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概要

中南米に生息しているカブトムシの族の1つ。主に南米を中心に55種が存在している。

ほとんどの種は小型で、最大級の種でも50mm程度の大きさしかない。しかし、奇妙な姿をした種が多く、飼育面でも人気がある。

オレンジ色か薄い茶色の種が多く、カブトムシらしい黒や濃い茶色の体色を持つ種は中程度しか存在しない。

多くの種は山地の森林に生息している。さらに珍しい種が多く、生態なども不明点が多いグループである。

主な属と種

・アカムネヒナカブト属(Gnathogolofa)

アカムネヒナカブト(G bicolor)

エクアドル南部のアスアイ県やロハ県に分布している。頭部と前翅は濃い茶色で、胸部がオレンジ色になっている。さらに胸部の中心部は茶色くなっている。かなり珍しい種で、生態はほぼ分かっていない。

・ケブカヒナカブト属(Democrates)

アカケブカヒナカブト(D burmeisteri)

エクアドルにのみ分布。単にケブカヒナカブトとも呼ばれる。前翅は赤茶色で、頭部と胸部は黒い。オスでも角は持たない。

Democrates croesus

ジャマイカに分布。ヒナカブトの中で唯一カリブ海の島に生息している。体色はオレンジ色で、前脚には大きな爪を持っておりヒナカブトよりもスジコガネモドキに似た姿をしている。

Colacus

パンパスヒナカブト(Colacus bicolor)

アルゼンチン北西部のカタマルカ州、トゥクマン州に分布。前翅はオレンジ色で、大きめの触覚を持つ。高地の乾燥した場所に生息している模様。

Colacus moroni

アルゼンチン北西部のトゥクマン州に生息。前種に似るが、頭部の形で見分けられる。

Colacus morio

前種と同じくトゥクマン州に生息。黒い体色で、前2種と比べて細長い体型をしている。

・ミツノヒナカブト属(Aegopsis)

オオミツノヒナカブト(A curvicornis)

パナマブラジル北部、トリニダード・トバゴにかけて分布。名前の通り3本の角を持つが、コーカサスオオカブトなどと異なり、頭部に2本、胸部に3本の角を持っている。またウエストウッドミツノヒナカブト(A westwoodii)はシノニムである。

ハビロミツノヒナカブト(A bolboceridus)

ブラジル中部〜南東部に生息。オオミツノヒナカブトよりずんぐりした体型が特徴で、体色は赤茶色。現地での個体数は多い。

また作物の害虫らしく、日本への輸入は規制されている。

クロミツノヒナカブト(A peruvianus)

ペルー中部のフニン県に生息。和名の通り体色は黒く、艶がある。角は小さめ。

シャミナーデミツノヒナカブト(A chaminadei)

ペルー南東部のマードレ・デ・ディオス県に生息。体色は黒くて角は太く、体型はずんぐりとしている。

カラカネヒナカブト属(Agaocephala)

アラメカラカネヒナカブト(A cornigera)

ブラジルのリオデジャネイロ州、バイーア州、パラグアイに分布。2本の頭角を持つ小型の種で、前翅は薄いオレンジ色。

イネルミコリスカラカネヒナカブト(A inermicollis)

ブラジル南部のリオグランデ・ド・スル州、ウルグアイアルゼンチンに生息。頭部と胸部は赤く、前翅がオレンジ色の特徴的な種。

ミドリカラカネヒナカブト(A bicuspis)

ベネズエラガイアナに分布。ギアナ高地周辺に生息している。この属の中では珍しく、全身が緑色になっている。

オオカラカネヒナカブト(A margaridae)

ブラジル北部のパラー州に生息。マルガリータカラカネヒナカブトとも呼ばれる。カラカネヒナカブト属で最大の種で、角の形も鹿の角のようになっている。現地では珍しいが、日本では累代品が多く出回っている。

Agaocephala brasiliana

ブラジル東部のバイーア州に生息。 Lycocephala 亜属に分類されており、前翅が粉を吹いたような体色になっている。

希少な種。

キバネヒナカブト属(Antodon)

キバネヒナカブト(A goryi)

ブラジル南東部に生息。和名の通り薄い黄色の前翅が特徴で、そこに大量の穴が空いている。

ハビロヒナカブト属(Brachysiderus)

