壁井ユカコ氏による電撃文庫のライトノベル。イラストレーターは田上俊介氏。
第9回電撃ゲーム小説大賞(現在の電撃小説大賞)受賞作で、本編は全9巻。
2004年にメディアワークスからオリジナルストーリーのドラマCDが発売され、続く2005年には絵本『キーリ―WILD AND DANDELION』が発売されたほか、完結から10年後には記念作品としてサイドストーリーである『何度でも ~Kiele 14 years old~』が電撃文庫MAGAZINE Vol.32で発表された。
また、1巻の「死者たちは荒野に眠る」の内容を描いた漫画(著:手代木史織氏)が全2巻発売されている。
幼い頃より霊感が強い14歳の少女・キーリは教会の寄宿舎学校に通いながらも、その力ゆえに神の存在や意義については疑問を抱きつつ日々を送っていた。
そんなある冬休みの最初の日、親友の地縛霊のベッカの悪戯で偶然出会った“不死人”の青年ハーヴェイと、その同行者の小型ラジオに憑依している兵長の亡霊と出会った彼女は、彼らの旅に勝手についていくことを決意する。
これは回りくどい性格の少女とめんどくさい性格の青年がくっついたり離れたりする話しで、人生くたびれた男が生きる意味を取り戻す物語。by後書きの作者のコメントより。
※CVはドラマCDより
主要人物
本作の主人公にしてヒロイン。幼い頃より霊感か強く、惑星を実質的に支配している“教会”の教義については懐疑的な思いを抱いている。
ある日出会ったある意味似た者同士のハーヴェイに強く惹かれ、彼の旅に勝手について行くことを決意。旅を通じて様々な出会いを得て少しずつ成長して行く。
本作のもう1人の主人公。“不死人”と呼ばれる一種の生体兵器(ただし自我は有る)の青年。
ある目的の為に1人(+ラジオ)と共に旅を続けている。
本編より80年前に起こった大規模な戦争のトラウマと“不死人”という立場からあまり人と関わらない様にしている。キーリに対しても当初はその傾向が強かったが、共に過ごしてゆく内に次第に彼女の存在は大きくなって行く事となる。
80年前の戦争でハーヴェイに殺害された男性。本名は不明で、作中では最初から最後まで当時の階級の<兵長>と呼ばれている。普段は古いラジオに取り付いているが、ときたま実体化する事もある。また、音の塊を放出して攻撃することも可能。ハーヴェイの事をハーヴィー発音で呼び続けているが、ちゃんと呼ぼうと思えば出来ないことは無い。キーリにとってはぶっきらぼうな相棒との仲介役にして良き父親的存在。
準レギュラー
ハーヴェイと同じ“不死人”の女性。キーリの初めての友人であるベッカによく似た姿をしている。ハーヴェイとは付き合いが長い為、彼からの信頼は高い。
当初はキーリを警戒し、ハーヴェイから離れるように警告するが、次第に彼女を信頼する様になって行く。
ユリウス / ユーリ
“教会”の中枢を担う<十一聖者>を祖父に持つお坊ちゃま。キーリと初めて出会った時に起きた事件以来、彼女に淡い思いを抱くようになる。その生い立ち故に当初は“教会”の教義を信じて疑わなかったが、キーリたちと触れ合う仲で次第に精神的に成長して行く。
ハーヴェイと同じ“不死人”の男性。ハーヴェイとは生前からの腐れ縁のライバルで、何かにつけて突っかかってくるが、それにはある秘めた思いから来る行動であったことが後に判明する。一度は撃退されるが後に復活を果たし、ある思惑を秘めてキーリを自分の物にしようと画策するようになる。
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