概要
カブトムシ亜科・クロマルカブト族・クロマルカブト属に分類されるカブトムシ。
クロマルコガネとも呼ばれる。
トカラ列島(悪石島、宝島、小宝島)、奄美群島(喜界島、沖永良部島)、粟国島に分布している。
学名は「Alissonotum pauper」。
体長は14〜16mmで、日本に分布するカブトムシでは最小となる。
コガネムシのような体型となり、オスメス共に角が生えない同型となる。上翅には点刻が連なった縦筋が入り、体表は光沢を有する。脛節は太短く棘が発達し、符節は細くなる。脚の形状から徘徊性と思われる。
初夏から秋にかけて発生するが、生態はよく分かっていない。現地ではまとまった匹数が灯火に飛来するため、個体数は少なくない模様。
その他の国産クロマルカブト
ホリシャクロマルカブト(A impressicolle)
1979年にトカラ列島の中之島にてオス1匹のみが採集されており、その後の採集記録は無い。海外では台湾に分布している。
ツヤクロマルカブトとも呼ばれる。
体長14〜16mmで、前胸の前方中央に僅かな突起がある。
生息地では5〜6月に出現するが、生態はよく分かっていない。
ミスギクロマルカブト(Alissonotum.sp)
樹洞内の堆積物中から発見されたメス1匹の死骸が標本として現存しているのみである。
体長10mm。形状からssp.cribratellumとほぼ一致するとされるが、先述のメス1匹の標本しか現存していないことから、種の記載については保留となっている。