ヨツボシヒナカブト(B quadrimaculatus)

細長い頭角を持つ種で、体色はオレンジ色。色彩変異も多く、黒っぽい色の個体もいる。

コロンビアエクアドルペルーブラジル西部のアクレ州、アマゾナス州に原名亜種が、ボリビアにがっしりした角を持つ亜種tridentiger( ssp tridentiger )が生息している。

ヒメハビロヒナカブト属(Minisiderus)

アラメコツノヒナカブト(M minicola)

ブラジル(ブラジリア、ゴイアス州、マットグロッソ・ド・スル州、ミナスジェライス州)に分布。体色は赤茶色で、とても小さな2本の頭角を持つ。

ゴヤコツノヒナカブト(M goyanus)

ブラジル(ゴイアス州)に分布。アラメコツノヒナカブトと姿が似ている。かなり珍しい種だと思われる。

マーチンコツノヒナカブト(M martinae)

ボリビア東部のサンタクルス県とブラジル西部のマットグロッソ・ド・スル州に生息。角は小さい。

マットグロッソコツノヒナカブト(M matogrossensis)

ブラジル西部のマットグロッソ州、マットグロッソ・ド・スル州に生息。体色はオレンジ色で、胸角が大きい特徴的な種。

パラネンシスコツノヒナカブト(M paranensis)

頭部と胸部は茶色で、角は細い。また前翅はオレンジ色である。

ブラジル南東部のパラナ州とサンパウロ州に原名亜種が生息し、ブラジリアに亜種lenorae( ssp lenorae )が生息している。

ハビロコツノヒナカブト属(Mitracephala)

フンボルトヒナカブト(M humboldti)

コロンビアボリビアに分布。ヒナカブトの中で最大の種で、オレンジ色の前翅と小さな頭角が特徴。ハビロコツノヒナカブトとも呼ばれる。

Mitracephala lachaumei

ボリビアのユンガス地方にのみ分布。フンボルトヒナカブトよりも角は小さい。

ビロードヒナカブト属(Spodistes)

グランディスビロードヒナカブト(S grandis)

コロンビアエクアドルに分布。名前の通り全身に薄い茶色の粉を吹いたような姿をしている。別名ミツトゲビロードヒナカブト

ムニシェフビロードヒナカブト(S mniszechi)

メキシコ〜中央アメリカに分布。ヒナカブト族の中で最も北に分布している。別名メキシコビロードヒナカブト

アングリコリスビロードヒナカブト(S angulicollis)

コロンビアに生息。太い胸角を持っている。

エボシヒナカブト属(Lycomedes)

バックレイコフキカブト(L buckleyi)

エクアドルに分布。バックレイエボシヒナカブトトゲエボシヒナカブトとも。詳細は当該記事参照。

ベルティペスエボシヒナカブト(L velutipes)

エクアドルに分布。大きな胸角を持つ。別名コブエボシヒナカブト

オハウスエボシヒナカブト(L ohausi)

エクアドルに生息。胸角が上に向かって真っ直ぐに伸びている。

Horridocalia

Horridocalia delislei

コロンビアエクアドルに分布。エボシヒナカブト属とよく似た姿をしている。また非常に珍しい種である。

甲虫王者ムシキングシリーズでのヒナカブト族

2種類が登場している。どちらも新甲虫王者ムシキングに続投されているが、新しいヒナカブト族は追加されなかった。

バックレイコフキカブト

2006ファーストより登場。詳細は当該記事参照。

フンボルトヒナカブト

アダー完結編より登場。必殺わざはパー、超必殺わざは「(スーパー)ローテートX」、肩書きは「さすらいの地理学者」。

新甲虫王者ムシキングでは激闘2弾より登場。必殺わざの属性がグーに変更されている一方、必殺わざ自体は以前と同様に「ローテートX」のままであり、演出もほぼ同様。

ディフェンスタイプ寄りのステータスでカード説明にも「あまりケンカはしない」との記載があったアダー完結編時とは対照的にアタックタイプとなっている。

レアリティはつよさ100に相当するNだが、レアリティNのグー属性のムシの中では唯一のカブトムシであり、コスト制限バトルではコノハムシなどの「R以下のカブトムシでのみ追加効果を発揮する」お助け昆虫と組む際には重宝される。

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