であきらめ塔の下ろうとしたり、頂上から帰ろうと階段を降りようものならア・バオ・ア・クゥーはたちまち最下層まで転がり落ち、再び形の無い姿で倒れ伏し、次に塔を登る為に訪れるものを待ち続けるという“永遠に完成することが無い”という運命を繰り返す存在だとされている。
なお一度だけ最上階へと辿り着いた事があるらしいが、その正体や究極の姿などの詳細については謎に包まれているという。
余談
ジャイナとはサンスクリット語で“勝利”、“征服者”を意味しているらしい。